(篠原暁子)あと何分?
(片瀬裕子)5分よ。
これが最後だけど。
どう?時間までに間に合いそう?ええ今終わりました。
これじゃダメだわ…。
えっ…。
ちょっと暁子!?すみません。
必ず間に合わせますから。
あと2分で12時よ。
さすがねぇ…いい出来だわ。
時間にも間に合ったし。
あなたに頼めば間違いないっていう評判は本当だったみたいね。
ありがとうございます。
12時ジャストには幕が開くわ。
またお願いね。
こちらこそよろしくお願いします!ああ〜ヒヤヒヤした!もう一時はどうなることかと思ったわ。
ごめんごめん。
まっいつものことだからいいけど。
もがれた花は必ず死ぬわ。
だからせめて精一杯やって最後の瞬間を輝かせてあげたいの。
花の命も大事だけどお腹の命も大切にしなきゃね。
あんなに走って…。
また取り返しのつかないことになったらどうするの?今度こそちゃんと守ってあげなきゃね。
(時計の鐘の音)
(携帯電話)もしもし…。
えっ?私がですか?
(カメラのシャッター音)
(笹岡孝雄)きれいだな。
(篠原省吾)おっ。
珍しいなぁ。
どうした?
(省吾)久美ちゃん悪いな。
ちょっと席はずしてくれないか。
(加納久美)は〜い。
何か怒ってるみたいね。
そうかな。
それより何?何かあったんだろ?うんあのねフローラルアート大賞の最終候補2人に残れたの。
へえそりゃすごいな。
フローラルアート大賞っていったらフラワーアーティスト界の直木賞だもんな。
うん。
まさか自分でも残れるとは思わなかったから驚いてる。
俺は残れると思ってたよ。
暁子頑張ってたもん。
どうしたの?えっ?いつもはそんなこと言わないじゃない。
フッそうか?浮気でもしてたりして。
ば〜か言ってんじゃないよ。
それとね今夜協会の人がパーティーを開いてくれるんだって。
省吾も来れるよね?俺も?ダメ?ダメだなんて言ってないだろ。
行くよ必ず行く。
約束するよ。
じゃあこれプレゼント。
俺に?ネクタイ。
ちゃんとしめてきてよね。
フッはいはい。
パーティーは5時からだから。
場所はプラザフロンティア。
やっぱり伸びてる。
ちゃんとひげもそってきてよね。
暁子。
うん?相談があるんだけどな。
相談?大事な話だ。
何?暁…。
・
(久美)先生!先生急患です。
ごめんなさいっ。
どうぞ。
どうしました?先生すみません。
家の前で転んじゃって。
転んだって…うち内科だよ?いいの?まっまあいいや。
そこに寝かせて。
ねっ?暁子!気をつけろ…。
えっ?いや…体だよ体。
今が大切な時期だからさ。
相談って?今夜話すよ。
(拍手)
(岸田文子)それでは皆様。
フラワーアーティスト協会主催第38回フローラルアート大賞の最終候補に選ばれたお2人をご紹介いたします。
まずは篠原暁子さん。
そしてもうお一方は中島カオルさんです!カオルさん…。
(拍手)
(中島カオル)やっぱりもう1人は暁子だったのね。
きっとあなただと思ってたわ。
お互い頑張りましょう。
最終選考日は10日後です。
その選考結果このお2人のどちらかがフローラルアート大賞の栄誉を勝ち取ることとなるでしょう。
お2人に激励の拍手をお願いいたします。
(暁子)「自分で作ってみました。
何故かいつもありがとう」「暁子」手作りねぇ…。
(携帯電話)はい。
お久しぶりね!裕子さん。
ええ…。
暁子と省吾が結婚して以来だから4年ぶりぐらいかしら?ああまあそのぐらいになるかしら。
あなたたちって付き合い長かったわよね?私が高校のころからだからつい甘えちゃって。
アシストをし続けて10年。
う〜ん。
暁子はいいわね。
気心の知れた人がアシスタントで。
うらやましいわ。
私なんか気が合わなくてしょっちゅうアシスタント変えてるのよ〜。
今回も1人…。
・何だかあなたたちってまるで同窓会みたいね。
すみませんつい。
フラワーデザインの教室で一緒だったものですから。
仲がいいのはよろしいけどお2人とも最終選考のアレンジはもう決めてらっしゃるの?これからです。
あっ私もまだ何も…これからです。
まっじっくりと考えることね。
2人がどんなアレンジでくるのか最終選考を楽しみにしてるわ。
何とな〜く話し方が素直じゃないのよね。
気にすることないわよ。
言わしときゃいいのっ。
それより省吾は元気?ええ…元気よ。
あっ私何か食べ物取ってくるわね。
ねえっ彼はパーティーに来ないの?来るとは言ってたんだけど…。
きっとあれじゃないかな。
時間外の患者さんを診てるんじゃない?相変わらずねぇ…省吾らしいわ。
カオルさん。
うん?4年前のことだけど…。
もう昔のことよ。
私は仕事を選んだ。
省吾は暁子を選んだ。
それだけのこと…。
でも今回の賞はそう簡単にはあなたにはあげないわよ。
(電話の呼び出し音)
(電話)どうしたんだろ省吾。
病院にもいないし携帯もつながらないし。
そのうち来るわよ。
手作りのネクタイをしてくるんでしょ?裕子送ってくわよ。
(パトカーのサイレン)私のマンションで何かあったのかしら?
