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【政治】

不当な約款無効 敷金定義を明文化 民法改正案閣議決定

 政府は三十一日の閣議で、企業や消費者の契約ルールを定めた民法の債権分野を大幅に見直す民法改正案を決定した。買い物の際に売り手側が契約内容として示す「約款」の規定を設け、消費者の利益を一方的に害する不当な約款は無効になる。債権分野では明治時代の一八九六年の民法制定以来、約百二十年ぶりの大改正で、政府、与党は今国会中の成立を目指す。

 インターネットの普及による取引の多様化に対応し、あいまいなルールを明確化して消費者を保護するのが狙い。改正は約二百項目に上る。経済界への影響が大きいため、公布後に三年以内の周知期間が設けられており、今国会で改正案が成立すれば施行は二〇一八年中になる見通しだ。

 上川陽子法相は記者会見で「国民生活や経済、社会に影響を与える重要な法案だ。国会で十分に審議いただき、速やかに成立させられるよう努力したい」と述べた。

 約款は、企業が不特定多数の消費者と画一的な条件で契約を結ぶ際に提示される。改正案は、契約後の内容変更についても、消費者の「利益に適合する」場合などに限定するとの条件を示した。

 約款は保険や携帯電話の契約、ホテル宿泊などで普及している。しかし、内容が専門的な上、消費者が一方的に同意を求められ、ネット取引の拡大などに伴いトラブルが相次いでいた。

 アパートなど賃貸住宅の契約に関しては、入居時に大家に支払う敷金の定義や返還規定を明文化した。敷金で負担する修繕費は住人による損傷が生じた場合などに限り、時間の経過に伴う汚れなどの原状回復義務は負わないと規定した。

 

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