エイッ!大丈夫ですかどうしました
(ヒロコ)違う…!私じゃない…!
(宮部たまき)雨やみましたよ。
(杉下右京)では行きましょうか。
(亀山薫)あはい。
ごちそうさまでした。
いつもありがとうございます。
(携帯電話)あ…ちょっとすみません。
もしもし?
(伊丹刑事)「特命係の亀山か?」一発で酔いが覚めるその不快な声は伊丹だな?ヒマな特命係はうらやましいねぇ!こんな時間から飲んでるのか?切るぞ。
「おい!」オメェのかわいい恋人がどうなってもいいのかコラ?恋人が…どうなってもいいのか…?おい伊丹…テメェまさか美和子を…。
バカ言ってんじゃねえよ!いいからさっさと戻って来い!なんだこの野郎…!どうしたんですか?美和子に何かあったみたいなんですよ。
ちょっと行って来ます。
一緒に行ったほうが…。
わかってますよ。
(ヒロコ)薫ちゃんまだ?薫ちゃんにしか話さないんだから。
あれ…ヒロコママ遅せぇよっ!なんだよお前…恋人ってヒロコママのこと…?薫ちゃ〜ん!勝手に動くな!どどどうしたんだよ…?亀山。
お前の恋人な男を歩道橋から突き落としたんだよ!
(三浦刑事)殺人未遂だ。
被害者は意識不明の重体。
ウソよ!そんなことしてなーい!ねえ薫ちゃんならわかってくれるでしょ。
私が人を殺せるような女かどうか。
ちょっと待った。
今話聞くからな。
被害者は坪井真治33歳。
(三浦)IT関連企業アーバンカンパニーの社長だ。
イケメンの青年実業家か。
初めて会った瞬間からなんか運命的なものを感じたのよね〜。
でしつこくつきまとったが相手にされないことに腹を立てついに殺害を企てたんだな?あんたとは話しないって言ったでしょ。
薫ちゃん!こいつさっきっから失礼なのよ!なんとかしてよ!しょうがないよ。
こいつ失礼なんだから。
おい!亀山には何もかも正直に話すって言ったよな?薫ちゃん…私見たの。
女が彼を突き飛ばすところを。
エイッ!
(薫)女が?そんな嘘が通用すると思うかっだいたいお前だって立派な女なんだろ?伊丹さん。
警察官としてそのような発言はいかがなものかと思いますよ。
あらぁ〜?警部さんもいらっしゃってたんですかぁ?何にでも首を突っ込みたがるんですねえ!成り行き上仕方なく。
じゃあお前現場で何してたんだよ?私はただ…。
おい。
これこいつの所持品だ。
読んでみろ。
立派なストーカーだ。
「一度でいいからあなたに抱かれたい」「もしも抱いてもらえないならこのまま死んでしまいたい」「あなたとともに燃え尽きたい」…。
無理心中でもしようとしてたのか?違うわー!遺書なんかじゃない。
…切ない気持ちを綴った詩なの。
ただのポエム!伊丹さん。
どうした?歩道橋で被害者の坪井真治を突き落とした犯人を見たという目撃者が現れました。
通報してきたサラリーマン以外にか?はい。
それが…突き落としたのは黒っぽいコートを着た女だと…。
なに?女…?本当の女か?怖くなって通報が遅れたらしいんですが間違いなく女だったらしいです。
(ヒロコ)みなさいよ。
クッ…!で目撃者は?下に来ています。
(三浦)ホントかよ…?あなたが目撃した女性の顔覚えてますか?ええはっきり。
あ右京さん…その似顔絵の女の正体わかりましたよ。
ニュースソースは芹沢君ですね。
また後輩を脅しましたか?まあそれはいいじゃないですか。
えー女の名は岡村留奈28歳。
被害者・坪井真治の会社と取引のあるインターネット通販の会社を経営してるんですが坪井との間に金銭のトラブルがあったようですね。
まあでもこの坪井ってのはろくでもない奴みたいですね。
僕の調べでは坪井氏が経営するベンチャー企業アーバンカンパニー以前は飛ぶ鳥を落とす勢いだったようですが現在は経営状態のほうもあまりよろしくないようですね。
そうなんですよ。
だから坪井は金を持ってそうな女性実業家に近づいてうまいこと言って資金を調達してたみたいですね。
それも相当な額を。
…まあスケコマシのサギ師野郎ですよ。
ちょっとツラがいいからってねえもう…。
亀山君私的な感情はほどほどに。
…すみません。
つまりこの女性も被害者というわけですか。
はい。
一課は?伊丹たちは出たまままだ戻ってません。
行ってみましょうか。
(チャイム)
(チャイム)留守みたいっすね…。
右京さん!岡村留奈さん…ですよね?