(石橋)ああちょっと。
(鑑識官)検分終了しました。
ああ。
写真撮影もすべて終わりです。
屋上から落下したようです。
死後硬直も始まってますし死亡推定時刻は午後6時ってところでしょうね。
6時!?ホトケさん3時間もほっとかれたのか。
・
(田坂)警部補!こんなカードがポケットに入ってました。
「自分で作ってみました」「何故かいつもありがとう」?ガイシャは白い花をあしらった特徴のあるネクタイを身に付けてます。
ああっちょっと!ちょっと待って!ちょっと!
(田坂)困りますよ!夫です!きっと私の夫です!
(石橋)何ですって?離してやれ!どうして…?どうしてこんなこと…。
・
(ノック)刑事さんが事情を訊きにいらして…驚いたわ。
大丈夫?これからやっとまた昔みたいに3人で付き合っていけるって思ってたのに…。
まさかこんなことになるなんて…。
篠原省吾さんはあなたのマンションで亡くなってたんですよね?今夜のパーティーの最中30分ほどあなたの姿が見えない時間があったと聞きました。
その時間と篠原省吾さんの死亡推定時刻が合致してるんですよね。
篠原省吾さんは約束があるからと早めに診察を切り上げた。
しかしパーティーには現れなかった。
約束というのは奥さんとの約束ではなく…。
誰かと会う約束をしていたのかもしれませんね。
空白の30分…あなたはどこにいらしたんですか?答えていただけませんかね?空白の30分間…あなたはどこにいたんですか?これを受け取りに行ってたのよ。
金物店に頼んでいたこのハサミを受け取りに行ってたのよ。
省吾…何か言ってよ…。
何か言って…。
6時に裕子ちゃん来ましたよ。
受け取りに。
あっえっと〜このあたりに置いたんだが…。
あああったあった。
はい受け取り書。
おお。
どうだった?片瀬裕子の筆跡と一致しました。
受け取り時間も篠原省吾の死亡推定時刻の6時。
彼女の空白の30分と一致しています。
(田坂)赤い字は店主の署名です。
(石橋)18時…。
アリバイ成立ってことか…。
疑いが晴れたわ。
暁子のよ。
暁子が最終選考に残れたらプレゼントしようと思って発注してたの。
ごめんなさい…。
私のために疑われて…。
ああいいのよ。
気にしないで。
それより省吾さんどうして私のマンションなんかで…。
(省吾)〔相談があるんだけどな〕暁子。
相談があるんだけどな。
省吾相談があるって言ってたの。
大事な話だって。
きっとそのことと今回のことが何か関係してるはずよ!でも…だとしたら一体誰が?省吾さんの相談って何だったんだろ。
わからない。
何か心当たりはないの?あのとき私がちゃんと聞いてあげてたらこんなことにならなかったのかもしれない…。
(読経)何なんですか?誰なのあなた…?
(エリ)残念ね…。
お父さん亡くなって!あっはははは…!あの女…。
連絡先です。
葬式に来たあの女が…。
このエリって女ですよ。
省吾の患者さんだったの?あれは患者とはいわないわね…。
えっ?
(エリ)うっ…。
先生…。
ハア…ハア…。
どうしました?お腹が…お腹が…!先生急がないと。
あっツネさん!
