熊井洋美
2015年4月9日23時32分
東京電力福島第一原発の原子炉から溶け落ちた核燃料を取り出す工法について、原子力損害賠償・廃炉等支援機構は9日、3通りの案を公表した。これまで想定されていた格納容器をすべて水で満たす方法に加え、水漏れのおそれを考慮して低い水位のまま取り出す方法も検討する。近く改訂する国と東電の廃炉工程表に反映される見通しだ。
1~3号機で溶け落ちた燃料は、どこにどんな形であるかが未解明なうえ放射線量も高く、取り出しは廃炉の最難関作業とされる。機構は福島第一原発事故の損害賠償の支援のほか、溶融燃料取り出しと廃棄物対策について技術的な助言をすることになっている。
案は福島県郡山市であった地元との会合で示した。一つは、従来の「冠水工法」で、格納容器の上部まで水を張り、燃料を上から取り出す。水が放射線を遮るため、作業時の被曝(ひばく)線量を低く抑えられる利点がある。一方で、格納容器に腐食や亀裂があって水を張れない可能性があるほか、大量の水を入れた場合の耐震性の問題がある。
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