(2015年4月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
今月下旬にも大統領選に出馬表明すると見られているヒラリー・クリントン氏〔AFPBB News〕
ホワイトハウスを狙う2度目の大統領選出馬表明が長らく待たれているヒラリー・クリントン氏。発表に向けて準備が進む中、顧問らはクリントン氏の出馬を覆う必然性の雰囲気を振り払う新戦略を喧伝している。
クリントン氏のチームは、こじんまりした親密なイベントを通じ、同氏の人生の物語にしっかり焦点を当てることで、失敗に終わった2008年の選挙戦当時よりずっと個人的な形で有権者と関係を持つことを期待している。
バラク・オバマ大統領に惨敗した記憶がまだ強く残っているアイオワ州では、このブランド再構築の一環として、クリントン氏に思いも寄らぬ役割を与えることになる。勝ち目のない弱小候補の役割がそれだ。
1度は民主党の候補指名獲得への行進になると見られた選挙運動の歯車が狂ったのは、「ホークアイ・ステート(タカの目州)」として知られるアイオワ州だった。
因縁の地アイオワに見るクリントン陣営の課題
あれから7年経った今、党の活動家や運動員との架け橋を再建しようとするチーム・クリントンの努力は多くの意味で、2016年の大統領選に向けたクリントン氏の選挙運動が直面する大きな課題の縮図だ。
20年以上も世間の目にさらされ、大半の人がすでに強い意見を持っている候補について、どうやって有権者を興奮させるのか?
有権者がその一挙一動が何百人もの報道陣に追跡されることになる人物と持ちたがるような親密な接触をどうやって育むのか?
政治家一族のブッシュ家の子息で元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュ氏と再度対戦する可能性を考えると、どうやって「クリントン疲れ」と戦えばいいのか?
党員集会システムを通じて全米で最初に大統領選の論戦に参加する州として、アイオワは長年、米国の政治情勢において大きすぎるほどの役割を担ってきた。