辺野古基金:移設阻止目指し創設 民意を国内外に発信
毎日新聞 2015年04月09日 20時33分(最終更新 04月10日 02時14分)
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に反対する沖縄の経済人や与党県議、首長経験者などが9日、辺野古移設阻止を目指す「辺野古基金」を創設した。移設反対の民意を国内外に発信することが目的で、寄付を広く募って国内や米国の新聞に移設反対を訴える意見広告を掲載するなどさまざまな活動費に充てる。辺野古移設に反対する大がかりな基金創設は初めてとみられる。
9日に那覇市で開かれた記者会見には沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事も駆けつけ「多くの人が力を合わせて基金をつくり、頑張っていく基礎ができるのは本当にありがたい。(移設問題は)世界が注目している。多くの県民と力を合わせて頑張っていきたい」と移設阻止の公約実現に向けて決意を新たにした。
基金の共同代表には、地元建設・小売り大手「金秀(かねひで)グループ」の呉屋守将(ごや・もりまさ)会長や県内ホテル大手「かりゆしグループ」の平良朝敬(たいら・ちょうけい)CEO(最高経営責任者)などの経済人のほか、元外務省主任分析官で作家の佐藤優さん、昨年11月に亡くなった俳優の菅原文太さんの妻文子さんら6人が就任。呉屋氏はグループの経常利益の1%を移設反対の活動に寄付する意向を示している。
趣意書では「辺野古新基地建設を強行する政府の行為は県民の意志を侮辱し、民主主義と地方自治の根幹を破壊する暴挙だ。沖縄の声を国内外に発信し、県内移設を断念させる運動の前進を図るために物心両面から支援を行う」としている。
呉屋氏は「米政府や米国民に直接、間接に訴えていくことが重要だ」と述べた。翁長知事も移設反対の民意を直接伝えるため、近く訪米することを検討している。
基金の問い合わせは金秀本社(098・868・6611)。【佐藤敬一】