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 ロシアのラブロフ外相が7日、モスクワで中国の王毅(ワンイー)外相と会談し、ロシアが習近平(シーチンピン)中国国家主席らを迎えて5月9日に開く対ドイツ戦勝70周年記念式典などをめぐり意見交換した。両外相は第2次大戦で両国が果たした役割の重要性を確認し、歴史の書き換えを認めないという立場で一致。王外相はプーチン大統領とも会談を予定している。

 9月に北京で行われる「反ファシズム戦争勝利・抗日戦争勝利70周年」の式典には、プーチン大統領が出席する見通し。軍事パレードにはロシア軍も参加する可能性があり、第2次大戦で日本を破った中ロ両国の歴史的役割を強調する機会となりそうだ。旧ソ連の対日参戦と、その後の千島列島、北方領土、サハリン南部の占領を正当化する論調も強まりそうだ。

 ラブロフ氏は7日の会談後の記者会見で「私たちはモスクワで5月に、北京で9月に行われる戦勝記念式典を、自由と独立に命を捧げた英雄のために行うという共通認識を確認。大戦の教訓を忘れず、その歴史を書き換えさせないことが必要だということを強調した」と述べた。

 王外相は「第2次大戦の主要な前線に立った中国とロシアは、勝利を記念し、互いにそれを支える特別の責任があるという考えで一致した」と述べた。(モスクワ=駒木明義)