(ナレーション)四季折々鮮やかな自然に囲まれた古都・京都。
8世紀後半から1000年以上にわたり日本の首都として栄えそれぞれの時代に新しい文化を創造してきた街。
建築芸術産業食習慣。
日本文化の神髄が京都で育まれ更に磨きを掛けて現代へと受け継がれています。
世界が認めるジャパンクオリティーの原点。
それが「MADEINKYOTO」。
日本には四季があります。
古き日本の都・京都。
ここに暮らす人々は四季折々の営みを行い多くの文化を築き上げてきました。
その一つが和菓子です。
日本を代表するこの文化は京都で育まれました。
春京都の街に甘い花が咲き香ります。
日本には季節の節目に行事を行う節句という風習があります。
3月女の子の無事の成長を願う桃の節句が近づくと京都の和菓子店には「ひちぎり」が並びます。
その名のとおり引きちぎったような形の餅に餡やきんとんをのせたかわいらしいお菓子です。
そして4月桜の季節を前に店先ではひと足早い桜の満開を迎えます。
菓子職人たちは京都の四季の中で和菓子作りを続けてきました。
上京区今出川西陣の近くにある…。
創業は1882年130年の老舗です。
店先には春らしいお菓子が並んでいます。
この店には1000を超える木型が伝わっています。
桜や樫など硬い材質の木を用い季節の花や動物などきめ細かな彫刻が数少ない職人によって施されたものです。
和三盆という高級な砂糖を押し固めた干菓子を作るための道具です。
(高家)もうすぐ桜の花が咲くな。
そしたらあっもう桜のお菓子も作っていこう。
自分の肌に感じる風によってお菓子の種類を変えていきますね。
桜の花の干菓子に続いて水あめとザラメを溶かした有平糖で桜の葉を作ります。
冷めて固まらないよう80度以上ある熱い砂糖を素手で練り上げ木型で葉をかたどっていきます。
愛らしい桜の干菓子。
春の息吹が吹き込まれます。
(高家)やっぱり楽しまないとダメでしょうね。
つくしが出る前につくしのお菓子を作る。
人よりも先に楽しめるわけですから。
やはりその季節感を楽しむというのが和菓子屋のまあいい面でしょうね。
見た目にも美しい形も美しいそしてあっ1つ食べたいなっていう感覚がおいしいお菓子の条件の一つになってくるんやないかと思いますね。
そのなかで京菓子の特徴とは何かっていうとやはり京都特有の風土風習とか季節感とかいうものを知りながらお菓子の中に入れていく…それがいいお菓子になっていくんやないかと思いますけどもね。
京都の街の中心を流れる鴨川。
春の陽気とともに水がきらめき街には花の香りがあふれます。
お菓子の神として信仰されている田道間守。
垂仁天皇にささげるため常世の国から持ち帰った橘の実がお菓子の始まりとされています。
奈良時代8世紀初め海の向こう中国から仏教が伝わりました。
それと同時に唐菓子という米や小麦の粉で果物の形を作って油で揚げたお供え物が伝わりました。
これが日本の和菓子のルーツとされています。
唐菓子の一種として伝わるお菓子が今も京都の一軒の和菓子店で作られています。
園八坂神社の近くにある「亀屋清永」。
古くから寺や神社へ御用達として菓子を納めてきた老舗です。
「清浄歓喜団」は巾着の形で蓮の花を模したもの。
清めの意味を持つ白檀などの香りを混ぜたこし餡を皮で包みごま油で揚げたこの菓子。
1200年前の味を今でも京都で楽しむことができるのです。
8世紀から19世紀後半まで日本の都は京都にありました。
菓子職人たちは都を舞台に腕を磨きました。
ある絵で見た天を駆け上る龍を和菓子で表現できないものかと生まれたのが「俵屋吉富」の名物「雲龍」です。
「俵屋吉富」創業は江戸時代の末。
京都の風情を盛り込んだ和菓子を数多く生み出してきました。
薄紅色の花びらを添えたきんとんは桜。
桃色ともえぎ色の彩りもあでやかな羊羹は和菓子は見た目の美しさ上品な味わいそして名前の響きもまた魅力です。
その季節に咲く花や自然との調和を表現した和菓子も数多くあります。
職人たちの感性によって生まれた和菓子の数々。
一つの文化として京都で花開いていったのです。
6月梅雨。
雨が続き蒸し暑い季節。
京都の人々はある菓子を頂きます。
「水無月」は米の粉に砂糖を加え練り上げたういろう。
その上に小豆を散らし三角形に切った素朴な和菓子。
実はこの水無月氷を模しているのです。
冬池の水が凍って出来た天然の氷を山中に建てた氷室と呼ばれる小屋でとけないように保管していました。
この氷は夏に重宝されました。
貴重な氷は庶民が簡単に口にできるものではなく宮中へと献上されました。
西賀茂・氷室。
この集落にある氷室から御所へ氷が運ばれていたといいます。
夏氷室神社には今も氷が供えられます。
宮中では6月1日を氷の節句としこの日に氷を食べると夏痩せしないといわれました。
それに倣って庶民が氷をかたどって食べはじめたものが水無月として伝わっているのです。
