(吾郎)うちの女房来てないかなと思って。
(純一)奥さん。
どうかしたんですか?
(吾郎)あれからあのう。
ずっと朝帰りが続いてまして。
(智恵子)彼が診察を受けてる間これからの人生のこと考えてたの。
(智恵子)純ちゃんがずっと遠くに行ってしまうような気がして。
(香織)台所は私の城だなんて勝手に決めて。
お母さんのこと考えてなかったんです。
森山さんにお任せしますのでよろしくお願いいたします。
(森山)ああ。
(晃司)会っちゃったんだよ。
学生時代同棲していたときの彼女の娘と。
そっくりなんだ。
うり二つ。
その子と会ってるとね昔に帰ったみたいな変な気持ちになっちゃうんだ。
一緒にいると。
(美咲)そろそろ話してくれてもいいんじゃないんですか?
(晃司)えっ?
(美咲)母と伊佐山さんのこと。
(晃司)話すことなんか何もないよ。
(美咲)はぐらかさないでください。
母は亡くなるちょっと前に病院で話してくれたんです。
伊佐山さんのこと。
吉祥寺のアパートで一緒に暮らしてたって。
短い間だったけどとても楽しかったって言ってました。
(晃司)今はもうなくなってしまったけど吉祥寺の駅前に小さな喫茶店があってね。
映子…。
あっ。
いや。
君のお母さんはそこでアルバイトをしていた。
(晃司)僕はその店に毎日のように通っていて。
カレーがうまい店だったな。
お母さんは昼間洋裁の専門学校に通っていて。
あるとき学校の課題で男物のシャツをつくることになった。
僕がモデルを頼まれた。
(美咲)へえー。
(晃司)それがきっかけで僕たちは付き合い始めたんだ。
しばらくして井の頭公園近くの古いアパートを借りて2人で暮らした。
風呂のないぼろぼろのアパートでね。
銭湯の帰りにハーモニカ横丁のおでん屋に寄ってはんぺん一つ買って2人で食べた。
まるで『神田川』の世界だ。
と言っても分かんないか。
(美咲)初めて聞きました。
その話。
(美咲)はい。
あっ。
ごめん。
君のお母さんかと思った。
はい。
(晃司)あっ。
(晃司)うん。
(美咲)ごめんなさい。
引き留めちゃって。
(晃司)いや。
あのう。
こっちこそ話に夢中になっちゃって。
(美咲)終電間に合いますか?
(晃司)ああ。
駅までタクシーで行くから。
じゃあ。
(美咲)帰らないで。
(晃司)ああ…。
一緒にいて。
お願い。
あっ。
もしもし。
(香織)終電近くだけど大丈夫?ああ。
大丈夫。
今タクシー乗るとこ。
心配ないから先寝てて。
ああ。
(美咲)ごめんなさい。
私どうかしてました。
それじゃあ。
(晃司)寝てればよかったのに。
(香織)いや。
お風呂沸いてますよ。
(晃司)ああ。
そうか。
じゃあ入るよ。
(香織)はい。
あっ。
パジャマ。
ねえねえ。
パジャマ忘れないで。
はい。
(晃司)ああ。
サンキュー。
(香織)えっ?・おはよう。
(純一)ああ。
今すぐ支度するね。
(純一)うん。
ああ。
純ちゃん。
(純一)うん?今日お店のディスプレー変えたいんだけど手伝ってくれる?
(純一)ああ。
今日はちょっと無理なんだよね。
何で?
(純一)出掛けるとこあるから。
どこに?うーん。
ちょっと。
ふーん。
(メールの着信音)
(香織)今日は?うん?普通に帰るの?うん。
うん。
もしもし。
(森山)朝早くにすみません。
森山です。
あっ。
何か?
(森山)あのう。
実は懇意にしてる鎌倉のお寺の台所を見せてもらえることになって。
お寺?
(森山)ええ。
伊佐山さんのリフォームのヒントになると思うんです。
午前中なんですけどもしよかったら一緒に見に行きませんか?はい。
分かりました。
じゃあ鎌倉の駅で。
はい。
・
(鼻歌)
(晃司)食べよっかな。
あっ。
どうぞ。
(晃司)おう。
(女性)これイギリスの家具かしら?