(岡村留奈)はい…?警察の者ですが…ちょっとよろしいですか?
(留奈)何でしょうか…?昨夜8時頃坪井真治さんが恵比寿の歩道橋から何者かに突き落とされて大ケガをしました。
その件で岡村さん…あなたにお話を伺いたいんですがご同行願えますか?私が疑われてるんですか…?いや…そういうわけじゃないんですけどね…。
まあ坪井さんとはいろいろとトラブルがあったそうで…。
ええ…いろいろトラブルありましたけどだからって私そんなこと…!昨夜の8時頃っておっしゃいましたよね?ええ。
それでしたら私青山の「バンフ」って喫茶店にいました。
え…?お一人でですか?はい。
調べてもらえばわかります。
じゃその辺のところもゆっくり聞かせてもらえますか?あれ…?何やってんだあいつら?おいっ!…ヘヘヘ!なんだオメェかよ!邪魔すんじゃねえや!何やってんだよ?決まってるだろ。
似顔絵の女岡村留奈を見つけたんだよ。
部屋にいないと思ったらこんな所にいやがった。
ハァ?だから花屋の中にいるんだ!ええっ…
(岡村留美)姉さんどうしたの?妹の留美です。
双子…?
(ヒロコ)間違いないあの女よ!そうですか。
ありがとうございます。
これで事件解決ね。
ねお祝いしましょうよ2人きりで。
その前にお手数ですがもう1人確認していただけますか?あなたが目撃されたのはあの方じゃありませんか?そうよ。
そう言ったじゃないのよ。
あれ…一卵性双生児です。
見分けつきませんよね。
一卵性双生児の妹さんがいらっしゃったんですねえ。
(留奈)はい…同じマンションの別の部屋に住んでいて仕事も一緒にしています。
ネット通販の会社ですね。
はい。
2人でやってる小さな会社です。
それにしてもお二人は服装や髪型までそっくりなんですねえ。
あ…お互いに意識してるわけじゃないんですけれど不思議とそうなっちゃいます。
バンフって喫茶店で確認したんですけどもねあなたがおっしゃったとおり確かに犯行があった時刻あなたにそっくりな女性がいたそうです。
それじゃ私が事件に無関係だということが証明されたということですよねまあ…本来ならばそうなるんですけどもねえ今回はそうはいかないんですよ。
…どうしてですか?あなたが双子だからです。
…どういう意味でしょうか?喫茶店にいたのはあなたじゃなくて妹さんだったんじゃないですか?あなたは妹さんに自分のふりして喫茶店にいるように命じた。
ところがねそんなアリバイ工作は我々には通用しませんよ。
何をおっしゃってるのかわかりません…。
喫茶店にいたのは間違いなく私です!だからそんな嘘は通用しないって言ってんでしょ?亀山君。
妹さんに訊いてみましょう。
(薫)はい。
バンフっていう喫茶店ですよね。
ええ行ってましたよ。
8時頃に。
えっ?い…行ったんですか?はい…それが何か?だって…そんなこと言ったらお姉さんのアリバイが…。
そうですか。
ありがとうございました。
…おい。
右京さんどうなってんすかね?俺てっきり2人が共謀して…。
留美…私は坪井を許せない…!だから…。
姉さん…。
あなたはアリバイ作りに協力して。
…どうすればいいの?私になりすまして夜の8時頃に青山のバンフって喫茶店にいて。
そこで姉さんのふりをしてればいいのよね?
