2015.4.8 05:06(3/4ページ)

キムタク勝ったぞ!G・原監督「なあにしてんだよ!」でナイン一丸

延長十一回には、田中が三塁に悪送球し寺内が生還。広島は守備が乱れた(撮影・森田達也)

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 勝利への執念。延長十回一死一、三塁。一走の坂本が二盗を敢行したところで、三走の片岡が飛び出して、アウトになった。冷静な指揮官がベンチで「なあにをしてんだよ! ホントにもう!!」と声を荒らげた。それだけ、熱くなっていた。

 命日に初めて実現した広島での試合。午前中には高橋由、坂本らが広島市内にある木村さんのお墓で手を合わせた。試合前にはセレモニーも行われ、巨人は原監督と坂本、広島は緒方監督と梵が木村さんが倒れた本塁に花を手向けた。

 決勝点を挙げた寺内も木村さんの教え子のひとりだ。二塁手として背中を追い続け、徹底的に守備を指導された。「今もキムタクさんならどうしていたかな、って考えることがある」。遺志を継いだ31歳は、木村さんと同じように守るユーティリティープレーヤーとして、チームに欠かせない存在となった。

 巨人では今季最長の4時間12分で執念の勝利を飾り、初の3連勝。原監督は「非常になんていうか、ご供養になれば、それは最高ですね」と天国でたっぷり試合を楽しんだはずの故人を思い出し、目を真っ赤にした。巨人では水原茂氏と並ぶ通算881勝。木村さんの座右の銘「一生懸命」を胸に刻み、リーグ4連覇、そして日本一まで突き進む。 (桜木理)

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