生き物の不思議を解き明かす「生物基礎」へようこそ。
ヒトは社会をつくり文明を発達させてきた。
その中でヒトは生態系のバランスに大きな影響を与えてきたのではないだろうか。
今日はその影響について考えますぞ。
こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく「生物基礎」を勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
東京アヴァンギャルドの丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森のイケメンミドリ君です。
いつもの歯磨き粉使って何か味違うなって思ったら洗顔フォームだったらしいですよ。
おちゃめ。
よろしくね〜。
よろしくね〜。
さあ今日のテーマは…生態系って何だっけ?何だっけ?何を言っておる!生態系はもう何度も学習したはずじゃ!はい…。
はい〜。
あぁ〜そうでした…かね。
はい。
今日はそのバランスがヒトの活動によってどのような影響を受けているのかという事を考えていきます。
では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン。
(丸)「ヒトと霞ヶ浦の生態系」。
何で霞ヶ浦?はい。
霞ヶ浦は昔からヒトの活動と密接な関わり合いを持ってきた湖なんです。
今日はこの霞ヶ浦を例に生態系とヒトの関係を見ていきましょう。
さてお二人さん。
霞ヶ浦はどこにあるか知っておるかな?え〜っとあの〜…。
え〜っとえ〜…。
あっち!そうそうあっち。
あっちじゃないかな?霞ヶ浦は茨城県にある日本で2番目に広い湖です。
(丸)ふ〜ん。
広いけど浅いんですね。
はいそうなんです。
そして昔利根川は今の東京湾の方に注いでいました。
しかし水害対策などのため江戸時代以来何度も工事をして今のように霞ヶ浦のそばを流れるようになりました。
その後川の幅を広くするなどの工事をして一部は霞ヶ浦とつながるようになったんです。
(マルタ)へぇ〜。
また海の水が逆流して田畑に塩水などが入ってくるのを防ぐため水門が造られました。
この水門のおかげで昔は塩分があった霞ヶ浦の水は今ではほとんど真水になったんです。
ふ〜ん。
ふ〜ん。
そうなんです。
昔から…霞ヶ浦は日本で2番目に広い湖である。
岸辺には水際まで草や木が迫りヨシの生い茂るヨシ原を形づくっている所もある。
このヨシ原は湖の水質を浄化するとともにさまざまな生き物の住みかにもなっていて霞ヶ浦の生態系のバランスを保つ働きをしている。
一方湖の周辺には人々の活動の場も見られる。
水田や畑が湖岸のそばに広がり…また周辺には土浦市などの大きな町もあり生活排水や産業排水の影響も少なくない。
このため霞ヶ浦の湖面にはアオコが見られる事もある。
アオコとはこのミクロキスティスという植物プランクトンなどが大量に発生し湖面をおおう現象である。
そうなんです。
顕微鏡で見るとこのような植物プランクトンなんです。
霞ヶ浦ではこのミクロキスティスなどのプランクトンが大量に発生して湖面をおおう事があります。
この現象をアオコと呼んでいるんです。
どうしてそのミクロキス何とかが大量に発生をするんですか?アオコが現れるのはさまざまな条件が重なった時なんですが大きな…人々の生活排水や養分の多い田畑の水などが湖に流れ込み湖水の栄養分が多くなるとこのミクロキスティスなどのプランクトンが大量に発生するんです。
ふ〜ん。
ヒトの活動によって湖水が富栄養化し…。
アオコが現れる。
そういう事ですね?はい。
では霞ヶ浦の湖水は今どのような状態なのでしょうか。
霞ヶ浦の水質を定期的に調査しているのは茨城県霞ヶ浦環境科学センター。
測定ポイントに到着しまず水に沈めたのは長さ2mの筒。
この筒で湖水の表面から深さ2mまでの水を満遍なくくみ上げる。
水を網でこし水の中にどのようなプランクトンが含まれているかを調べる。
次は水の…白い板を水に沈め見えなくなったところで深さを測る。
この時の透明度は65cmである。
このほかにもpHなどのデータを収集する。
(調査員)pH9.20。
センターでは持ち帰った水を化学的に分析する。
まず富栄養化の目安となるCOD化学的酸素要求量の値を求め湖水の富栄養化の原因となる…これが霞ヶ浦の水質調査の結果です。
(丸)あの…このCODって何ですか?はいこれですね?
