●●●★日本語★●●● 問題:国字は、「漢字の字体にならって日本で作られた文字」だそうです。ふつうは訓だけです。音読みはありません。 ■よく知られる国字では、「峠(とうげ)」、「辻(つじ)」、「凪(なぎ)」などがあります。これらは漢字の字面から意味が想像しやすくなっています。「山の上り下り」、「十字路」、「風が止まる」と考えればいいわけですね。 ■本日は漢検1級の問題集に掲載されていた「試験に出る国字」をクイズにしてみました。「峠」や「辻」ほどにはわかりやすくありません。でもいわれてみると、字面と意味の関係はなんとかつながるような気もします。初見でも、考えれば読みはわかるかな。 ■下の5つの国字はなんと読むのでしょうか? なお、[に]は環境に依存する文字だそうです。ねんのため、口絵に漢字を掲げておきました。 [い]辷る [ろ]蛯 [は]蚫 [に]躮 [ほ]躾 (答えはずっと下↓ スクロールして下さい) ●●●★日本語★●●● 正解:各項目を参照してください 説明:[い]辷るはすべ(る)と読む ■「辷る」は、「しんにょう」+「一」です。「しんにょう」はご存じのとおり、道や歩くことに関わる漢字であることを意味しています。たとえば「辻」とか「辺」、「迂」、「近」、「遠」、「迎」などもそうですね。 ■そして横に滑らかに移動することを意味する記号として「一」です。ちゃんと理屈が通っています。 [ろ]蛯はえびと読む ■「蛯」は、虫偏に「老いる」です。虫は、現在は昆虫を指します。でも昔は動物はみんな虫偏で表したようです。たとえば「蛇」は爬虫類ですが虫偏ですね。「蛙」は両生類ですが虫偏です。さらに「蛤(はまぐり)」は貝類なのに虫偏です。そして「蛯」は甲殻類なのに虫偏です。 □なお、「えび」を意味する漢字は他にもいくつかあります。「蝦」もそうですね。「A」もそうらしい。「螧」もそうらしい。(最後の2つの漢字は環境依存文字だそうです。前のは魚偏に分です。後のは虫偏の右に、老を上に日を下に書きます)。 [は]蚫はあわびと読む ■「蚫」は、虫偏に「包む」に似た字です。魚偏に同じ字を書くと「鮑」。こちらのアワビのほうがおなじみの漢字ですね。虫偏の蚫よりも美味しそうに見えます。高価そうにも見えますけど。 [に]躮はせがれと読む ■「身」は、「身を分ける」ですね。せがれは自分の身の一部、精子あるいは卵子を分けた存在です。 □精子も卵子もたった1つの細胞だそうですが、その中には雄あるいは雌の思いが山ほど詰まっています。もちろん遺伝情報も山ほど詰まっています。 □自分の身を分けた子供だろうと思っていたら、別の男性の遺伝情報によって制作された子供ということもありえます。雄としては悲しい。たとえば、豊臣秀頼は誰の子供だったのでしょうか? 当時は淀殿だけが知っていました。いまは誰も知りません。 [ほ]躾はしつけと読む ■「躾」は、「身」+「美」です。肉体美かと思ってしまいますが、精神面の美しさのようです。身を美しく処するという意味なのでしょう。 □犬は何を叱られているのかわからないらしい。だから、座敷にあがってきたらその瞬間に叱らなければだめだそうです。その場で躾けるのが原則とのこと。 □犬だけじゃありません。人間にもその場で叱らないとわからない人がいます。ところが、人前では褒めよ、裏で叱れなんていう処世訓もあります。でも後で叱るとキャンキャン吠えたりします。始末に悪いな。 ◆参考*1:書籍「本試験型 漢字検定1級試験問題集09年版」成美堂出版編集部編、ISBN978-4-415-20421-5、成美堂出版 ◇*2HP「常用漢字表:文部科学省」 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19811001001/k19811001001.html ◇Yahoo! J Dictionaries 大辞泉 ◇Yahoo! J Dictionaries 大辞林 ◇辞書「字通」白川静、平凡社 ◇辞書「日本国語大辞典」小学館 ぬけられます→日本語雑学クイズ一覧 |
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ワッ!? |
ねこのひげ 2012/04/02 07:32 |
コメントをありがとうございます。 |
ねこのひげ様<素町人 2012/04/02 18:16 |
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