2015年4月9日14時26分
【午後1時30分】昼食休憩が終わり、対局が再開した。羽生名人は時間通りに部屋に戻ってきたが、手番の行方挑戦者が戻ってきたのは午後1時39分。記録係の川崎直人三段が「行方先生、残り2時間と28分です」と声をかけた。羽生名人の残り時間は3時間46分だ。(佐藤圭司)
■昼食休憩
【午後0時30分】昼食休憩に入った。羽生名人の注文はピザマルゲリータとオレンジジュース。行方挑戦者はカレーライス(ビーフ)とホットコーヒー。ご飯はバターライスで、付け合わせはパルメザンチーズ、福神漬け、ピクルス、パールオニオン(小さなタマネギの酢漬け)。
前述のホテル椿山荘東京のレストラン担当接客支配人の俵木章浩さんは「羽生名人は、どちらかと言うと軽めのお食事を好まれる気がする」と教えてくれた。その言葉通りのチョイスだ。昨日に続く、行方挑戦者のビーフカレーの注文に、別の担当者は「気に入っていただけたんでしょうか」と笑顔だった。
封じ手の△4三金左が開かれてから、午前9時から3時間半の間に、指し手は6手しか進まなかった。力のこもった、ねじりあいといった感じの手が続いている。(佐藤圭司)
■現地での大盤解説会
対局場のホテル椿山荘東京では午後1時半から大盤解説会が開かれる。解説は石田直裕四段、聞き手は藤田綾女流初段。立会人の塚田泰明九段、副立会人の広瀬章人八段、田村康介七段らも適宜、登壇する予定だ。当日入場料は2千円。
会場内では、棋士直筆サイン色紙が特別料金の3千円で販売される。塚田九段も局面の検討の合間に「遊心」などと揮毫(きごう)してくれた。昨日は、木村一基八段のサイン色紙が一気に6枚売れて、すぐに品切れに。どうやら熱心な木村ファンがいたようだ。色紙の収益金は、東日本大震災の復興支援のために役立てられる。(佐藤圭司)
■阿川佐和子さんが見学
【午前9時】今朝の再開時、対局場に作家・エッセイストの阿川佐和子さんの姿があった。14日に週刊文春の企画で羽生名人と対談を予定しており、勝負の現場を見学するために訪れた。
これまでに故・米長邦雄名人や谷川浩司九段らと対談の経験がある。共通して感じたのは「みんなシラウオのような(白くて細い)指をしている」ということ。今日は棋士の様々な所作が気になったという。「羽生さんが駒を動かす際、左手で体を支えている姿に色気を感じた。はかまの扱いは行方さんより羽生さんの方が慣れているようですね」(村瀬信也)
■8年連続で第1局の椿山荘
対局場のホテル椿山荘東京は、広大な日本庭園で有名。2月下旬から4月上旬まで約21品種120本の桜が次々に咲き誇る。今年は先週の日曜の雨で、満開だった桜の花びらは散ってしまったとのこと。結婚式場としても有名だ。
将棋名人戦第1局は、朝日新聞と毎日新聞の共催形式が始まった第66期から8年連続でホテル椿山荘東京で指されている。8年連続で名人戦を担当し続けてくれているのが、レストラン担当接客支配人の俵木(たわらぎ)章浩さん(61)。「名人戦はとても人気が高いイベント。ご年配の方だけでなく、意外に若い女性の方も大盤解説会に来てくださる。対局で使った部屋に後日、別のお客様をご案内すると、『あ~、ここですか!』と喜んでくださいますね」。今回も畳を新調し、準備を整えてくれた。
最も大切に思っているのは、対局者のコンディションだという。その日の様子を見ながら、話しかけたり、そっとしておいたり。対局室内を映し出すモニターを見ながら、「お水をたくさん飲んでおられたようでしたので」と、すぐに水対策を講じた。軟水と硬水、両方を用意し、好みの方を察して、補充する。それほどの細やかさだ。「大事な初戦ですので、お二人に、うまく立ち上がっていただきたい」と俵木さんは優しい笑顔で話した。(佐藤圭司)
■名人の封じ手は△4三金左、2日目始まる
【午前9時】羽生善治名人(44)に行方尚史八段(41)が挑戦する第73期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第1局は9日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で再開され、2日目に入った。
1日目の指し手が並べ直され、午前9時、立会人の塚田泰明九段が封じ手を開封。後手番の羽生名人が8日夕に封じていた40手目は△4三金左だった。候補の一つには挙がっていたが、本命ではなかった。
副立会人で新聞解説の広瀬章人八段は「守りの金を中央付近に用いて、玉の堅さよりもバランスを重視した手。臨機応変な『羽生流』といった感じです。これから読み比べになります」と話している。
行方挑戦者は眼鏡を外し、考えている。対局は9日夜までに終局する見込み。(深松真司)
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