03.22
Sun
『衣』をまとう習慣のある私たちは、天ぷらの
外の部分をそう呼んでいるし、日本の外でも 
たとえばドイツ人は塩釜焼きにされる魚を、
マントに身をくるんでいる姿とみたてて
『塩マント』と、呼んだりする 
 
マンガや童話の世界では、ウサギやネズミが
ふつうに服着て登場するし、かの有名な猫は
かっこいい長靴もはいている 
 
 

_
ギュスターヴ・ドレ作 『長靴をはいた猫』の挿絵より
 
 
そんな微笑ましい衣のカルチャーだが、視点を
約1メートル変えてみると様子が変わってくる 
  
人間と暮らす猫は口や表情に出さないだけで、
私らが起きてまず一枚衣を剥ぎ、毛のえらく
少ないその身体にまた別の衣を被せ、
夜にはまた裸となり朝剥いだはずの衣を着ける
ことを、さぞ不思議に思っていることだろう 

なんせ彼らは脱ぎ着する必要のない、
個性豊かな万年衣をもっているのだから 
むろん手入れもおこたらない 
 
人間によってはスポーツ着に、仕事着にと、
何度も裸になっている種があるが、そこまで
くると猫にはもう完全に理解不可能である 
 
 
さらに歯に衣着せずに言わせてもらえば
(だって歯はつるんつるんの方が気持ちよいん
だもの)、猫に服を着させている種の人間が
ちょくちょくおられるが、あれはよくない 

ただでさえぶっ飛んでいる私たちを、
体は小さくとも今日まで大きな心で受け止め
てきた彼ら猫たちを、これ以上まどわせては
ならないのだ 
 
 

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コメント
青梗菜さん
 
ビーバーのダム造りにかける熱情は聞いております 
自然に逆らって、あげく自然界の頂点に
立たんとせんばかりの熱中さだとか 
ダーウィン的に見たら、
突然変異でたまたま私たちと
種が分かれたとしか思えない(笑)
 
猫工、なにかあるかなあ
思いつかない 
解かれた毛糸玉ぐらい? 
IDが見つからない | 2015.03.23 04:09 | 編集
「自然」の反対語は、「人工」らしいです。

そのまま猫に移すと、
「自然」の反対語は、「猫工」になります。
人工は自然の一部に過ぎず、
少々変てこなことでもそのまま受け容れてしまうのでしょう。
雨が降れば傘を差す生きものがいて、
雨が上がれば傘は棒のようになり、
雨上がりには虹ができます。

そのままビーバーに移すと、
ビーバーが造ったダムが「ビーバー工」で、
人が造ったダムが「自然」です。
どちらにも、なんら変わることのないおぼろ月が浮かびます。

猫は、長靴をはいていても、
服を着せられていても、
そのまま受け容れてしまうのでしょう。
長靴や服は、「猫工」ではないからです。

ん~、無理があるww。
青梗菜 | 2015.03.23 00:09 | 編集
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