(ツネ)何っ?いや悪いんだけどさ彼女をこの先の病院まで連れてってくれないかな?心臓発作の急患で往診に行かなきゃいけないの。
うんまかせて!行って行って!頼むね。
あいよっ。
お願いします。
ううっ…ハアハア…。
はいっ頑張って!
(久美)あのとき…。
あのエリって女が妊娠してるなんて先生何も知らなかった。
なのにあの後あの女が乗り込んできて…。
あんたのせいで!あんたのせいで流産したのよ!!あんたなんかいつか必ずぶっ殺してやる!!子供だ賞だって浮かれちゃって…。
ほんとにあなたって先生のこと何も知らないんですね。
妻なのに…。
この記事書いたのあなたね。
こういうの棚からぼたもちって言うんですかね。
最初はありがちな三面記事くらいにしか思ってなかったんですけど殺人まで起きてくれちゃって慌てて記事の差し替えですよ。
そんなことよりこのエリって女の…!住所ね。
はいはい。
わかってますよ。
旦那に恨みを持つ女。
エリの本名は沢井百合。
裕子?エリの居場所がわかったわ。
これから行ってみる。
(裕子)「ああ…」「警察に知らせたほうがいいんじゃないの?」私が会って確認したいの。
「わかったわ。
じゃあ私も行くわ」
(電車の警笛)今どこ?「家よ」「すぐに行くから待ってて」「あっエリって女の住所どこ?」
(チャイム)
(チャイム)第一発見者ですね!きゃあー!
(田坂)エリこと沢井百合の遺書がありました。
「申しわけありませんでした」彼女が犯人だったんでしょうか?その可能性もありますね。
じつはこちらでも彼女はマークしていたんですよ。
今夕4時から署のほうで事情聴取する予定になってたんです。
なあにここ?ここが暁子の戦場よ。
賞の最終選考ここで暁子が生けるのよ。
広くて孤独なこの空間で…。
カオルさんの戦場は隣の倉庫よ。
それぞれの倉庫に生けた花を審査するの。
賞の最終選考日までこの広い倉庫は暁子のものよ。
はあ…賞か…。
まさか辞退するなんて言わないわよね?私仕事にかまけて省吾が悩んでいることにも気づいてやれなかった…。
あの日省吾あのエリって女のことを相談したかったのよ。
なのに私…妻失格ね。
だからってせっかくのチャンスを捨てるつもり?ごめん裕子。
1人にしてくれる?
(船の汽笛)俺は残れると思ってたよ。
暁子頑張ってたもん。
(船の汽笛)いよいよね。
あと6日…。
楽しみだわ。
(省吾)〔相談があるんだけどな〕大事な話だ。
(久美)〔本当にあなたって先生のこと何も知らないんですね〕妻なのに…。
《省吾…相談って何だったの?》
(携帯電話)もしもし?もしもし!誰…?誰なのあなた!きゃあー!!はっ…。
お腹の子は大丈夫よ。
よかった…生きてるのね…。
どうして私が狙われたんだろう…。
えっ?私…誰かに突き落とされたの。
階段から落ちたんですって?子供は?子供は大丈夫なの?今のあなたには無理なようね。
賞は辞退していいのよ?すみません。
でも流産したんですから今は無理もないです。
かなりまいってるみたいね…。
あの子はもうダメね。
きっと…。
嘘つかせちゃってごめんね。
でも突き落とされたってことはエリじゃなくて他に犯人がいるっていうことだものね。
犯人の狙いが何なのかわからないし今は流産にしといたほうがいいと思ったの。
子供を守るためにもね。
3年前は守りきれなかった。
(雷鳴)雨の中私が無理したばっかりに…。
(雷鳴)ああっ…!うっ…。
でもこの子は今も必死に生きようとしている…。
今度こそは必ず守ってあげたいの。
この子の命だけは何としてでも守ってあげたい…。
どうぞ。
階段から落ちたそうですね。
落ちたんじゃないわ。
突き落とされたのよ。
なるほどね。
それってあなたの自作自演なんじゃないですか?まあどう書くかは俺次第なんですけどね。
何なのあなた。
私に何か恨みでもあるの?何が狙いなの!?あなたですよ…。
まっせいぜい養生してください。
