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 子どもが起こした事故の責任を、親はどこまで負うべきなのか。最高裁は9日、これまでほぼ全面的に認めてきた親の責任を、限定する初めての判断を示した。認知症の高齢者が原因となる事故にも当てはまる可能性があり、一緒に暮らす家族が何に注意すればいいのか、判断材料のひとつになりそうだ。

 「放課後の学校の校庭でゴールに向かってボールを蹴ることが、法的に責められるくらい悪いことなのか、疑問がずっとぬぐえなかった。主張が認められ、ひとまず安堵(あんど)しています」

 判決後、ボールを蹴った男性(23)の両親の代理人は東京・霞が関で記者会見を開き、父親(53)のコメントを配布した。「親として、少なくとも世間様と同じ程度に厳しくしつけ、教育をしてきたつもりでした」とも。「(一、二審で)『違法行為だ』と断じられたことは、我々親子にとって大変ショックで、自暴自棄になりかけたこともありました」と、これまでの裁判を振り返った。