(留奈)…そう。
…ってな打ち合わせが2人の間にあったはずなんですけどね。
妹も喫茶店にいたって言ってるじゃねえかよ。
だからわかんねえんだよ!あの2人何考えてんですかね?おいおいおい!悪い頭でそんなに難しそうに考えることねえじゃねえかよ!犯人は被害者に騙されて弄ばれて金を取られて恨んでいた姉だ。
妹は証言どおり喫茶店にいた。
簡単じゃねえか。
それをどう証明しますか?いやだから…姉が嘘をついてるわけですから自白させちまえばいいんですよ。
自白しなかったら?姉が犯人だっていう物的証拠を突きつけるまでですよ!物的証拠がどこにありますか?だからそれはこれから…!一卵性双生児にはDNA鑑定も通用しませんよ?それはそうだけど…。
あ…指紋!指紋がありますよ!双子はDNAは一緒でも指紋は違うはずです。
犯人が手袋をしていたら?あっ…そうか!警部さんだから何だって言うんですかっあの姉妹は…亀山君君が想像していたよりもはるかに巧妙な打ち合わせをしていたのかも知れません。
2人が同じ事を言い続けたとしてそれが何だって言うんですか?このまま2人が主張を変えなければどうなりますか?どちらが喫茶店にいたのかわからないまま…ですよね?はい…。
つまり犯行現場にいたのもどちらなのかわからないということですよ。
でも…妹には坪井を殺そうとする動機なんか…。
妹が騙されて傷ついている仲のよい姉のために復讐をする可能性もあります。
ま…まあ…そういうことも有りうるでしようけど…。
いいですか?どちらの犯行なのか特定できない限り起訴する事もできませんよ。
(3人)えっ?つまり姉妹が共謀する事により罪に問われない完全犯罪が成立するわけです。
冗談じゃねえや!そんなバカげた手段が俺たちに通用するかっ!絶対に自白させてやる!よし行こう!邪魔だどけっ!痛ってえなもうっ!右京さん…!この事件を解決するためには犯行現場にいたのがどちらなのかそれを特定するしかありません。
(米沢鑑識官)犯人の遺留品ですか?ええ。
いやあそれらしい物は見当たりませんでしたよ。
場所が場所だけに指紋も無理ですしね。
一応被害者が意識不明ということで彼の所持品は預かってますけども。
…ご覧になりますか?拝見できますか?お待ちください。
(米沢)これです。
じゃ出します。
手がかりになるようなものでもあればいいんですけどもねえ。
ハンカチ…手帳に電話…ペンと…。
亀山君それはプライバシーの侵害ですよ。
ええ。
亀山君?ええ…あっ!これ見てください。
いろんな女性との写真ですよ。
ほら…ほら…。
あっ岡村留奈ですね。
幸せそうな顔をしていますね。
彼女が坪井を恨むのも無理ありませんね。
こんな笑顔を見せるほど惚れてたのに実は騙されてたんですからね。
そうですねえ…。
(伊丹)とぼけるなっ犯行現場であんたが目撃されてんだよっ!だからそれは私ではありません!あんたには動機があんだっ!でも私…喫茶店にいましたもの。
だからそれは妹だって言ってんだろうよ!私です!あんたたち姉妹の魂胆はわかってんだよ。
とぼけるのもいいかげんにしろ?何なんですか魂胆って…?あの女が白状するとは思えませんよ。
右京さんの言うとおり完全犯罪を成立させるつもりですね。
あ…。
(角田課長)おうヒマか?ヒマなのは課長でしょ?双子に随分と苦労してるそうじゃない。
双子っていえばさあ中学の時にかわいい双子の女の子がいてさ俺その片方の子に惚れたんだよね。
そうですか。
でさ思い切って告白してみたらさその子ともう一方の子と間違えちゃってさ…。
そのせいでふられちゃったんだよなぁ…。