(省吾)〔相談があるんだけどな〕大事な話だ。
暁子!気をつけろ…。
体だよ体。
今が大切な時期だからさ。
本当の狙いは省吾じゃなくて私だったのかもしれない…。
またかよ…。
可愛い〜!真ん中の!ねっ買っていこ!いいよ…。
入ろうよ〜!ああ今度な!行こう行こう!あの日…パーティーに来る前に買ったんだきっと…。
許せない…。
絶対に許せない…!カオルさん…岸田さんの姪だったの。
私驚いたわ。
今回の賞で岸田さんカオルさんのことを売り出したかったみたい。
今暁子がいなくなって一番得をするのはカオルさん…。
暁子さえいなければ賞はカオルさんのものになるのよね。
それにカオルさんだって省吾さんと結婚した暁子を恨んでいたとしてもおかしくはないわ。
仕事始めるんだ?お子さん流産しちゃって残念残念…。
ほんとあなたなんかのどこがいいんだろ。
あの久美さんがねぇ…。
省吾の写真を切り刻んでる彼女を見て何だかゾッとしたわ…。
省吾さんのことが好きだったのね。
でも受け止めてはもらえなかった…。
ああ…!何これ…!?残念残念…。
切り口が…。
切り口が…。
(船の汽笛)なぜ皆さん私の仕事場に?いいじゃないの。
戦いはオープンで。
最終選考まであと3日。
あなたも私の仕事場に自由に行き来していいのよ。
ねえ?おばさま。
フラワーデザイナーって見渡すと結構力仕事なんですね。
あっこの前話し忘れちゃって。
退職金払っていただけませんか?退職金?病院も閉めちゃったし残務処理もまだ残ってるから新しい職場に行けなくって。
だから困っちゃってて。
考えとくわ。
よろしく。
危ない!誰…?誰がやったのっ!?階段から私を突き落としたのは誰っ!?花を切ったのは誰っ!?誰よっ!?誰なのよっ!!もう立ち直ったかと思ったけどあなたにはまだ時間が必要なようね!賞はいつ辞退してくれてもいいのよ。
もう落ち着いたの?私狙われてるみたい…。
かなり疲れてるみたいね。
やっぱりあなたも信じてくれないんだ…。
昔とは随分作るものが変わったのね。
何だか冷たい感じがする。
あなたの生けた花にも出てるわよ。
省吾と家庭を築きぬくぬくと過ごしたあなたの幸せが…。
私もあなたの世界を作ろうとしたけど…。
私には出来なかったわ。
でもね…私は今の自分に満足してるわ。
作るものも私のほうがあなたに勝ってると思ってる。
あなたと違う時間と空間が今の私を作ったのよ。
私にしか作れない…私だけのアレンジをね。
賞も必ず私がいただくわ。
最終選考のテーマ例えばこういうのどうかしら。
失った愛…。
さっきのあなたの仕事場なかなか迫真の演技でしたよ。
しかしあなたも大変ですよね。
みんなに心神喪失とまで思われて。
あなたの狙いは何なの?それにしてもあなたを取り巻く女たちのあなたとのもつれあいなかなかおもしろいですね。
旦那が死んでエリが死んで…。
次に何が起こるのか楽しみにしてますよ。
きれいだ…。
今度の作品は自然の木々をモチーフにしてアレンジしたいの。
主にフジヅルをアレンジして…。
フジヅルか…。
今から発注して間に合うかな?フジツルを大胆にあしらって…何かそうだな激しい怒りってものを表現したいのよ!あっ…ハサミ車の中に置いてきちゃった。
あっいいわ。
取ってきてあげる。
これ使ってて。
ありがとう。
《裕子が…?》《まさか裕子が?》裕子見てないんですか?おう。
いつものようにここで合鍵作ってたからさ〜。
でも受け取り書にサインして机の上に置いてあったよ。
裕子ちゃん。
まあいつものことだからさ裕子ちゃんも慣れたもんだよ。
あっあのとき曲はエリーゼのためにだったから時間は確か6時。
間違いないよ。
あっいらっしゃい!へえ!まだ出来てないんですよ。
すみませんね!『乙女の祈り』
(電車の音)今どこ?
(電車の警笛)今どこ?「家よ」「すぐに行くから待ってて」「あっエリって女の住所どこ?」
(電車の警笛)あの時も電車の警笛が聞こえてた…。
きゃあー!
