「過去より将来」 日本寄りの姿勢見せる米国

 カーター長官は「米韓日は共に連携することによって、北朝鮮の核とミサイルの脅威に最善の対処を行い、抑止力を強化し、地域の安定を確保することができる」「3カ国の安保協力の強化は、米国のアジア太平洋地域へのリバランスの主要要素であり、日本はこの重要な取り組みで極めて重大な役割を果たす」とも述べた。

 こうした発言に、読売新聞は「歴史認識問題の確執の責任は韓国と中国にもあるというウェンディ・シャーマン米国務省政務次官の2月の発言と同じ流れ」「カーター長官は批判を覚悟の上で、今後の米国の『リバランス政策』に影響を与える可能性がある韓日関係の打開を訴えたと言える」と分析した。

 ダニエル・ラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)も6日に読売新聞のインタビューで、安倍首相が米紙ワシントン・ポストに対し強制動員された従軍慰安婦を「人身売買(human trafficking)の犠牲者」と表現したことを「肯定的なメッセージ」と評価した。これについては、「人身売買の主体が誰なのか、何を目的としたものなのかがはっきりしていないのにもかかわらず、慰安婦問題に対し免罪符を与えようとしているのではないか」との指摘もある。

 こうした米国側の「日本の肩を持つ言動」は、日本の軍事費分担や経済協力関係強化も関連している。カーター長官は、韓国と日本を訪れる前に行った講演で「米国の軍事力は経済力に基盤を置いている。(オバマ政権が日本などと締結しようとしている)環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を通過させることは、もう一つの航空母艦を持つのと同様に重要だ」と述べた。安倍首相の訪米期間中にTPP交渉の妥結を期待しているのだ。

 米国からすれば、アジア地域の覇権を維持し、経済的利益を最大にするには韓米日の協力が不可欠なため、歴史認識問題で一歩も前進できない事態を懸念している。このため、現実的な利害関係を前面に出し、過去ではなく未来に目を向けるものと見られる。

ワシントン=ユン・ジョンホ特派員
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