2016年度から使用される中学の歴史教科書。「集団自決」(強制集団死)に関し、「強いられた」など軍の強制性を表現する言葉がなくなった
文部科学省は6日、2016年度から中学校で使用する教科書の検定結果を公表した。沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)を8社中7社が記述したが、教育出版が自主的に、集団自決を「強いられた」から「追い込まれた」に変更したため、強制性を明記した出版社がなくなった。日本軍の関与については各社とも「追い込まれた」との表現にとどまった。そのほか沖縄戦に関して、自由社の「日本軍と沖縄住民はよく戦った」との記述に対し、「非戦闘要員が戦闘行為に参加したと誤解するおそれがある」との検定意見が付き「沖縄住民もよく協力した」に変更された。
自由社の修正後の記述については、県民自ら進んで戦争に協力したかのようにも読みとれる表現になっており、沖縄戦体験者らは「協力ではなく『協力させられた』、もしくは『強制的に動員させられた』のが実態だ」と指摘している。
中学教科書では、06年度の高校歴史教科書検定で軍強制削除の検定意見が出る前から、軍命を明記している社はなかったが、今回も軍命を明記した社はなかった。「集団自決」を現行本で記述していた自由社は、今回は記述しなかった。「集団自決」に対する検定意見もなかった。また、「強制集団死」という表記をしている社もない。
今回の検定では育鵬社の「琉球処分」と台湾出兵について記した部分にも検定意見が付いた。当初は、台湾での琉球人遭難事件から台湾出兵に至るまでの経緯と、琉球藩設置から沖縄県設置までの経緯を改行せずに記述していた。これに対し「前後関係について誤解するおそれがある」との検定意見が付いた。出版社は改行するなどして修正した。文科省は「審議会で、台湾出兵に至る経緯と琉球処分に至る経緯は別で分けて書くべきとの意見が出た」「台湾出兵と琉球処分に因果関係はない」などと理由を述べたが、琉球史の専門家は「両者は関連しており、文科省の主張は正しくない」と指摘している。
尖閣諸島については、地理の教科書で全4社が記述し、公民では全6社が沖縄の基地問題を取り上げた。
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