(携帯電話)どこに行ってたの?心配してたんだから。
うんちょっと。
大丈夫?フジヅルのことだけど知り合いの山があるの。
行かない?そこなら採ってもいいって言ってくれてるし。
持ち主の別荘もあるから泊りがけで行けるわ。
リミットは3日後だし…。
明日の朝行って2日間あれば質のいいフジヅルが採取出来ると思うのよ。
どうかしたの?ううん…。
気が乗らないなら断るけど。
行くわ。
あっ私帰るわね。
アイデア頑張ってね!あれ〜?まだいらしたんですか?この建物夜は12時でオートで消えるんですよ。
《何を考えてるの?》《本当にあなたが犯人なの?》《どうして私を狙うの?》
(岸田)あちらは自然の木々をモチーフにするそうよ。
自然の木ねぇ…。
山の別荘へ泊りがけで採取に向かったわ。
フッまあどんなまがいものが出来るか。
山はまだ寒いでしょうね…。
あら…。
いつからいたの?ごめんなさい。
退職金の話で来たんだけどあの女留守してるもんだから。
フフッ盗み聞きして失礼しました。
水用意してくる。
もっと先に行かないとね。
この先に質のいいフジヅルがあるらしいわ。
そのツルに惚れるのはわかるけど大きな素材はもう発注したわ。
裕子?裕子!どこなの?大丈夫よ…。
あなたの命は私が守るから。
暁子…心配してたのよ。
今捜しに行こうと思ってたところなの。
そんなふうには見えないけど。
暁子〜?寒かったでしょ?スープ作ったのよ。
先にお風呂に入って。
すぐに温めるからねっ!スズラン…。
暁子〜!温まるわよ!さっ飲んで?スズランって根にも葉っぱにも毒があるのよね。
猛毒が…。
そうなの?ほら〜このスープを飲んで温まって!ねっ?ああ…。
おいしいのになぁ。
う〜ん…フフッ。
はいどうぞ。
ああ…。
どうしたの?私のハサミじゃない。
ほら。
ここに大きな傷が1つあるでしょ?でもね買い替える気にならないのよ。
何か愛着があってね〜。
あっ金物店の受け取り書じゃない。
どうしたの?とぼけないで!あの金物店にはいつでも受け取り書が置いてあって誰でも持ちだせるわ!あらかじめ用意してあった受け取り書にあなたのサインを入れて他の人間に持って行かせることも。
暁子どうしたの?あなたへのプレゼントのハサミはたしかに私が受け取りに行ったわ!もう暁子…。
近寄らないで!エリの居場所がわかったってあなたに電話したとき電話の向こうで電車の音がしたわ。
あなたあのとき自分の家じゃなくてエリのマンションにいたんじゃないの?あはっ…ははは!もう…。
う〜ん!おいしい!丹精こめて作ったんだから。
暁子?本当に疲れてるのね。
明日も朝早いからもう寝たほうがいいわ。
ねっ?ウフッ…。
ああ…朝よ!採取出来るの今日しかないのよ。
さっ出かけましょ!ウフッ。
はあ…。
飲む?いらない。
そう…。
はあ…。
本当は私のこと嫌いでしょ。
嫌いよ。
出会ったころからずっと嫌いだったわ。
フラワーデザインの勉強を始めたのも私が先よ。
なのにあなたはすんなり手に入れた。
私は才能がなくてアシストに甘んじてる。
なのにあなたは最終候補に選ばれた。
私は結婚に失敗したのにあなたは優しい旦那様を手に入れた。
私はもう子供が望めないのにあなたには授かった!あなたは私のアシストでどんどん幸せを手に入れていくのよ!私のアシストでね!裕子のおかげよ。
あなたの幸せを何度も壊してやろうと思ったわ。
アシストをし続けて10年。
私はいつもあなたの引き立て役よ。
ずっと影だった。
私の存在はどこにあるの!?あなたになんて出会わなきゃよかった!!ああっ!!きゃあー!!うっ…うんっ…。
うっ…手を…。
あっ…飲む?はい。
はっ…あっ!ブレーキがっ…!あっ!ああ!ああー!!きゃあー!!ハアッハアッ…。
ハアッハアッ…。
ハア…ハア…。
ハア…ハア…。
何でこんなものが…?一体誰が…。
うん?飲みすぎよおばさま。
・ストップ。
暁子さん。
あの記者の人に聞いたんだけど…。
お子さん…流産してなかったそうですねぇ。
今夜いろいろ見学させてもらいますね。
もう現れないかと思ったわ。
ご心配おかけしました。
聞いてるかと思うけど生けこみのタイムリミットは今夜12時。
審査は翌朝9時。
時間厳守よ。
いいツルね。
もらっていくわね。
はあ…。
嫌な連中ね。
熱情。
激昂。
失った愛。
…という三部作にするつもりなの。
どうかしら?おばさま。
賞には新しい試みが必要よ。
なかなかいいじゃない。
失った愛…。
お子さん流産してなかったそうですね。
生け込みのタイムリミットは今夜12時。
時間厳守よ。
買い物。
遅くなっちゃった。
犯人はきっと今夜何かを仕掛けてくるはずよ…。
私がいるから大丈夫よ。
暁子は作品のことだけ考えてればいいの。
裕子がいてくれて本当によかった。
お守りにしてるのね。
省吾さんのネクタイ…。
12時には必ず巡回されるんですよね?ええ。
間違いありません。
今夜12時に来ればすべてがわかるわ。
すべてが…。
熱情激昂失った愛…。
少し静かにしてもらえますか?
