【新サービス】共有ストレージ(EFS)が発表!EFSの良い点、気になる点 #AWSSummit
ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。
4月9日(現地時間)に開催れてれいるAWS Summit 2015 San Franciscoで共有ファイルストレージサービスが発表されましたので、ご紹介します。
共有ファイルストレージ
AWSでは今までストレージザービスは以下の3種類が提供されていました。
- S3:オブジェクトストレージ(OSでマウント不可)
- EBS:ブロックストレージ(OSでマウント可能)
- Glacier:アーカイブストレージ(OSでマウント不可)
OSでマウント可能な物はEBSのみですが、複数のサーバで共有することができませんでした。そのため高可用性クラスタのシステムを構築するときには、独自にGlusterFSやCephでストレージを構築したり、DRBDでデータレプリケーションを行い、運用する必要がありました。そのため共有ファイルストレージが望まれていました。
EFS(Elastic File System)
今回発表されたEFSには、以下の特徴があります。
- ファイルの追加/削除に伴い、自動で容量を拡張/縮小する
- ペタバイト規模が使用可能に設計されており、数千の同時接続が可能である
- SSDベースになっており、大規模ワークロードに必要なスループット、IOPS、低レイテンシを提供する
- NFSv4でアクセス可能
- API、コンソール、コマンドラインで操作可能
- 高可用性、高耐久性のために複数AZ間でレプリケーションされ、複数AZからアクセスできる
- APIアクセスがIAMで制御でき、CloudTrailに対応している
- セキュリティグループ、ネットワークACLでネットワーク制御が可能で、ファイルに対してユーザ/グループのパーミッションが設定可能
良い点/気になる点
良い点
いろいろな特徴がありますが、以下の点が良いと思います。
- 自動での拡張/縮小
自動で拡張/縮小するため、実際の使用量が課金されると思われます。
まだドキュメントが出てきていないため、EBSと同様に確保したサイズ分の課金になる可能性もありますが。 - NFSv4でアクセスできるため、LinuxとWindowsの両方でアクセス可能
WIndowsには標準のNFSクライアントがあります。 - 複数AZからアクセス可能
一般的にEC2は複数AZに配置して冗長化するため、今までの構成でEFSを利用できると思われます。
気になる点
良い事尽くめに見えるEFSですが、以下のことに気になりました。
- 複数AZからアクセス可能である
AZを越えるネットワークアクセスを行うので、性能がシビアなユースケースでは使用しにくいと思います。 - NFSv4でアクセス可能
DB用ストレージのように特定のファイルを更新するユースケースでは使用しにくいですね。iSCSI接続に対応してくれれば、HAクラスタの共有データを保存しやすくなるのですが。 - 価格が$0.30/GB-month
EBSの3倍の価格のため、すべてのデータをEFSに置くのは止めましょう。
Storage Gatewayの代替として、多数のWorkSpaceからアクセスさせる場合に有用なのではないかと思います。また、HAクラスタで(データファイルではなく)設定ファイルを共有する場合も有用だと思います。
実際使用しているとデータファイルの共有も使用しやすいかもしれませんが。
さいごに
残念ながらEFSはまだ使用できず、プレビュー申し込みしかできません。そのため、上記の気になる点が確認できてません。
プレビューに申し込んで使用可能になったら、気になる点を検証して本番環境レディーにしたいと思います。