ホワイトハウス:ハッキングは最も洗練されたものだった
毎日新聞 2015年04月09日 11時19分
【ワシントン和田浩明】米CNNは7日、昨年10月に発表されたホワイトハウスのコンピューター網へのハッキングは、国務省のコンピューター経由で行われたと報じた。機密指定されていない部分が侵入されたが、非公開のオバマ大統領の予定の詳細など外国情報機関が関心を持つような「機微な情報」が含まれていたという。
CNNは捜査関係者の話として、ロシアの関与を疑わせる材料が出ていると指摘。侵入には世界各地のコンピューターが使用されているという。侵入者はまず国務省のメールアカウントを乗っ取り、偽のメールをホワイトハウス側に送って信用させたうえで、コンピューター網に入り込んだと見られる。国務省のコンピューター網は数カ月にわたって侵入者に悪用されていたと見られる。
捜査関係者は「米政府の(コンピューター)システムに対する攻撃としては最も洗練されたものの一つ」と話している。捜査は米連邦捜査局(FBI)や大統領警護を担当するシークレットサービスなど複数の米情報機関が行っている。
国家安全保障会議(NSC)のストロー報道官は毎日新聞に「対抗措置は取った」と説明したが、ロシア政府との関係などについては言及を避けた。
ロシアの米国に対するサイバー攻撃について、米軍サイバー司令部のロジャース司令官は3月の上院軍事委員会の公聴会で「より活発化し目立つようになっている」と証言。ロシアが北朝鮮と核やサイバー分野で連携を深める可能性にも「深い懸念」を表明し、監視を強める意向を明言している。