(テーマ音楽)静岡県南伊豆。
太平洋に突き出た須崎半島です。
やわらかな春の日がさし込む海底には色とりどりの海藻が豊かに生い茂っています。
大きさ1センチに満たないダンゴウオ。
個性豊かな魚たちが海藻の森に姿を現します。
まだ冷たい海の中でたくさんの海藻が芽吹き始める春。
南伊豆の海を訪ねました。
静岡県伊豆半島の南側に位置する須崎半島です。
7キロほどにわたって岩礁が波に洗われ入り組んだ海岸線が続いています。
スイセンの花が満開になる1月。
半島はすがすがしい花の香りに包まれます。
海岸に見られる不思議な形の岩。
須崎半島は古い時代の海底火山が隆起して出来ました。
海底で冷えて固まったマグマが6角形の柱状の岩を生んだのです。
火山の名残は地層にも現れています。
火山灰や軽石が幾重にも積もり美しいしま模様をつくり出しました。
早春浅瀬にはたくさんの海藻が見られます。
潮が引くと姿を現す岩に生えているのは食用になる…乾燥させると黒くなりますが海の中では明るい褐色です。
水温は13℃ほど。
一年で最も低いこの時期に色とりどりの海藻が浅瀬を覆います。
陸の植物とは違い暑い夏には枯れ冬から春にかけて生い茂るのです。
水深5メートルほどにはコンブの仲間がびっしりと生えています。
岩にしっかりとつくカジメです。
太くしなやかな茎を伸ばし高さ1メートル以上になります。
こちらは12月の海底の様子。
夏に枯れたカジメは茎の部分だけを残し葉がありません。
冬から春にかけて茎の先から少しずつ葉が出てやがて十数枚が育ちます。
海藻の中では寿命が長く7年以上生きるカジメ。
この時期陸上の木々のように葉を茂らせ海底に森をつくり出しています。
カジメの陰に魚がいます。
大きさ15センチほどのフグの仲間です。
海藻のつくり出す環境は魚たちの格好の隠れがになっています。
こちらには巻き貝が張り付いています。
表面についている有機物を食べるためです。
貝についた赤い皮のようなものも実は海藻。
その名も…この辺りの海藻は400種以上。
さまざまな色や形があります。
この袋状のものは大きさ5センチになる…花飾りのようなアヤニシキ。
網目状の繊細な体です。
砂地に薄い羽衣のようなものを見つけました。
その名は…滑らかなツルツルとした手触りです。
長さ30センチ以上になります。
こちらは高さ4メートル以上になるアカモクです。
水面に向かってまっすぐに伸びる姿。
このだ円形の浮き袋を持つため海の中でも立っていられるのです。
体全体で太陽の光を受け止め成長します。
潮が引くと多くの海藻が水面にあらわになります。
海藻の間に隠れた小さなエビや小魚を狙って鳥たちが集まり須崎半島の磯はにぎわいます。
春この海で最も勢いよく生い茂るのは…この時期2メートル近くの大きさに成長します。
根元近くのヒダのある塊。
食材としておなじみのメカブです。
春に大きくなりここからたくさんの胞子を出します。
こちらの海藻の上にうごめく黒っぽい塊。
大きさ30センチほど。
軟らかな部分をおいしそうに食べています。
海藻の色によく似た魚がいました。
何かを狙っています。
大きさ5ミリほど。
海藻の森のあちらこちらで群れを成すアミ。
春に向かって活動的になる魚たちにとっては大切な食料になっています。
この時期岩陰に目を凝らすととても小さな魚が見つかります。
赤い海藻の上分かりますか?大きさ1センチほど。
腹びれが吸盤のようになっていてあまり泳がずピッタリと張り付いています。
海藻の表面につく小さな生き物を食べています。
毎年春先にだけ繁殖のためにここへやって来ます。
海藻の生い茂る岩陰に大きさ5センチほどの魚がいます。
この時期産卵の季節を迎え体の色が鮮やかに変化します。
こちらはオス。
黒い頭とオレンジの体。
繁殖期特有の色です。
こちらはメス。
オスの縄張りにやって来ました。
時折メスがおなかを小刻みに震わせ産卵します。
岩壁の藻に1ミリに満たない卵を産み付けるとオスがそばにやって来て受精させます。
海藻の生い茂る豊かな環境は生き物を育む大切な場所です。
春の海には時折強い風が吹き荒れます。
海の中が激しくうねり海藻の森は大きく揺さぶられます。
まるで吹雪のように砂が巻き上がっています。
嵐に耐えられずちぎれてしまったワカメ。
根元から剥がれてしまったようです。
海底には色とりどりの海藻が横たわっています。
嵐の度に多くが姿を消していきます。
強い風が収まり穏やかな海が戻ってきました。
岩場には多くの海藻が残り魚たちも元気に泳いでいます。
浅瀬に稚魚たちの姿が目につくようになりました。
大きさ僅か3ミリほど。
ダンゴウオの赤ちゃんです。
頭には幼い頃だけに見られる白い天使の輪のような模様があります。
こちらでは5センチほどの小さなカジメの赤ちゃんが育っていました。
海藻たちは何年もかけてこの海で森をつくります。
豊かな海藻の森に囲まれた南伊豆須崎半島の海。
海の中は一足早い春らんまんです。
2015/04/06(月) 15:41〜15:55
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「南伊豆 須崎半島の海」[字]
伊豆半島の南端、須崎半島。黒潮が洗う海には、一足先に春がくる。2〜3月にかけてワカメやヒジキなど、豊かな海藻の森に覆われる。そこにダンゴウオなど魚たちが集まる。
詳細情報
番組内容
伊豆半島の南端、周囲7キロほどの須崎半島。海底火山由来の地形でリアス式の海岸が続く。黒潮が洗う海の中には、一足先に春がやってくる。2月から豊かな海藻の森に覆われていくのだ。透明度が高い海中には光がよく届き、ワカメなど多種多様な海藻が生い茂る。その間には、大きさ2センチほどのダンゴウオなど個性的な姿の魚たちが身を隠す。3月は魚たちも繁殖の季節。ヒメギンポが産卵し、海藻の小さな赤ちゃんが姿を現わす。
出演者
【語り】中村慶子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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