(丸)はい。
このCODというのはその水に…ふ〜ん。
という事はCODの値が大きいほど栄養が多いって事ですね?はいそうです。
この表を見てみると2008年に比べCODとリンの値は少し小さくなってきているようですが国の基準値に比べるとまだ大きく富栄養化の傾向にあるという事が分かりますよね。
富栄養化という事は植物プランクトンが大量に増えてアオコが発生しやすいという事でしたよね。
でもさプランクトンって魚のえさになるんだよ。
だから魚にとってはうれしい事なんじゃないのかな?アオコの発生につながる…これは霞ヶ浦に住む魚などの生き物にとって都合のいい事なのでしょうか。
それとも困った事なのでしょうか。
まず霞ヶ浦にどんな魚が住んでいるのか調べてみましょう。
今回霞ヶ浦に住む魚の種類を調べてくれるのは生物案内人の市石先生と高校の生物部の生徒たち。
あらかじめ地元の漁師さんが仕掛けておいてくれた網を引き揚げ魚を取る。
(市石)すごい取れてる。
これに何杯も取れるよ。
全部で12か所の網を次々と引き揚げていく。
あの辺は…。
どんな魚が取れたのだろう。
今回の調査では…これらは昔から霞ヶ浦にいた…もともと霞ヶ浦にはいなかった外来種も目立つ。
霞ヶ浦には結構たくさんの種類の魚がいるんですね。
やっぱり富栄養化でプランクトンが増えるのは魚にはいい事なんじゃないですか?いいえ。
そんなに簡単な事ではないんです。
富栄養化によってアオコになるとやがてそのプランクトンが死んで死骸が湖の底に沈みます。
そしてその死骸が腐敗して分解される時水の中の大量の酸素が使われるんです。
その結果酸素不足…酸欠になって一度に多くの魚が死ぬ事になるんです。
(マルタ)えっ!?つまり富栄養化の結果魚がたくさん死んじゃう事もあるんですね。
…という事なんです。
え〜!?なるほど。
どう?分かった?ううん…。
あのところでさチャネルキャットフィッシュとか何種類か外来種がいたじゃない。
あれが気になるんですけど。
う〜ん…。
「外来種とニッチ」…。
外来種は分かりますがニッチって何ですか?何ですか?ニッチはれっきとした生物学の用語です。
…という事を表しています。
のうちの…ああなるほど。
ほうほう。
でもそのニッチが外来種とどんな関係があるのかな?
(マルタ)「もう丸君。
もし君が大好物のプリンを食べてる時に誰かがいきなりやって来てプリンを取り上げたらどうする?」。
えっもうそんなの戦っちゃいますよ。
けんかですよそんなの。
(マルタ)「でも」…そんなのもう謝っちゃいますよね。
あ〜情けないやつだね。
戦いなさいよ!う〜ん。
ふんふんふんふん!在来種と外来種の間でも同じような事が起こります。
同じニッチ…つまり同じようなものを食べ同じような所を住みかにする外来種がやって来ると在来種との間でニッチを巡って争いになります。
ふんふんふん!ううん!亜矢子さんニッチを巡って…はい。
例えばこれはユスリカという昆虫の幼虫です。
アカムシともいいます。
(丸)ああ。
魚釣りのえさに使う虫ですよねこれ。
はい魚の大好物です。
中でも外来種のチャネルキャットフィッシュはこのアカムシを大量に食べる事が分かっています。
という事は…始まるんですね?あっ。
はいそのとおりです。
霞ヶ浦では在来種のコイやテナガエビなどとの争いになると考えられます。
そして住みかを巡っては在来種のナマズに影響がありそうです。
(丸)お〜。
湖の底でニッチを巡る激しいバトルがあるんですね。
そうなんです。
更にこのチャネルキャットフィッシュは大きくなると…そして実はこのチャネルキャットフィッシュは霞ヶ浦に……だといわれています。
(マルタ)ヒトが持ち込んだ外来種。
このようにヒトが持ち込んだ外来種と在来種との争いは霞ヶ浦だけではなく日本のいろいろな所で起こっています。
そしてそこにもともとあった生態系のバランスを危うくしているんです。
先生こんにちは。
八田さんこんにちは。
どうぞお座り下さい。
はいありがとうございます。
先生ヒトが持ち込んだ外来種が生態系のバランスに影響を与える事があるんですね。
はい。
霞ヶ浦だけじゃなくてですねヒトの活動によって生態系のバランスに影響が及ぶ事というのはいろんな所で見られるんですよ。
いろんな所?例えばですねこちらをご覧下さい。
はい。
沖縄にやんばるの森という豊かな森があります。
はい。
ここですね。
ここにですねヤンバルクイナという飛べない鳥がいるんですがこの鳥が絶滅の危機に瀕してるんですよ。
えっどうしてですか?原因の一つがこちらジャワマングースという哺乳類なんです。
ヒトが持ち込んだこのジャワマングースがですねヤンバルクイナを襲って食べてしまうからなんです。
えっじゃあヒトは…ハブという蛇を知ってますか?はい。
かまれると死ぬ事もあるっていう猛毒を持った蛇ですよね。
そうですね。
そのハブを駆除するためにこのジャワマングースを放したんです。
ああなるほど。
ところがですね…昼に活動する動物だったのでお互いに出会う事がなくヒトの考えた作戦は失敗してしまったんです。
それどころか飛べない鳥のヤンバルクイナを襲うようになってったんですね。
はいそうです。
今やんばるの森ではジャワマングースを捕獲するなどの対策をとっていますが…では亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら。
(丸マルタ)「壊れやすい生態系のバランス」。
今日は霞ヶ浦ややんばるの森の例を見てきましたがヒトの活動によって生態系のバランスが壊れる事は世界中のいろいろな所で起こっているんです。
うん。
そして……という事をよく肝に銘じておく事じゃ。
よ〜し。
僕も自分のニッチを守るために戦うぞ!お〜!シュッシュッシュッシュッシュッ!え…?でも誰と戦えばいいんだ?あ〜にっちもさっちもいかないねぇ。
2015/04/07(火) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「ヒトが生態系のバランスを壊す?」[字]
生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。
詳細情報
番組内容
生態系は生物同士や自然環境の微妙なバランスの上に成り立っています。そのバランスがヒトの活動によって、どのような影響を受けているかを、茨城県霞ヶ浦の生態系を事例として考えていきます。問題点はどこにあって、その解決法はどうしたらよいのかを一緒に探索していきましょう。【出演】八田亜矢子、東京アヴァンギャルド 【講師】市石博
出演者
【解説】都立国分寺高等学校教諭…市石博,【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【語り】増谷康紀
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他
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