間違えたからふられたんじゃなくて間違えなくてもふられたんじゃないですか?そんなことないよ!いいから出て行ってくださいよ!こっちは大変な事件抱えてんですからね!はいこれ持って…さよなら!わかったよもう…。
あ…どうせさ一方が主犯でもう一方が共犯なんだろ?2人一緒に起訴しちまえばいいじゃない。
無茶言わないでくださいよ。
そんな事できるわけないでしょ。
だよね〜。
いいから仕事して!ちょっ…ちょっ…危ねえなあもう…。
こんな時にもう…あれ?行きますよ。
どこへ行くんですか?この事件を解決するには犯行現場にいたのがどちらなのかを特定するしかないと言ったはずです。
それはわかってますけど…その特定は不可能なんですよね?違う方向から見てください。
違う…?わかった!喫茶店にいたのがどっちなのかを特定できればいいんですね?そのとおり。
そうかあ!昨日の晩ここにいたのがどっちなのかわかりませんかね?これ同じ人じゃないんですか?う〜ん…。
この女性はよくこの店に来ていたんですね?はい。
ここ1か月ぐらいの間に何度もやって来て…いつもあの席に座ってました。
米沢さんこの席を重点的にお願いします。
わかりました。
昨夜その女性はどのような服装をしていましたか?…黒っぽいコートを着ていました。
その時の店の様子を詳しく話していただけますか?はい。
…指紋検出できました。
ご苦労様です。
どっち?両方です。
…両方?岡村留奈岡村留美2人の指紋がテーブルの脇やイスから大量に検出されました。
どうなってんの…?やはりそういう結果でしたか。
どういうことですか?2人は事前にあの喫茶店に何度か通っていたということです。
1人の人間になりすまして。
完全犯罪のために?そうです。
そうか…テーブルやイスに指紋が残っていたとしてもいつ付いたのかわかんないってことか!あっ昨日使ったカップやスプーンは?そこに指紋が残っていれば特定できますよね?カップやスプーンはすぐに洗ってしまうものですよ。
ですよね…。
喫茶店にいたのがどっちなのかも特定できないってことか…!諦めるのは早いですよ。
えっ…?
(右京)留奈さん。
あなたは昨夜喫茶店で何を注文しましたか?…アメリカンです。
そうでしたねえ…。
あなたはあの店に行くといつもアメリカンでしたね。
はい…。
昨夜店は混んでましたか?いいえ…私ともう一組の若いカップルがいただけです。
そのカップルが大変なことになったようですね。
ええ…。
(留美)大声でケンカを始めましたね。
(薫)そのケンカの内容はわかりましたか?留美さん。
大声で怒鳴り合ってたので大体はわかりましたけど…。
どんな内容でした?男が別の女に手を出したとか…そんなことでした。
女の子が男の子をひっぱたいたそうですね?
(留奈)ええ…その上コップの水顔に浴びせてましたよ。
そこまでやりましたか。
よっぽど許せなかったんでしょうね…。
そのまま女の子は店を出て男の子は慌てて追っていきました。
その女の子どんな服装でした?いやあ…そこまでは覚えていません。
そうですか。
じゃ男の子の髪型は?
(留美)髪型?そんなことまで覚えてません。
そうでしょうね…。
(ため息)どうでしたか?質問17まではスラスラ答えてたんですけどね18以降は覚えてないの一点張りです。
同じです。
なかなか手強い2人ですね。
しっかり口裏を合わせています。
どっちかがどっちかに喫茶店の様子を事細かく報告したんでしょうね。
報告してない部分…つまり喫茶店で痴話ゲンカをしていたカップルの服装や髪型に関しては覚えていない…ということに決めてあったのでしょう。
右京さんどうするんすか〜?このままじゃ本当に完全犯罪成立しちゃいますよ?