(久美)あら当たっちゃいました?あらあらまだ終わってないの?もう11時過ぎましたよ〜。
本当に12時までに終わるのかしらね?体のほうが大事だと思うけど。
あのすみません。
2人だけにしていただけますか?お願いします。
退職金退職金…。
フフフ…。
もういいわ。
はあ…何とか間に合いそうね。
このハサミのおかげよ。
よく切れるわ。
裕子のおかげよ。
(携帯電話の振動音)もしもし?あっカオルさん。
わかったわ。
何か話があるみたい。
私ちょっと行ってくるわね。
12時までには戻ってこれるわよね?大丈夫よ。
すぐに戻ってくるから。
休んでて。
疲れたでしょ。
じゃあ私行ってくるわね。
おばさま…。
(岸田)大丈夫よ。
明日の朝9時。
楽しみ。
「やはり私には出来ません」「やはり私には出来ません」「ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」カオルさんからの電話もあなたのお芝居…。
いつ気づいたの?あのとき…。
お守りにしてるのね。
省吾さんのネクタイ…。
そのうち来るわよ。
手作りのネクタイをしてくるんでしょ。
あのときなぜ気づかなかったのかしら…。
手作りのネクタイをしてくるんでしょ。
手作りだって知ってたのは私と省吾だけ。
なのにあなたは知ってた。
会ってたんでしょう。
省吾と。
パーティーを抜け出したあの空白の30分に…。
ネクタイね。
皮肉ね…。
変わったネクタイね。
暁子の手作りだよ。
そう…。
今夜暁子に話す。
君は約束どおり暁子の元から消えてくれ。
どうして?どうしてなの?あのときはもうああするしかなかったのよ…。
別に異常はないよ。
暁子はアトリエよ。
今夜は徹夜じゃないかしら。
君が欲しいのは僕じゃない。
暁子が苦しむ姿を見たいだけだろ。
君が暁子に来た仕事の依頼を握りつぶしてることも知ってる。
なのに暁子は何も知らずに君に頼りきってる。
これからアトリエに行って暁子にすべてを話すよ。
待って。
話すのは待って。
賞の最終選考の候補の発表があるまで待って。
もし候補に残れたらせめて祝ってあげたいの。
結果を見たら必ず暁子の元から消えるわ。
そのときまで話すのは待って。
お願い。
あのパーティーの夜がギリギリだったのよ。
最初から殺すつもりで屋上に呼び出したのね。
アリバイ工作までして。
エリを金物店に行かせたんでしょ?エリ?エリね…。
あんたのせいで!あんたのせいで流産したのよ!!あんたなんかいつか必ずぶっ殺してやるっ!!私も恨みがあるの。
あなた手伝ってくれない?でどうすればいいの?私のふりをして…。
(店主)6時…時間どおりだね裕子ちゃん。
そこにあるだろ?ハサミ。
机の上だよ。
なのにあの女とんでもないことをしてくれたわ。
葬式に現れて週刊誌に記事まで書かせて…。
私への牽制よ。
そのうえ金までゆすってきた…。
実行犯はあなたよ。
(携帯電話)「裕子?エリの居場所がわかったわ。
これから行ってみる」ああ…警察に知らせたほうがいいんじゃないの?「私が会って確認したいの」わかったわ。
じゃあ私も行くわ。
「今どこ?」家よ。
すぐに行くから待ってて。
あっエリって女の住所どこ?わかった。
おかえり。
お金…すぐには都合がつかないわ。
とにかく明日までに振り込んでよね。
じゃないと私何するかわからないわよ。
フフフ…。
私も彼女のように自殺に見せかけて殺したかったんでしょ?そのために花を切ったり突き落としたり…。
みんなに精神的にまいってると思わせたかったのよね。
あのブレーキだって…。
私とあなたの2人が狙われたように見せかけ自分への疑いを他の人に向けさせたかった…。