和菓子に用いる砂糖はかつて高価な輸入品でした。
16世紀の安土桃山時代に南蛮文化とともに日本に伝わりカステラやボーロなどが作られました。
江戸時代になると砂糖の生産が始まり皇族や貴族茶道の家元が暮らしていた京都では菓子作りが洗練されていきます。
やがて上菓子屋仲間という組合が発足。
248の菓子店が加入しその中の数軒が御所や大名屋敷に出入りできる菓子師と認められました。
当時和菓子は特権階級の食べ物。
貴族たちは和菓子を入れる箱にも贅を尽くします。
そしていつしか京都の和菓子は「京菓子」と呼ばれるようになったのです。
夏の訪れを伝える京菓子。
涼やかに清らかに。
みずみずしい朝露。
京菓子が夏の情景を伝えます。
三条堺町にある…。
伝統的な日本家屋のたたずまいが残る菓子店です。
この店独特の夏のお菓子…。
日持ちをよくするためはまぐりの貝で密封した冷やし菓子です。
(森田)貝殻は夏の間に洗うて1年寝かしといてそれで夏が来ましたら使いますけどな。
檜葉いいまして檜の葉っぱやと聞いてますけど。
かすかな防腐剤の役目しますので。
1年がかりの手作業。
貝を開けば黄金色の寒天に甘納豆が1粒。
京都の夏の輝きです。
氷水にズボッとつけても大丈夫ですちゃんと蓋してましたからね。
遊び心やったら蓋ですくってスプーン代わりに食べていただいてもよろしゅうございます。
ほんまもんの貝と間違われてね焼いてなかなかいつまでたっても蓋開かんのでサッとねぶったら甘い汁が出てきて慌てて冷やしたとかね。
おつゆに入れたら空っぽになってたとかねそんなん1年に1回は聞きますなぁ。
鴨川の水音が潮騒のように聞こえてきます。
舞妓さんが行き交う花街。
歌舞練場の南で創業110年を超える先斗町「駿河屋」。
夏に涼を添える京菓子を作っています。
溶かした寒天をザラメで甘く炊いたこし餡と合わせ青竹を切った中に流し込みます。
「駿河屋」の「竹露」。
見た目の涼を求めた職人の美意識が生きる水羊羹は園を訪れる客人や舞妓たちに愛されている京菓子です。
京都の夏の風物詩・園祭。
この祭りに縁のある京菓子を作り続けている店があります。
「亀廣永」。
園祭の山鉾の一つ菊水鉾におよそ50年前からある菓子を献上しています。
琥珀色に透き通る羊羹…。
宵山まで菊水鉾の茶席で振る舞われます。
まあ年にだいたいですけども6000個ほど納めさせてもろうてます。
黒砂糖ザラメ和三盆寒天。
えりすぐられた高級な材料。
これらが職人の腕によって絶妙に調合され一つの完成された京菓子が生み出されます。
(西井)お菓子っちゅうもんは私が修業した時代からお菓子っちゅうもんは職人さんが言われたのは生き物である。
とにかく丁寧に丁寧に作っていけば絶対育っていく。
それを頭の中にずっと入れながら商品を作らせてもろうてます。
7月13日街に鉾が立ちます。
鮮やかな装飾品で彩られた鉾。
1年に1度園祭ならではの風景です。
この日は八坂神社の神職による鉾祓いが行われます。
会所に設けられた茶席では次々と「したたり」が運ばれてきます。
皿の図柄は毎年意匠が異なり鉾の装飾などから選ばれます。
(園囃子)囃子方の練習が始まり京都の通りに優雅な音色が響きます。
(園囃子)
(園囃子)
(西井)仲間に入れていただいて参加させていただくっちゅうこんな自分としてうれしいこれ以上のことはないと思って喜んで参加させてもろうてます。
京都の夏。
人の五感に訴えるはんなりとした風情。
京菓子は職人の美意識と古都の四季に育まれました。
それぞれの季節の中に京菓子は欠かせません。
(読経)8月…。
読経とともに先祖の霊を送り無病息災を願った護摩木がたかれると京都の山に文字が浮かび上がります。
古くから守られている文化。
京都の人々は伝統の営みをしっかりと菓子の中に受け継いでいます。
2015/04/08(水) 10:25〜10:54
MBS毎日放送
MADE IN KYOTO 特別編[字]【和菓子のルーツに迫る】
世界が認めるジャパン・クオリティーの原点、京都。千年以上にわたり都が置かれ日本文化の神髄が育まれてきた技と心を体感。
詳細情報
番組内容
▼京菓子の「春と夏」▼「桃の節句」が近づくと京都の和菓子店に並ぶ「ひちぎり」。木型を使い、季節の花や動物をあしらった干菓子。和菓子のルーツ「唐菓子」の一種「清浄歓喜団」。梅雨の季節にいただく「水無月」。夏に涼を添える「浜土産」「竹露」。祇園祭の菊水鉾に献上する「したたり」などを紹介。
出演者
【ナレーション】
水野晶子(MBSアナウンサー)
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – グルメ・料理
福祉 – 文字(字幕)
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