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米大統領 核開発問題でイスラエルなどと電話会談
4月3日 10時34分

米大統領 核開発問題でイスラエルなどと電話会談
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アメリカのオバマ大統領は、イランの核開発問題を巡る最終的な解決に向けた枠組みで合意したことを受けて、イランの核開発を警戒しているイスラエルとサウジアラビアの首脳と相次いで電話で会談しました。
ホワイトハウスによりますと、オバマ大統領は2日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、今回の合意の内容を説明するとともに、イランが脅威であるという懸念が消えたわけでは全くないとして、イスラエルの安全保障に関与していく姿勢を強調したということです。
これに先立って、オバマ大統領は、イランと対立するサウジアラビアのサルマン国王とも電話で会談し、近く、サルマン国王など湾岸諸国の6か国の首脳をアメリカに招いて、中東での安全保障の協力を強化するため協議をする方針を明らかにしました。
イスラエルとサウジアラビアは、イランの核開発を警戒して、オバマ政権の交渉姿勢に批判的な立場で、さらに欧米側との合意が進むことによって、イランの影響力が拡大することを懸念しています。このため、オバマ大統領は、中東で緊密な関係にある両国の首脳に直接、経緯を説明し、理解を求めたものとみられます。
また、オバマ大統領は、フランスのオランド大統領、ドイツのメルケル首相、そしてイギリスのキャメロン首相とも相次いで電話で会談して、今回の合意を歴史的なものと評価したうえで、最終的な合意に向けた交渉を前進させていくことを確認しました。

イスラエル首相は反発

イスラエル政府の発表によりますと、オバマ大統領からの電話に対し、ネタニヤフ首相は「今回の枠組みでの合意はイスラエルの存続を脅かすものだ。イランの核開発計画に正当性を与え、イランの経済を勢いづかせ、イランによる中東全域への侵略とテロ行為を増やすことになる」と述べ、合意の内容に強く反発したということです。
そのうえで、「とるべき道は断固とした態度でよりよい取り引きが達成できるまでイランへの圧力を強め続けることだ」として安易に経済制裁の解除を行わないようけん制したということです。
イスラエルは、イランの核開発を安全保障上の最大の脅威と位置づけており、最近のイエメンでのシーア派勢力の台頭や、イラクの要衝ティクリットを巡る過激派組織IS=イスラミックステ-トとの戦いで、シーア派民兵が大きな役割を果たしたことについても、イランによる勢力の拡大だと、非難する立場です。

サウジアラビア「最終合意で安全保障の強化を期待」

サウジアラビアの国営通信によりますとサルマン国王は2日、オバマ大統領との電話会談で、「最終合意が中東地域と世界の安定と安全保障を強化するものになることを期待する」と述べ、イランの核兵器保有を防ぐことができる合意ならば、否定はしないという姿勢を示しました。
イスラム教スンニ派の大国サウジアラビアは、ペルシャ湾を挟んでにらみ合うシーア派の大国イランとここ数年、シリアやイエメンへの対応などを巡り対立を深めています。
サウジアラビアは、核開発問題を解決する最終合意を受けてイランが中東地域での影響力を拡大させるのではないかと警戒を強めていて、今後、双方の関係がどうなるのかは、地域の安全保障にとって大きな鍵を握っています。

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