【社説】韓日関係の未来を閉ざす安倍政権の教科書改悪

 日本の文部科学省が6日、中学校の教科書検定の結果を公開した。6日に検定を通過した歴史・公民・地理の合わせて18の教科書のうち、13の教科書に「韓国が竹島を不法占拠している」という表現が載った。2011年の検定では四つだったのに、わずか4年で3倍に増えた。昨年4月に既に検定を終えた小学5年生・6年生用の全ての社会科教科書にも、独島(日本名:竹島)に関するこうした一方的な主張が記載された。

 今回の事態は、昨年1月に安倍政権が、教科書の作成指針に相当する「学習指導要領解説書」に「竹島は日本固有の領土」「韓国の不法占拠」といった表現を入れた時から予見されていた。しかし日本が、独島に関するこうした無理な主張を教科書に載せたからといって、韓国の領土である独島の実質的・法的状態が変わることはない。およそ100年前の日韓併合のような、国権を失う惨劇を再び味わわないかぎり、独島を日本に渡すはずもない。

 問題は、安倍政権が、成長しつつある未来世代の教科書に「韓国の不法占拠」といった表現を書き込み、反韓意識を教え込もうとしていることだ。韓日関係が「政治のわな」にはまってふらついても、人的・文化的・経済的交流を通じ、互いについての理解を広げていくのを見れば、いつかは共に前へ進めるという希望を捨てることはなかった。しかし安倍政権の教科書改悪は、両国の未来まで閉ざしてしまうものにほかならない。

 日本メディアの報道によると、安倍政権は、近々発行する外交青書において、韓国に関する説明文から「(日本と)基本的価値や利益を共有する」という部分を取り除く予定で、代わりに「最も重要な隣国」と表記するという。これについて、韓国が自由民主主義や市場経済という両国で共有する価値を損なったというような、とっぴな解釈を行っている。安倍政権にとって韓国は、基本的価値も共有せず、日本の領土を不法占拠する、そういう国になった。

 安倍政権の姿を見ていると、韓日関係改善には何ら関心がないように思える。安倍首相が今月末に、日本の歴史上初めて米国連邦議会の上下両院合同会議で演説できるようになるなど、対米外交で成果を挙げたことが、こうした自信を持たせた最大の原因なのだろう。一方韓国外交は、これまでひたすら対日強硬論ばかりにこだわってきたのに、突如として方向転換を模索するなど、「戦略不在」を露呈した。日本の挑発をめぐり、米国の世論・政策を動かすことにも失敗した。文字通り「お手上げ」状態の、無能外交だ。対日外交を根本から再点検しなければならない。

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