2015年4月8日12時38分
東京都中野区の路上で昨年8月、家族から行方不明者届が出された認知症の男性(当時83)が倒れているのが見つかったが、警察や消防は保護せず、2日後に死亡していたことが、警視庁への取材でわかった。受け答えがしっかりしていたことなどから認知症と気づかず身元照会しなかった、と警視庁は説明している。
地域総務課によると、死亡したのは横浜市の男性。昨年8月19日、利用していた福祉施設から行方不明になり、家族が同日、神奈川県警に届けた。
2日後の21日午前10時20分ごろ、中野区内の路上で倒れているのが見つかった。中野署の交番の警察官と東京消防庁中野消防署の救急隊が駆け付け、男性には微熱やのどの渇きといった症状があったが、男性は救急搬送を拒んだ。
警察官が名前や生年月日を聞くと、男性は実際の年より20歳若く答えていたが、外見が若く見えたことなどから「受け答えに問題はない」と判断。男性が「歩いて帰れる」と答えたため、近所の人だと考え、行方不明者情報の照会はせず、水を飲ませて近くの公園に連れて行き、現場を離れた。
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