(伊丹)えっ本当かよ被害者が意識を取り戻したんだなわかった!犯人の顔を見てるだろうからこれで事件も解決だよ。
よーし病院へ行こう!
(伊丹)おう!やーこれでなんとかなりそうですね。
なればいいんですがねえ…。
えっ?我々も行ってみましょう。
はい!
(伊丹)どっちかわからない…?
(坪井真治)ええ…。
後ろから押された時顔見たんですよね?見たことは見たけど…。
エイッ!
(伊丹)岡村留奈だったでしょ?妹のほうだったかもしれないし…。
しかしねえあなた姉のほうと関係があったわけですよね?つまりあなたを襲う動機があるのも姉のほうですよ?
(坪井)動機と言われても…そんなに恨まれる覚えはないし妹のほうとも…仕事上で何度か会ってますし…。
たぶん姉のほうだと思うけどはっきりとは…。
本当にマズイことになってきましたよ〜。
どんなに似ていても2人は別人なんです。
坪井氏を突き落とした犯人…喫茶店にいた女性…それぞれが別の人間なんです。
ああまあねえ…。
それぞれが人格を持っている以上必ず特定できる何かがあるはずです。
中学高校と…部活動まで一緒かよ!テニス部。
それにほら学校の成績もほとんど似たり寄ったり。
な?こんなに似てる人間がさいつも側にいるっていうのは…どういう気分なんだろうな?
(奥寺美和子)さあ…?たぶんさまるで相手が自分そのものみたいな感じがして嫉妬心とか対抗心みたいなのはねえんだろうな。
…そうかな?えっ?いくら自分に似てるからって自分そのものとは思えないよ。
だって何もかも似たり寄ったりなんだぞ?だから張り合うんじゃないの。
…どういうこと?例えば…薫ちゃん君右京さんと張り合おうと思う?えっ…?いや右京さんと俺はタイプ全然違うから。
でしょう。
ここはどうやったってかなわないもんねえ…。
…はい。
じゃ伊丹さんだったらどう?伊丹?同レベルだから張り合うでしょ?ちょっと待てよ…なんで俺があのバカと同レベルなんだよほーらほらほら対抗心ムキ出し。
だからね自分と同じレベルで似てれば似てるほど張り合うもんなんだよ。
この姉妹だってさ仲良さそうに見えるけど内心はどうだったんだろうねえ…。
(右京)2人にはライバル心があったに違いない…。
美和子さんがそう言ったんですね?はい。
さすがですねえ…優れた洞察力です。
いやでも…俺と伊丹が同レベルってのは…。
僕も同じことを考えました。
俺と伊丹が同レベルだって言うんですかっそれはひとまず置いといて岡村姉妹のことです。
2人のことを周囲の人たちに訊いてみました。
神経質と言えるほど潔癖症で何事も完璧にこなす妹に対し姉のほうはどこか粗忽なところがあるようです。
へぇーそそっかしいんですか。
姉はそのような自分の性格を随分気にしていたようです。
2人の固い絆を断ち切るきっかけはその辺りかもしれませんね。
妹さんの様子が少しずつですがおかしくなっています。
あなたの言動ばかり気にし始めているんですよ。
そんな嘘私が信じるとでも思ってるんですか?私たちの関係を壊すのが目的ですか?そんなことをしても何になるのかわからないし私たちの関係は壊れたりしません…!そうですか…それは失礼しました。
ああそれから…坪井真治さんですが意識を回復なさいましたよ。
どっちが犯人か知りませんが良かったですねえ…殺人犯にならなくて。
私は犯人じゃないから…関係ありません。
2人の絆は我々が想像していた以上に固いようですねえ。
いつまでも勾留できるわけじゃなし…。
どうしますか右京さん?2人の部屋に行ってみましょう。
(留美)いつまで待たされるんでしょうか?