(和子)さあ?私留守番なんでちょっと。
(和子)ありがとうございました。
(男性)どうも。
(メールの着信音)
(バイブレーターの音)
(店長)翔也。
(翔也)はい。
(店長)おばはん。
今日も来るって。
(翔也)毎度。
こんな立派な。
(森山)門のわりには。
ねっ。
ああ。
あそこにハト。
すごい。
(純一)あっ。
ここだ。
チャペル?
(森山)どうですか?ここの台所参考になりましたか?ええ。
(森山)僕は料理つくらないんで調理場のことはよく分からなくて。
やっぱり台所を使う人に見てもらうに限ると思って。
あっ。
座りましょうか?はい。
森山さん。
結婚しないんですか?
(森山)結婚ですか。
してました。
昔。
8年前に別れました。
あら。
ごめんなさいね。
いいんです。
僕がいけなかったんです。
妻のこと何も考えてなかったから。
一年のほとんどをウガンダで過ごしてました。
井戸を掘って一軒家を建てて。
小さな集落が完成するまで日本に帰ってきませんでした。
妻は理解してくれてると思ってたんですけど家に帰ったら家がもぬけの殻になってました。
当然ですよね。
僕には家庭を持つ資格なんてありませんよ。
(神父)まず最初にオルガン演奏がございます。
そして曲が変わりまして次の曲になりましたらお二人あちらの扉から入場してきてください。
一歩一歩歩んできてまいりまして彼にお嫁さんを渡します。
(ドアの閉まる音)あっあっ。
あっ。
ああ…。
(純一)えっ?どうしたの?チーちゃん。
何で?何よ?そうならそうと言ってくれればいいじゃないの。
(純一)ごめん。
チーちゃん気ぃ悪くすると思ってさ。
悪くなるわけないでしょ?ホントに?うん。
うん。
(未来)智恵子さん。
ホントにごめんなさい。
(未来)私がパパに無理言って頼んだんです。
いやいや。
いいのよ。
やっぱりリハーサルはしといた方がいいと思うから。
どうぞ構わずやってください。
(未来)ありがとうございます。
ほら。
純ちゃん。
行って。
(純一)うん。
ほら。
あのう。
(未来)はい。
あのう。
私も見せてもらっていいかしら?もちろんです。
どうぞ。
・
(オルガンの演奏)はい。
どうぞ。
(純一)ありがとう。
大丈夫?ああ。
バージンロードがあんなに疲れるものだと思わなかったよ。
ただ歩くだけなのにね。
純ちゃんすごく緊張してたよね?うん。
でもカッコ良かったよ。
とっても。
私何だかちょっと涙ぐんじゃった。
ああー。
「鬼の目にも涙」ですか?うーん?あっ。
そういえば今日お店どうしたの?ああ。
お店番和子さんに頼んじゃったんだ。
でもあんまりお客さん来なかったみたい。
あの人大丈夫なの?えっ?
(従業員)よいしょ。
ありがとうございます。
(翔也)どうぞ。
(和子)翔也君。
何だか疲れてるみたい。
(翔也)ちょっと飲み過ぎ。
駄目よ。
体壊したら元も子もないじゃない。
(翔也)でも俺早くこの店でトップになりたいんだ。
そのためには少しでも売り上げ上げないと。
分かったわ。
私翔也君を応援します。
あなたを絶対にトップにしてみせる。
ホント?うん。
じゃあ今日もドンペリピンクのタワーいいかな?いいわ。
(翔也)ドンペリピンクのタワーご注文いただきました!
