焦点:中国人民銀に試練、流動性供給の効果奪う資金流出構造
ロイターが公式統計に基づいて計算したところでは、昨年12月の中国企業による人民元売却規模は190億ドルと、7年ぶりの高水準になった。
中国企業が人民元を積極的に売るのは対ドルでの為替差損から身を守るためで、資金の奪い合いが激しい国内資本市場から締め出された企業がドル建ての借り入れに依存するようになって、こうした為替リスクは増大している。
<大規模な資金流出>
問題は資金流出だ。これはドル建て資産の利回り上昇で人民元建て資産の魅力が薄れたり、中国政府による改革のために海外投資が容易になったことが影響している。
資金流入も最近は枯渇する様相を呈してきた。外国人による中国株直接購入の道を開いた香港株と上海株の相互取引が低調な滑り出しだった上に、マークイットのデータによると、昨年第4・四半期に中国本土の株価指数が50%上昇したにもかかわらず、中国関連の上場投資信託(ETF)からは大規模な資金が流出した。
ロイター・リッパーIMのデータでも同様の傾向が見られ、中国専門ETFは平均で2億7500万元(4430万ドル)、全体では340億元が昨年12月に逃げ出した。
<戦術変更>
こうした事態は全て中国政府にとって厄介な問題を生み出している。 続く...
株価2万円目前に「違和感」も
日経平均は3日続伸、2万円の大台回復まで間近に迫った。しかし市場からは、違和感を指摘する声も出ている。
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