弐代目・青い日記帳 

  
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門外不出のフリーア美術館所蔵品4万点の高品質デジタル画像を公開&無料ダウンロード可能
米国ワシントンDCにあるフリーア美術館は、2015年1月1日より、ほぼ全所蔵作品となる約4万点について、高解像度のデジタル画像を、同館ウェブサイトからダウンロードできるプロジェクト「オープンF|S」を開始しました。


http://www.asia.si.edu/collections/edan/default.cfm

フリーア美術館は、シカゴの鉄道王チャールズ・ラング・フリーア(1854-1919)が、蒐集した美術品をアメリカ連邦政府に寄贈したコレクションを基にして、1923年に開館したスミソニアン博物館群のひとつです。


俵屋宗達「松島図屏風」江戸時代 17 世紀 六曲一双 紙本着色
フーリア美術館蔵
F1906.231-232 Freer Gallery of Art, Smithsonian

とりわけこの美術館が名を馳せているのは、日本にあれば間違いなく国宝指定を受けているであろう日本美術作品を含む豊富なアジア美術を中心に、19世紀・20世紀初頭のアメリカ美術までの幅広い作品を所蔵している点です。

しかし、国宝級の日本美術作品が、里帰りしたことはありません。それはフリーアの遺言により、すべての所蔵品は館外への持ち出しができないためです。


俵屋宗達「蔦の細道扇面流図屏風」フリーア美術館蔵
Freer Gallery of Art, Smithsonian F1902.102 -103

現地へ行っても日本美術の特性上、必ず自分の観たい作品が展示されているとは限りません。それでも日本美術ファンであれば一度は訪れてみたい「宝庫」であり「聖地」でもある美術館がワシントンにあるというのも、何だか奇妙な話ではあります。

一切の作品を門外不出として貫き通しているフリーア美術館。これも創設者の遺言をしっかりと守っている由縁。金策に窮しているようであれば、いざしらず全く資金面では安泰の美術館であるので今後も貸し出されることはまず望み薄です。


フリーア美術館
Freer Gallery of Art and Arthur M. Sackler Gallery


所在地:米国ワシントンDC
Independence Ave at 12th St SW, Washington, DC 20560 
開館時間:10:00〜17:30
休館日:12月25日
入館料:無料
付帯施設:東アジア絵画保存スタジオ、技術研究所、アジア美術調査図書館
アクセス:スミソニアン駅下車 徒歩1分
ホームページ:http://asia.si.edu/
所蔵作品数:25,864点(2013年現在)
アジア美術(約22,000点)
日本美術(約12,228点)     
日本の陶磁器(約2,885点)など


俵屋宗達「童子仔犬図」フリーア美術館蔵
Freer Gallery of Art, Smithsonian  F1902.37

専門家をも唸らせる日本美術コレクションを有するフリーア美術館ですが、何度も言いますが、作品は門外不出です。観たいけど観られない…

しかし、吉報は突然に舞いこんで来るものです。タイトル通り、何と所蔵品4万点の高品質デジタル画像を公開を今年(2015年)1月から始めたのです。

オープンF|S
http://www.asia.si.edu/collections/edan/default.cfm

スミソニアン博物館群の中で、またアジア美術を専門とする美術館としてデジタル化と全所蔵品を公開した、世界で初めての美術館となります。


俵屋宗達 「蔦の細道扇面流図屏風」フリーア美術館蔵
Freer Gallery of Art, Smithsonian F1902.102 -103

しかも更に太っ腹なことに、商業目的以外の利用には制限をかけいません。

つまり、「オープンF|S」から学術的な研究者の利用、アーティストが作品づくり、個人がDLしブログに掲載するなど自由に画像を使えるのです。

今回のプロジェクトにより、日本に居ながら高解像度で所蔵品を楽しむことが可能となりました。さらに、その膨大な所蔵品と展示スペースの関係から、今回公開された約4万点の約75%が、現地で展示公開されたことのない作品でもあるため、研究活動での活用も大いに期待出来ます。

幅広くアート作品に親しんでもらいたいという美術館の想いが現れています。開始から約1ヶ月で全世界から約100万件のアクセスがあったそうです。その中でももっとも人気があるのはやはり日本美術品だそうです。

オープンF|S
http://www.asia.si.edu/collections/edan/default.cfm

膨大な数の日本美術、観たことのないような作品が沢山あります。いくら時間があっても足りません。


本阿弥光悦筆 俵屋宗達下絵「古今集和歌巻」フリーア美術館蔵
Freer Gallery of Art, Smithsonian  F1903.309

そして、今年の秋から来年の冬にかけ、ワシントンDCでフリーア美術館所蔵作品を軸とした「俵屋宗達展」が開催されるのです。その名も「俵屋宗達と雅の系譜」展!

“Lineage of Elegance: Tawaraya Sōtatsu”(「俵屋宗達と雅の系譜」)
会期:2015年10月24日(土)〜 2016年1月31日(火)
会場:フーリア/サックラー美術館


サイト(英語:日本語)
Lineage of Elegance: Tawaraya Sōtatsu
http://www.asia.si.edu/sotatsu/
俵屋宗達と雅の系譜
http://www.asia.si.edu/sotatsu/default-jp.asp

今から、飛行機のチケット予約しましょうか。宗達の最高傑作である「松島図屏風」を観にワシントンまでひとっ飛び!したいものですね。


俵屋宗達 琳派の祖の真実 (平凡社新書)

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| お知らせ | 22:59 | comments(1) | trackbacks(0) |
讀賣の記事でこのニュースは知ってはいたが、ここまで詳細な情報は誠にありがたい。
山根先生が生きていたら、真っ先にいくだろう。
琳派四百年は京都では盛んだけれど、東京ではそうではない。MOAも観に行ったけれど、やはり光琳が中心でなんかつまらなかった。昔のサントリーでやった光悦と宗達の展示をどこかでやって欲しい。ありがとうございます。
| 三谷卓 | 2015/04/08 6:50 AM |










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