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メインフレームからAWSへ、旭硝子がクラウド運用を決めた理由とは?
(2015/4/8 06:00)
2015年以降に構築する基幹システムの構築先として、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を第1候補にすると決めた旭硝子。これまでオンプレミスで基幹システムを運用していた同社がクラウドへの移行を決めたきっかけは何だったのか。またなぜAWSを選んだのだろうか。AWSが主催する記者説明会にて2015年4月7日、旭硝子の担当者が語った。
旭硝子 情報システムセンター グローバルIT企画グループ 主席の浅沼勉氏によると、クラウドへの移行を検討し始めたのは2014年3月のことだったという。「メインフレームで稼働していた最後の大規模基幹システムが保守切れを迎えるため、このままオンプレミスで行くかどうか考えた。オンプレミスの課題は、約5年おきにハードウェアの更新が必要となることや、基盤を共通化するとシステム更新の柔軟性が損なわれること。また、BCP(事業継続計画)対策まで施すとなると、コストが2〜3倍に膨れあがってしまうことなどだ。一方で、クラウドにしても、かえってコストがかかるのではないかと言われていたことや、法律・セキュリティ面で不安があったこと、またスペックが満たせるかどうか、安定稼働できるかどうかについても調べるに至っていなかった」と、当時の懸念点を浅沼氏は振り返る。
しかし、実際に試算すると、クラウドにコストメリットがあることがわかったという。また、BCP対策も、自前でディザスタリカバリセンターを維持して運営するよりも、すでにBCP対策済みのクラウド事業者を利用する方がスムーズだ。さらに、システムのライフサイクルを考えると、約5年でリプレースが必要となるハードウェアの更新に振り回されることもなく、クラウドであれば無限のライフサイクルが手に入る。ガバナンス面においても、ポリシーを実現できるプロセスをクラウドとセットで提供できるのではないかと考えたという。
コストについては、「クラウドに移行したからといって大幅に下がるわけではない」と浅沼氏は認めている。ただし、運用や開発のコストが従来のままであると想定したとしても、「無駄な開発検証機を停止するなど必要な部分を見極めて運用すれば、ハードウェア部分のコストが約20%は削減できる」としている。また、今後は5年後のリプレースが必要なくなることや、現在自社で運用しているデータセンターを将来的に移行する計画があること、さらにはBCP対策まで考慮すると、「圧倒的なコスト効果が実現する」と話す。
クラウドへの移行にあたっては、法律面や内部統制、セキュリティ、社内規定との統合性などの懸念点もあった。こうした懸念について、例えば法律面では、各種データがその分野の法案において問題ないかを確認、日本国内にデータがあるという前提で、そのデータをこれまで通り保護して管理していればクラウドでも問題ないという判断に至った。内部統制に関しても、AWS側に運用を任せるにあたって管理に関するレポートをAWSに発行してもらい、問題がないか監査法人に確認を取った。このように、それぞれの懸念点について確認や事前調査は必要だったものの、特に大きな問題はなかったという。
心強いコミュニティの存在
こうしてクラウドへの移行を決めた旭硝子だが、クラウド事業者としてAWSを選んだ理由はどこにあるのだろうか。
ひとつは、オンプレミスよりもAWSが安価だったことだ。また、ベンダーのロックインを避けるためにも、強固なユーザーコミュニティ「E-JAWS(Enterprise Japan AWS User Group)」の存在は心強かったという。さらには、検討当時すでに本番環境でSAPの導入実績があったこと、また、グローバル展開するクラウド事業者の中で、当時日本にデータセンターがあったのはAWSのみだったことなどが決め手となった。
ベンダーのロックインについては、どうしても一度導入を決めるとしばらくは使いこなすことになり、さまざまな機能を長期的に使い続けることでロックイン状態になってしまうことも考えられる。ただし、旭硝子 情報システムセンター グローバルIT企画グループ プロフェッショナルの三堀眞美氏は、「選んだ時点で、どのサービスでもある程度ロックインされることはわかっている。ただ、選択時に主流のサービスを選べば、サービスがなくなるリスクが低いほか、万が一なくなってしまってもユーザーが多いため、何らかの救済法が用意される可能性が高い」としている。
もちろん、数年後には再度ベンダーの比較検討も考えている。三堀氏は、「競合の存在はありがたい。AWSだけであればユーザーとしても不安だが、万が一のことが起こった場合、移行先が複数存在していると安心だ」と話す。
実際にAWSを使った感想として浅沼氏は、「非常に楽になった」と語る。新たなハードウェアの納品に伴うインフラ整備などの必要がないほか、インフラの構成が自由に変更できるため、柔軟な設計が可能になったという。パフォーマンステストはしていないというが、特に問題を感じることはなく、システムが突然止まるといったトラブルはゼロ。ハードウェアのメンテナンスに伴う再起動要請が一度あったのみだという。
旭硝子では、現在AWSで運用を始めたシステム以外にも、約10のシステムをオンプレミス上で運用しており、「今後は更新時に順次クラウド化を進める」と浅沼氏。業務システムやOA系システムのクラウド化も含め、「2018〜19年頃には、約8割のシステムをクラウド上で運用する体制を整えたい」としている。
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