[中学教科書検定] 多様な視点載せてこそ
( 4/8 付 )
来春から使われる中学校教科書の検定結果を文部科学省が公表した。
沖縄県の尖閣諸島や島根県の竹島について、社会科の全教科書が「日本の領土」と記述し、自国の主張を前面に押し出したのが大きな特徴だ。
領土教育を重視する安倍政権の意向が、義務教育の内容に反映された結果と言えよう。
一方で、中国や韓国の言い分は「(尖閣諸島の)領有権を一方的に主張」、「(竹島を)不法占拠」などにとどめた。
領有権に関して自国の立場を強調するのはもっともだ。だが、相手国がなぜ異なる主張をするのか、その根拠を教えなければ生徒たちの理解は進むまい。
領土の記述が前面に出た背景には昨年1月、文科省が講じた二つの措置がある。
まず、学習指導要領解説書を改定し、尖閣・竹島を「固有の領土」と明記した。
検定基準も政府見解の明記や、通説的な見解がない数字などの事項を載せる時には、見解がないと明示することなどを加えた。
教科書検定はこうした要領や基準に沿っているかどうかが合否を分ける。教科書会社は意識せざるを得なかっただろう。
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