(従業員たち)・「さあさあさあさあ…」・「うりゃそれうりゃそれわっしょいわっしょい…」・「シャンパンシャンパンシャンパンシャンパンさあさあさあさあ」・「飲めそりゃ飲めそりゃ飲めそりゃわっしょい」・「シャンパンシャンパンシャンパンシャンパンさあさあさあさあ」はい。
はい。
ねえ。
今日和子さんは?お休みだって。
体の具合でも悪いのかしらね?さあ…。
痛たた。
バージンロード?うん。
結婚式の準備。
私も見たかったな。
純ちゃんの真剣な顔。
私もね純ちゃんのあんな真面目な顔初めて見た。
そう。
結構感動ものだった。
よかったわね。
うん…。
うん?どうしたの?いや。
確かに感動したのよ。
うん。
自分のことのようにうれしかったのよ。
うん。
でもね何かこの辺がつかえちゃってさ。
うん。
何か正直言うと素直に祝福してあげられなかった。
ほら。
前に言ったでしょ?純ちゃんがね目の前にいるようでいないのよ。
何でかな?やっぱり子供がいないせい?チーちゃん。
子供がいたらつなぎ留められる?それは違うわよ。
子供は夫婦の絆にはならないわ。
そうかな?うん。
そんなもんかな?そっか。
(チャイム)
(吾郎)はい。
(由美)ヤッホー。
(吾郎)何だよ?いきなり来て。
(由美)近くに来たから。
(吾郎)電話ぐらいしろよお前。
(由美)うるさいなぁもう。
お母さんは?よいしょ。
(吾郎)寝てる。
(由美)えっ?具合でも悪いの?
(吾郎)いや。
よ過ぎるぐらいだ。
元気いっぱい。
(由美)じゃあ何で寝てんの?
(吾郎)朝帰りだよ。
(由美)えっ!?
(吾郎)ああー。
なるほどね。
そうか。
やっぱりお前のとこじゃなかったんだな。
(由美)来たことなんかないわよ。
私のとこなんか。
ねえねえ。
どうして朝帰りなの?
(吾郎)分からん。
(由美)聞いたんでしょ?お母さんに。
(吾郎)何も答えん。
(由美)ケンカしたとか?
(吾郎)いや。
(由美)どうなっちゃってんの?
(吾郎)こっちが聞きたいぐらいだよ。
(由美)ハァー。
もうこんな調子じゃさ子供頼めないじゃん。
(吾郎)子供?
(由美)いきなり保育所は難しいのよ。
だからそれまでここで見てもらおうかと思ってんの。
ほら。
会社も非正規でしょ?産休なんかないからさ。
すぐに働かないと。
(吾郎)ちょっと待て。
(由美)分かってます。
保育料ぐらい払いますから。
(吾郎)そうじゃなくて。
誰の子供の話してんだ?お前。
(由美)私の。
お前?
(由美)聞いてないの?えっ!?
(由美)お母さんに言ったよ私。
・
(晃司)ハハハ。
いや。
ホントにいいな。
これ。
・
(時枝)ねえ。
・
(晃司)うん。
それは?・
(森山)ええ。
こちら…。
(森山)それは秋田で古民家を移築した人の台所です。
(時枝)まあ。
すてきね。
(晃司)うん。
素朴でいいな。
あっ。
(森山)ああ。
お邪魔してます。
あっ。
(時枝)森山さんがね古民家の台所の写真持ってきてくださったの。
(森山)部屋を片付けてたら出てきて。
すみません。
突然押し掛けてしまって。
あっ。
いえ。
あなた初めてですよね?あのう。
建築家の…。
もう1時間も話してるよ。
ああそう。
ウガンダの話が面白くてね。
ああそう。
それじゃ僕これで。
(時枝)あら。
まだいいじゃありませんか。
(森山)ああ。
でもお休みの日にお邪魔しちゃって。
(晃司)いや。
もうゆっくりしてってくださいよ。
(森山)でも…。
(時枝)そうだ。
晩ご飯ご一緒にどうかしら?ああ。
そうして。
(森山)ああ。
はあ…。
(時枝)ねえ。
久しぶりにギョーザつくろうか?
(晃司・香織)えっ?
