生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは10時5分になりました「くらしきらり解説」です。
きょうは5年後の東京オリンピック・パラリンピックの安全対策について寒川由美子解説委員です。
大会はまだ先ですけれども安全対策はもう始まっているんでしょうか。
寒川⇒オリンピックの警備にはほかのスポーツイベントにはない特有の難しさがあるので今から準備を始める必要があるんです。
期間が長くて会場も広範囲にわたっています。
会場の地図です。
オリンピックは17日間パラリンピックは13日間さらに聖火リレーや事前合宿などがあって長期間にわたるんです。
1か月以上ありますね。
それから選手村から8km圏内に会場を集中させるという計画はコスト面から一部見直しが進められています。
サッカーの予選会場は各地にまたがります。
観光客は1010万人を見込んでいます。
各国の首脳クラスも来日します。
それだけに、テロ対策雑踏事故の対策が重要な課題なんです。
いずれも大変ですけれどもどちらも恐ろしいことですねもし起こったら。
実際に過去のオリンピックではテロの標的になったこともありました。
ミュンヘンオリンピックでは武装組織がイスラエル選手団を襲撃して11人が死亡。
アトランタオリンピックでは公園で爆弾が爆発し1人が死亡しました。
各地でテロが相次いでいるだけに心配ですね。
はい、人が大勢集まることで雑踏事故の危険性もあります。
過去のサッカーの国際試合では殺到した観客が押しつぶされて圧死するなど大勢の死者が出たことがありました。
日本でも2001年兵庫県明石市で花火大会の観客が歩道橋に押し寄せて11人が死亡する事故がありました。
東京大会での対策はどうなっていますか?安全対策は警察官2万1000人を中心に民間の警備員1万4000人が必要とされています。
しかし民間警備員は1万人以上不足するという指摘もあります。
大会の施設の建設に人手を取られるうえに一定の訓練が必要だからです。
そこで人手だけに頼らない人に替わる手段をどうするかがポイントになるんです。
どういうものですか?1つは、ハイテク技術です。
まず、顔認証技術です。
2つの顔が同一人物かどうか判別する技術です。
こちらのメーカーで開発した技術実際に試してみました。
寒川さんが試したんですね。
はい。
まずカメラがとらえた目の位置鼻の形などさまざまな顔の特徴をデータとして登録します。
私は番号5番に登録されました。
登録済みの人がカメラに近づくとデータと照合して同一人物かどうか判別するんです。
私は登録どおり5番と同一人物と判別されました。
髪形とか眼鏡をされたらどうなるんですか?実際にやってみました。
眼鏡をかけたり帽子をかぶった場合ちゃんと同一人物と判断されました。
サングラスをかけても同一人物と認識されました。
ただ、顔の半分を覆うマスクだと難しいようでした。
こうした技術をオリンピックの観戦チケットに活用することが検討されています。
チケットにICチップを組み込んで購入する際に氏名や顔写真を登録します。
これを会場の入り口で機械に読み取らせてカメラに写った顔と照合して本人確認をするというものです。
あくまでも可能性の話です。
実際にチケットがこうなるかどうか分かりません。
でもなりすましや不審者のチェックに役立つと期待されています。
観客の利便性やプライバシーの観点から心配する声もあります。
そうした懸念を払拭する必要があると思います。
それから、この顔認証技術オリンピックの水際対策として空港の出入国の審査に導入される計画です。
去年、成田空港で行われた実証実験です。
パスポートのICチップに記録された顔写真を機械が読み取ります。
そして旅行者の顔と自動的に照合するんです。
ICチップは偽造されにくいので偽造パスポートを使ってテロリストが入国することを防ぐことができるほか混雑の緩和にもつながるとされています。
次にご紹介するのは群衆行動解析技術です。
やはり防犯カメラなどを活用して人の頭の重なり具合から混雑度を判断する技術です。
開発したメーカーではオリンピックでの活用を提案しています。
この技術をすでに導入したのは東京・豊島区です。
混雑が激しくなると画面の色が黄色、そして赤へと変わります。
一定の混雑になると監視している人に左側のグラフのような形で危険を知らせます。
東日本大震災で帰宅困難者が道路にあふれたことを教訓に防災の観点から取り入れたということです。
例えば混雑が激しい場合一時避難所に誘導するといったことが検討されています。
メーカーによりますと人が急に集まったり逃げ出したりといった場合に危険を知らせる設定にしておけばテロや事件の防止にも役立つということです。
どちらにも役立つわけですね。
それから、監視カメラが不審な行動例えば物陰に隠れるとか急に走り出すといった行動をとらえた場合監視している人に警告するシステムの研究も進められています。
今はたくさんの監視カメラが設置されているので監視している側が異変を見逃すおそれがありますけれどもこのようなシステムがあれば見逃すリスクが低くなります。
ただ何をもってどんな行動を不信とするのか行動の意味を解析するのかが課題だということです。
いろんな方法が考えられていますね。
そしてハイテク技術の一方で大会の警備担当者が期待しているのが、こちら。
何ですか?犬ですか?ただの犬ではありません。
爆発物探知犬といいます。
この日は公園の植え込みに隠した爆発物のにおいがする袋を探してもらいました。
警察犬ではないんですか?はい、警察犬と違うのは警察犬は犯人の遺留品のにおいから跡をたどりますけれどもこの爆発物探知犬はもともと爆発物に使われるあらゆる化学物質のにおいを覚えていてあるかどうか分からない爆発物を探し当てるというすごい能力を持っている犬です。
爆発物探知犬の普及を進める団体が管理していますがアメリカなどと違って日本にはまだ数頭しかいません。
こうして見事探し当てると独特のポーズで知らせてくれます。
賢いですね。
複数の荷物の中から爆発物のにおいがする荷物を探し出す様子です。
素早く探し当てて独特のポーズです。
この爆発物探知犬会場周辺だけでなく手荷物を検査する場面での活用も検討するということです。
ただ犬の育成やハイテク技術の活用には時間がかかります。
あと5年というのは決して長くはないんです。
今からしっかり準備を進めてほしいです。
私たちにできる安全対策はありますか?1つはセキュリティーボランティアになるということが考えられます。
東京大会では9000人を募集する計画です。
外国語や手話ができる人に道案内や災害の際の避難誘導などをしてもらうということです。
人の流れがスムーズになれば雑踏事故を防ぐこともできると期待されています。
大会の警備担当者は何より一人一人がテロや事故防止への意識を高めることがリスクを減らすことにつながると話しをしていました。
平和を発信するオリンピック・パラリンピックを安全に成功させたいです。
2015/04/07(火) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「オリンピックの安全対策」[字]
NHK解説委員…寒川由美子,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…寒川由美子,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:6047(0x179F)