(女性警官)お待ちください。
(薫)いくらそそっかしいお姉ちゃんでも犯行の証拠になるようなものを残してはいないでしょうね。
妹の部屋行ってみましょうか。
そうですね。
ああすみません。
どうも。
留美さんの部屋もお願いします。
はいこちらです。
あ…。
どうぞ。
すみません。
(薫)いやーよく似た印象の部屋ですねえ。
ほらテーブル一緒ですよ。
花まで一緒。
カーテンもあの布もありましたよねえ。
あ…このカエルの置き物!向こうもパソコンの横にありました。
お姉ちゃんの部屋と一緒…。
ここまで統一感を持たせるっていうのもスゴイな〜!髪型も服装も…。
えーっと…犯行当日は雨が降っていた。
1人は歩道橋へ行き…。
雨…。
どうしたんですか?傘も同じですねえ。
あ…ホントだ。
ただしお姉さんのほうはビニール傘が2本とも半透明です。
変ですねぇ…。
何がですか?どうしてこの1本だけが透明なのでしょうか?どうしてと言われましてもねぇ…。
お二人はこれほど何もかも同じ物を揃えているんですよ?統一感を壊すような物を妹さんが買うとは思えませんねえ。
たかがビニール傘…たまたま買っちゃったんじゃないですか?それかまあどこかで間違えて持って来ちゃったとか…。
お…おお…!俺なんかにとっちゃビニール傘なんてどれもこれも一緒ですからね。
傘立ての中にたくさんあったらどれが自分のかなんてわからないから適当に持ってきちゃいますよ。
警察官らしからぬ発言ですね。
あ…いやそうしてるってわけじゃなくて一般論を言ってるんですけども…。
亀山君。
ごめんなさい。
もうしません。
それですよ。
は?それ。
留美さんどうぞお座りください。
何度も言っているとおり私は喫茶店にいました。
はいわかっております。
岡村留美さんあなたは確かに犯行があった時刻喫茶店にいたことが証明されました。
この傘に見覚えありますね?犯行があった夜は7時過ぎから雨が降り出しました。
あなたは喫茶店に向かう途中でこの傘を購入したんですね?持ち物に統一感を持たせるあなたは常に半透明の傘を購入していますよね?そしてこの傘を手に喫茶店に入った。
しかしそこでハプニングが起きてしまった…。
帰り際に傘立てを見ると…。
この傘がなくなっていた。
あなたは仕方なく残っていた透明のビニール傘を持ち帰った。
あなたの部屋にあったこの傘です。
(薫)ケンカしてた若いカップル覚えてますよね。
男の子をひっぱたいて顔に水をかけた女の子。
その子がね間違えて持って帰っちゃったんです。
(右京)その女の子は近くのアクセサリーショップで働く喫茶店の常連客でしたからすぐに見つかりました。
この傘はその女の子の部屋からお借りしてきました。
その傘が何の証拠になると言うんですか?この傘には2つの指紋が付いていました。
1つはこの傘を持ち帰ってしまった女の子の指紋。
そしてもう1つは…留美さん…あなたの指紋ですよ。
つまり喫茶店にいたのは間違いなくあなたということです。
(薫)反論…ありませんよね?そんな顔なさらないでください。
僕はあなたの証言が正しいことを証明して差し上げたんですから。
ビニール傘か…。
はいビニール傘。
あの子らしくないミスね…。
何をやらせても完璧にこなす子なのに…。
坪井真治を襲ったのはあなたですね?そういうことになるでしょう。
妹と共謀して不起訴に持ち込もうとしたんですね?共謀…?そんな言い方やめて。
確かに私は不起訴になることを狙った…。
妹の留美を利用してね。
共謀なんて言い方をすると私と留美が対等じゃない。
冗談じゃないわ。
私はあの子と違うのよ。
私ね…昔から留美が大嫌いだったの。
あの子私と違って何でもキチンとやりたがるの。
見ててイライラするぐらい…。
周り人は私とあの子をすぐに比較する。
比較してバカにするの。
そそっかしい姉と完璧な妹…。
ねえ刑事さん。
私今ちょっと嬉しいの。
どうしてだかわかりますか?留美のつまらないミスのせいでこの完全犯罪が失敗したからよ。
私のミスじゃないのよ?…あの子のミスよ。
