福島:「ふたば未来学園」開校 原発避難乗り越え

毎日新聞 2015年04月08日 12時18分(最終更新 04月08日 14時56分)

ふたば未来学園高の開校式に臨む生徒や保護者ら=福島県広野町で2015年4月8日午前9時42分、佐々木順一撮影
ふたば未来学園高の開校式に臨む生徒や保護者ら=福島県広野町で2015年4月8日午前9時42分、佐々木順一撮影

 ◇AKB衣装のデザイナーが制服担当 校歌は秋元氏

 東京電力福島第1原発事故で住民の6割以上が避難したままの福島県広野町に8日、県立ふたば未来学園高校が開校した。同原発を抱える双葉郡(8町村)の高校では今年度唯一の生徒募集で、152人(男子98人、女子54人)が入学。新校舎が完成する2019年春まで、臨時校舎の町立広野中学校で学ぶ。

 「双葉郡の教育復興」の役割を期待する文部科学省は、同校を県内初の「スーパーグローバルハイスクール」(SGH)に指定し、国際社会で活躍する人材育成を目指す。同校で特別授業などをする「ふたばの教育復興応援団」に建築家の安藤忠雄氏や俳優の西田敏行氏ら17人が参加。校歌は作詞家の秋元康氏がプロデュースし、制服は「AKB48」の衣装を担当する茅野しのぶ氏がデザインした。

 学区は県内全域で1学年の定員は120人だが、双葉郡からの応募が多く、特例として全員合格させた。仮設住宅などで避難生活を送ってきた新入生もおり、通学圏外の60人余は寄宿舎から通う。生徒は▽大学進学▽トップアスリート▽専門職業人−−の3系列の科目群から選択科目を選び、学ぶ。県は今後、中高一貫校化を検討する。

 開校式で内堀雅雄知事は「双葉地方の復興のシンボルとして、国内外に明るい未来を告げる人材になってほしい」と祝辞を述べた。新入生を代表し、広野町の日下(くさか)雄太さんは「あれから4年。(新入生たちは)さまざまな思いを胸にこの地にやってきた。1期生として100年後も誇れる校風を築き上げることを決意します」と力強くあいさつした。【栗田慎一】

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