2015年4月8日12時42分
12時30分、昼食休憩に入った。
羽生名人の注文はクラブハウスサンドウィッチとホットレモンティー。クラブハウスサンドウィッチはターキー、クリスピーベーコン、ハム、ゆでたまご、トマト、レタスをバランス良くはさんであり、ホテル椿山荘東京の担当者いわく「ルームサービスでは一番の人気メニュー」。
行方挑戦者の注文はカレーライス(ビーフ)とホットコーヒー。ビーフ、チキン、シュリンプ、野菜の中からビーフを選択した。「ビーフが一番人気ですね」と担当者。
それぞれ人気メニューを食し、一息ついて、対局の疲れを癒やす。
対局は午後1時半に再開する。(佐藤圭司)
■挑戦者の気合
7日夜には対局場で前夜祭が開かれ、約400人の将棋ファンらでにぎわった。
両対局者のあいさつはユーモラスだった。名人戦初挑戦、タイトル戦登場も2度目の行方八段は「タイトル戦の前夜祭の時は、大体後ろの方でお酒を飲んでいた。自分がひな壇に立つ日が来るとは思っていなかった」。最後は「厳しい戦いになることは承知しているが、やるからには全力を出し切って(ファンに)楽しんでいただき、勝ちたい」と力強く締めくくった。
羽生名人は「この舞台に立てるのは名誉で誇り。ふさわしい内容にしたい」と語る一方、ゲストに招かれた内藤國雄九段と加藤一二三九段について触れ、「長きにわたって活躍するお二人の大先生の共通点はネコを愛すること」と語り、笑いを誘った。
両者が中座した後、立会人の塚田泰明九段らが本局の見どころを語りあった。
この時点ではどちらが先手か決まっていなかったこともあって、戦型予想は難しい。候補として、角換わりや相矢倉があがった。副立会人の広瀬章人八段は「最近の行方八段は自信を持っている。最後は終盤勝負になると思う」と予想した。
前夜祭中、羽生名人は終始リラックスモードだったが、行方八段は違った。来賓があいさつでジョークを飛ばした際なども、羽生名人は笑っていたが、行方八段は表情を崩さない場面が目立った。塚田九段は「初の名人挑戦の行方八段は気合が入っていました」と語った。(村瀬信也)
■相矢倉に
名人戦では初めての顔合わせとなった両者の七番勝負第1局は、互いに慎重に指し進めるじっくりとした出だしになった。
午前10時17分、行方八段が15手目に▲2六歩と指し、主流の飛車先歩突き矢倉から外れた。解説を務める副立会人の広瀬章人八段は「(藤井猛九段が得意とする)藤井矢倉をにおわせた手です。激しい展開になる可能性も、ゆっくりした展開になる可能性もあります。用意していた作戦でしょうね」と話した。(村瀬信也)
■第1局始まる
羽生善治名人(44)に行方尚史八段(41)が挑戦する第73期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第1局が8日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で始まった。
大和証券グループの日比野隆司社長が振り駒をして、行方八段が先手番に決まった。午前9時、立会人の塚田泰明九段が「9時になりました。行方八段の先手番でお願いします」と告げると、行方八段は2分ほど考えて初手▲7六歩。羽生名人は2手目△8四歩と応じ、七番勝負の幕が開いた。
持ち時間は各9時間。対局は8日夕に封じ手をして、9日朝に再開。同日夜までに終局する見込み。(深松真司)
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