(笑い)ねえあの子はどんな罪になるの?あの子だって裁かれるのよね?共犯だもの。
おそらく留美さんは罪には問われません。
どうして…?彼女は首尾一貫して「喫茶店にいたのは私」と主張し続けていただけです。
偽証罪には当たりません。
あなたに利用されていたとなるとなおさら…情状酌量されるでしょう。
そんな…ふざけないでよまたあの子だけが得をするの亀山君。
嫌な幕切れでしたね…。
2人ともいつまでもそんな顔してないで。
憎しみ合いながらもいつも一緒にいる…。
姉妹だからできることなんでしょうかねえ?どうなんでしょう…?そんなに嫌だったら一緒にいなければいいのに。
本当に仲悪かったんですか?双子って不思議なテレパシーを感じ合うって言いますよね。
どちらかがお腹が痛くなったらもう1人も痛くなったりお互い同じ夢を見たりとかそういうことあるって言うじゃないですか。
ああ俺もそれ聞いたことありますよ。
私たちには計り知れない不思議な糸で結ばれてるってことかしら。
…ハッ!あ…!あなたは必ずここへやって来ると思っていました。
今回の事件を振り返ると大きな疑問が残りました。
なぜ留奈さんがこんな手の込んだ計画を企てたかということです。
坪井氏の殺害が目的ならばもっと別の方法もあったはずです。
しかしあえて双子であることを利用した…。
それはなぜだったんでしょう?留美さん。
この計画を考えたのは留奈さんではなくあなたですね?…どうして私がそんなことを?自分たちを弄んだ男に対する復讐だから…じゃないですか?坪井はお姉さんだけじゃなくあなたとも関係を持った。
あなたは坪井とお姉さんの関係を知らずに付き合ってしまったんですね?意識を回復した時の坪井氏の歯切れの悪さが気になりました。
あなたとの関係まで我々に知られたくなかったのでしょうね。
あいつ2人に恨まれてたからどっちが犯人だかわかんなかったんだろうな。
私はあんな男と関係ありません…!これ見てください。
ここに写っているのはすべてお姉さんだと思ってました。
でも1枚だけ違いました。
…この写真です。
この日付ね調べたらちょうどお姉さんが海外に行ってる日でしたよ。
つまりこれはあなただということです。
坪井もついさっき何もかも…認めましたよ。
知らなかったのよ…!姉さんがあの男と付き合ってたなんて…。
あの男にお金を騙し取られたって姉さんから聞いた時初めて知ったの…!私…あいつを問い詰めたわ。
ねぇっねえどうしてお願い聞かせて離せよ!…お前とも本気だったわけじゃない。
一度双子の両方と付き合ってみたかったんだ。
(留美)そう笑いながら言ったの…。
姉さんがあの男を殺したいって言った時私は自分から進んで協力したの。
すべて私の計画なんです!お姉さんにあなたと坪井の関係を話したんですか?…言えるはずないじゃない!姉さんを悲しませたくないもの…。
すべて私が悪いんです。
だからこれが償い…。
せめて坪井をこの手で…!お姉さんは知っていましたよ。
知っていながらあなたを庇ったんです。
自分1人で罪をかぶりあなたを守ったんです。
嘘…そういうお姉さんであることはあなたが一番よくわかっているはずです。
ですからそのバッグの中のものを出さないでください。
我々にそれを見せないでください。
あなたが何をしにここに来たのか我々が理解できないままにしてください。
あんな男のためにあなたは…人生を棒に振る必要はない!あなたが傷つけばお姉さんも傷つきます。
そういう絆で結ばれているんです…お二人は。
(泣き声)
(三浦)さあ。
(伊丹)行くぞ。
行きましょうか。
はい!2015/04/06(月) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
[終]相棒 season2[再][字]
「二分の一の殺意」
詳細情報
◇出演者
水谷豊、寺脇康文 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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