私が作ったものを自分のものにしたかったんだ…。
山で私を殺さなかったのもそのため…。
そうよ。
そのとおりよ。
これでやっと私もデビュー出来るわ。
影が日の当たる場所に出るのよ。
私はここまで来れたのはすべて裕子のおかげだと思ってたのに…。
ありがとう。
裕子のおかげよ。
裕子のおかげよ…。
あのときと同じ目だ…。
むしずが走るのよ!裕子のおかげ裕子のおかげ裕子のおかげ…。
そう言いながらあんたはどんどん幸せを手に入れていった。
その言葉で私の存在はどんどんなくなっていったのよ!自分の存在を取り戻したくて裏であんたの足をひっぱって小さな復讐を繰り返してきたわ。
3年前子供を流産したときもそうよ。
あの雨の中わざといなくなったのよ。
(雷鳴)裕子のおかげよ。
あんたの言葉が私を蝕んでいったのよ。
私の存在を消していったのよ!省吾さんを殺したのもエリを殺したのもすべてあんたのせいよ。
あんたのせいなのよ!離れたかった…。
離れられるものなら私だって離れたかったわ。
でも離れたって同じ。
どこにいてもきっとあんたの存在自体が私を苦しめるのよ。
私の存在が私の言葉があなたを苦しめてたのかもしれない。
だけど私は感謝してた。
心から感謝してた…。
もがれた花は必ず死ぬわ。
凍った花はもう壊れるしかない…。
あなたの心は凍ったままなの?凍りきってるわもう…。
あんたが存在していること自体が耐えられないのよ…。
電気…。
ひゃあ…!キャー!ああー!どうしました?
(笹岡)電気電気!早く!まぶしいわ…。
裕子…。
私…暁子に…。
暁子に…なりたかったのよ…。
(パトカーのサイレン)
(石橋)一番信用していた女性に裏切られあなたもさぞおつらいでしょう。
しかし不思議ですよね。
あんな死に方めったにありませんよ。
偶然に偶然が重なってまさに奇跡です。
電気が消えるのが10秒でも遅かったらあなた殺されてましたよ。
本当にあなた運がよかった。
お世話になりました。
賞はあなたのものよ。
おめでとう。
あなたの作品怒りと悲しみ。
なぜか怖かったわ。
何か仕出かすと思ってたけどまさかこうくるとはね。
すべてあんたのシナリオでしょ。
あんた最初から向こうが仕掛けてくることがわかってて俺を12時に呼び出した。
そして俺を利用してフラッシュをたかせ殺そうとしてきた相手の目くらましを企て正当防衛の写真をも撮らせた。
倉庫の電源が12時に切れることも本当はあんた最初から知ってたんでしょう。
一瞬電気をつけようと彼女がスイッチに向かうことも読んでいたあんたはその通り道にビー玉を転がし花バサミを置きまるで偶然であったかのように彼女を殺した。
あれは運なんかじゃない。
あいつ妙なくせがありましてね。
きれいなものを見ると爪をたてたくなるみたいなんです。
先行ってるね。
(笹岡)あいつ俺が大事にしてたあんたの写真全部ハサミで切り刻んじゃったんです。
すべては旦那を殺されたあんたの完全犯罪を狙った復讐のシナリオだったんでしょ?まあ自分の命とお腹の子の命を守るためだったんでしょうけどね。
夫が守ってくれたのよ…。
2015/04/08(水) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
華麗なる復讐[再][字]
美人妻を襲う完全犯罪の罠 フラワーデザイナー、女たちの熱い闘い…夫の形見が真犯人をあぶりだす
詳細情報
◇出演者
葉月里緒奈、涼風真世、田中美奈子、遠野凪子、山本みどり、遠藤憲一、美木良介 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:25236(0x6294)