『古い日記』がまだ東京で消耗しているフリーランスに沁みる
最近は、なぜかしら和田アキ子の曲をよく聴いている。キッカケは m-flo とコラボした『HEY!』からなんだけど、よい。
特に『古い日記』がフリーランスに沁みる。当時にもヒッピーや全共闘の残滓があったのだろうけれど、都会で消耗している現代のフリーランスに通ずるものもある。
好きだったけど 愛しているとか
決して 決して 言わないで
都会のすみで その日暮らしも
それは それで よかったの
あの頃は ふたり共
他人など 信じない
自分たち だけだった
あとは どうでもかまわない
「都会のすみで その日暮らし」や「自分たち だけだった」という感覚に懐かしさや憧憬のような感情を抱く事もある。完全に偽記憶なんだけどね。
「懐かしさ」が後になってから捏造される現象
『あの鐘を鳴らすのはあなた』も名曲だし、横山剣の『タイガー&ドラゴン』をカバーしていたりと、歌手としての和田アキ子に再注目をしている。ジャパニーズR&Bとか、ジャパニーズファンクみたいな所に自分のツボがある気がする。単純にトランペットやトロンボーンの音が好きだというのもある。
吉村明宏の「あの頃は ハッ!」というギャグが先立ったり、芸能人としてはどうかと思って敬遠していたのだけど、いいね!ってなっている。明らかに生まれる前の曲なのだから別に「懐メロ」ではないはずなのに、懐かしい。
内田樹がデビュー当時の「ビートルズ」を聴いていたのはクラスに1、2名しかいなかったのに、後になってみんなが懐かしいと言い始めた現象について書いていたのだけど、「想像上の懐かしさ」が後から捏造されてしまう事がある。都会のすみで消耗しているフリーランス像も完全に僕の妄想なんだけど、風呂なしアパートとかの情景がありありと思い出せてしまう。「古い日記」を読み返すのって大事。
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