(晃司)あっ。
お母さんのギョーザ久しぶりだな。
(時枝)うん。
(晃司)いいな。
なあ?香織。
ええ。
いいですよね?森山さん。
食べてってくださいよ。
ギョーザおいしいんです。
(森山)ああ。
はあ…。
じゃあ。
(純一)チーちゃん。
大変。
うん?どうしたの?これこれこれ。
ほら。
えっ?えっ?来て来て来て。
これ見て。
この湘南版。
ここ。
あーっ。
あら。
香織さんじゃないの。
持ってってやろうよ。
うん。
帰りに寄ろっか。
ねえ。
へえー。
で?由美は帰ったんですか?ああ。
そう。
何で言わなかったんだ?子供の話。
言えるわけないじゃないですか。
妻子ある人との子供ですよ?一人で産んで一人で育てるなんて。
冗談じゃありませんよ。
一人で育てるわけじゃないよ。
えっ?ガーデンセットどけてつくらんといかんな。
ぶらんこセット。
えっ!?孫を遊ばせてやるんだ。
ちょっと待ってください。
由美は子供を産んだ後すぐに働くそうだ。
一人じゃ育てられん。
うちで世話をしてやる。
何言ってんのよ?相手は妻子ある人ですよ?生まれてくれば孫には変わらん。
見てみろこれを。
60歳で定年。
再就職。
そして初孫誕生。
ぴったり計画どおりだ。
くーっ。
ハハハ。
これから孫の世話で忙しくなるぞ。
私は見ませんよ。
孫の面倒なんて。
戸籍上はどうなるんだ?間違いなく俺の孫だよな?知りませんよ。
もし相手が由美から子供を取り上げようとしたらどうなる?だから知りませんよ。
そうだ。
法律家に相談してみよう。
えっ?伊佐山さん。
いるかな?伊佐山さんにちょっと聞いてみようか。
ねっ。
詳しいことはちょっと法律家に聞いてみようね。
(晃司)わが家では昔から家族全員でギョーザをつくるんです。
(森山)ああ。
(晃司)女は中身をつくり男は皮を打つ。
そして最後に全員でギョーザを包むんです。
(森山)いいですね。
ギョーザで家族円満か。
(晃司)そう。
家族円満。
(森山)へえー。
こんなもんでいいっすかね?延ばすの。
(晃司)ちょっと延ばし過ぎかな。
(森山)延ばし過ぎですね。
はい。
(森山)よいしょ。
あれ?何か…。
(晃司)大丈夫大丈夫。
(森山)ホントですか?
(晃司)うん。
2015/04/07(火) 13:25〜13:55
関西テレビ1
プラチナエイジ #07[字][デ]【出演:宮崎美子 榊原郁恵 池上季実子】
香織(榊原郁恵)が台所のリフォームを依頼した建築家の事務所を訪ねると…。一方、和子(宮崎美子)は、智恵子(池上季実子)と遊びに行ったホストクラブに1人で出かけ…
詳細情報
番組内容
ある夜、晃司(宅麻伸)は学生時代の恋人の娘・美咲(ちすん)と食事に出かけ、美咲の母親との昔話を聞かせて欲しいとせがまれる。美咲は母親にそっくりなため、晃司は年甲斐もなくどぎまぎしてしまう。さらに帰りがけ、美咲からドキッとするようなことを言われて…。
帰宅した晃司のスーツの手入れをしていた香織(榊原郁恵)は、普段伊佐山家では使わない香りがしてくることに気が付く。
番組内容2
怪しむ香織だが…そんな香織に森山(谷田歩)から連絡が入る。台所のリフォームの参考に、北鎌倉にある寺の台所を一緒に見学に行かないかという誘いだった。
一方、智恵子(池上季実子)は純一(春田純一)の不信な行動に疑問を抱き、和子(宮崎美子)も相変わらずホストクラブ通いを続けていた。
出演者
伊佐山香織:榊原郁恵
速水智恵子:池上季実子
岩村和子:宮崎美子
速水純一:春田純一
岩村吾郎:中本 賢
伊佐山晃司:宅麻 伸
スタッフ
原作・脚本:清水有生
演出:阿部雄一
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
浦井孝行(国際放映)
河角直樹(国際放映)
音楽:佐藤舞希子
主題歌:郷ひろみ「100の願い」(ソニー・ミュージックレコーズ)
制作著作:国際放映
制作:東海テレビ
ご案内
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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