トラブルによる急遽変更

夏の思い出を作った私は秋の思い出を作るためにグルメ紹介本を読んでおります。
秋には、それはそれは美味しい食べ物がございます。

サンマ、栗ご飯の栗、マツタケ・・・etc

食欲の秋・・・

お嬢様、お坊ちゃま、食欲の秋ではございますが、
野生のキノコや野草をお召し上がりになる際は、専門家の指導のもとお願いいたします。

食欲の秋でございます。如何お過ごしでございましょうか?
奈良崎で御座います。




今回はフットマンの日常を物陰から観察し、レポートを書く予定でしたが
対称フットマンの体調不良により内容を変更してお届け致します。

ですが、お嬢様、お坊ちゃま、ご心配には及びません。
野生の花を食べてお腹を壊しただけのようです。
お腹が弱いと大変でございますね。
不在の部屋の前にお薬を置いておきました。

鎌田は強い子です。何の心配もございません。



さて、食欲の秋。運動の秋。芸術の秋。

そして、落とし穴の秋です。


先日、時任執事と豪徳寺執事に呼び出されました。
年末にある使用人の忘年会で上映するビデオの撮影をしてほしいと。

部屋には私の他に水上、神戸、三好
の三人。


豪徳寺「・・・では四人で頑張って下さい。」

三好「執事、ドッキリのビデオとかどうですか?」

時任「ドッキリか・・・何を撮るつもり・・・」

奈良崎「落とし穴がいいです!」

時任「落とし穴・・・他に考えは・・・」

神戸「落とし穴がいいです!」

時任「だから・・・」

水上「落とし穴がいいです!」

豪徳寺「そこまで自信があるならお願いします。」

時任「間違っても椎名執事は落とすなよ?」



当然です。



次の日さっそく、手押し車にシャベルとツルハシ、ロープを持って
お屋敷のはずれの森に向かいました。

地図を頼りに目的地に着くとそこには神戸がいました。
バイクで先回りをしたのでしょうか?
神戸の横にはやたら薄着な男が・・・

奈良崎「伊達くん・・・なにしてるの?」

伊達「オリバーポーズです。」

奈良崎「うん・・・だから・・・なんで?」

伊達「ダブルバイセップスの方がよかったですか?」

奈良崎「・・・サイドチェスト・・・」

伊達「サイドチェスト!!喜んで!!」

筋肉担当・・・という事でしょうか。


落とし穴は夕方には完成しました。
泥だらけの神戸と私、ポージングを変えない伊達・・・
休憩をしていると、機材を担いだ水上と三好がやってきました。

三好「三人で掘ったわりには結構深い穴ができましたね。」

神戸「二人ですよ。」

三好「だって・・・奈良崎さんと神戸さんと・・・伊達くんは?」

神戸「・・・筋肉担当。」

三好「筋肉担当なら・・・」

神戸「ううん、筋肉担当!」

三好「・・・あぁ・・・筋肉担当・・・」

水上「じゃあカメラの三脚忘れたから、三脚の役をやってよ。」

伊達「わかりました。」

奈良崎「でも、伊達君が見つかってバレてしまったりしませんか?」

神戸「迷彩柄にペイントすればいいんじゃないですか。」

伊達「よろこんで!」

三好「喜ぶんだ・・・」


お茶を飲んで休憩する私と神戸。
カメラを調整する水上。
落とし穴をの蓋をする三好。
緑のペンキを自分の体に塗る伊達。

奈良崎「そういや・・・誰を落とすか決めてあるの?」

神戸「梅崎さんに適当にお願いしました。」

奈良崎「適当って・・・大丈夫なの?」

神戸「さぁ?」

奈良崎「さぁ?・・・って。」

三好「まぁまぁ、何かあったら梅崎の責任って事で。」

神戸「じゃあ、それで決まりですね。」

奈良崎「梅崎には企画の趣旨って教えてあるの?」

神戸「え?もちろん教えてないですよ?」

三好「うゎ!完璧じゃないですか!」


水上「シッ!誰か来た!」

急いでお茶を隠し、迷彩柄の伊達にカメラを持たせ隠れました。
物陰でモニターを見ながら待機です。

梅崎「こちです。もうすぐです。もう着きます!」

声「梅・・・どこまで行けばいいのさ・・・」



奈良崎『ちゃんと映ってますか?』

水上『カメラのアングルばっちりじゃないか。手ブレがゼロって・・・』

三好『伊達のポージング完璧ですね。』

神戸『結構いいコースで歩いてますね・・・もう少しで・・・』


梅崎「うわぁ!!!!」

声「わわっ!うわぁぁぁぁ・・・」


ズザザザザ・・・・・





落とし穴は成功でしたが・・・梅崎も落ちてしまいました。




水上「ちゃんと撮れてるけど、大成功のパネル忘れちゃった。」

奈良崎「今・・・落ちたのって・・・」

三好「奈良崎さん。大丈夫ですよ。」

奈良崎「でも・・・」

神戸「このまま帰っちゃった方が面白くないですか?」

三好「神戸さん。それ最高です。」

水上「二人とも明日は休みのはずだから大丈夫だよ。」

神戸「そういえば、奈良崎さん雪村執事と約束あったじゃないですか。」


そうでした。あぶない、あぶない、わすれるところでした。
幸い顔を見られていませんでしたし、時間もギリギリです。


三好「穴にオニギリでも落として帰りますか?」

奈良崎「オニギリなんて持ってきてないよ?」

神戸「知ってますか?」

奈良崎「何が?」

神戸「そこに咲いてるリコリスの花って・・・」

奈良崎「・・・花って?」

神戸「・・・食べられるらしいですよ?」(ニヤリ)

奈良崎「・・・ほぅ」(ニヤリ)

一人一輪リコリスを投げ込み、
四人で、ちゃんとゴミを片付けして帰りました。
最近は観光地でのマナーの悪さが問題になっていると聞きました。
ゴミを置いて帰るなんて『ダメ、絶対!』でございます。



映像の編集は如月に任せ、雪村執事との約束にも間に合いました。

次の日の昼には梅崎が帰ってきましたが、
「森に緑色の怪人が出た」・・・と叫んでいます。

お腹が空いているからでしょうか?
オニギリをあげましょう。
疲れているからでしょうか?
夜更かししないで早く寝るといいと思います。

私もレポートの観察の予定が潰れたので早く寝ます。


忘年会のビデオ上映が楽しみです。如月なら上手に編集してくれる事でしょう。
年末が待ち遠しいですね。

そして、年末の楽しみを損なわぬためにも、
この日誌の話は他言無用でお願い致します。
お嬢様、お坊ちゃまだから信用をもってお話させて頂いているのですから・・・

おっと、まだ年末の話をするのは少し早いようですね。
お嬢様、お坊ちゃまも2011年、まだまだお楽しみ下さいませ。
イベントはまだまだ残っております故・・・

奈良崎で御座いました。











あ、伊達君を置いて帰ってきてしまいました。

カテゴリー: 奈良崎 — Swallowtail 21:30