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【芸能・社会】

中村小山三さん死去 中村屋三代に仕えた歌舞伎役者

2015年4月8日 紙面から

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 現役最高齢の歌舞伎俳優で、三代にわたり中村屋に仕えた中村小山三さん(なかむら・こさんざ、本名・福井貞雄)が6日午前11時24分、虚血性心不全のため都内の病院で死去した。94歳。7日に所属事務所が発表した。通夜は8日午後6時、葬儀・告別式は9日午前11時から東京都中野区の宝仙寺で営まれる。喪主は中村勘九郎(33)と中村七之助(31)が務める。

 小山三さんは今年1月の東京・歌舞伎座「寿初春大歌舞伎」で「一本刀土俵入」に出演したが、体調不良で途中から休演。入退院を経て自宅で静養し、今月1日に東京・浅草で開幕した「平成中村座 陽春大歌舞伎」の「魚屋宗五郎」に出演予定だったが、初日から休演していた。6日午前、検査のため自宅を出たところで突然倒れ、病院に搬送されたが息を引き取ったという。

 昨年3月には松尾芸能賞功労賞の授賞式に出席。内臓の不調で約1カ月入院していたことを明かした。「十七代目勘三郎のおかげ。功績が認められてうれしい」と語り、同年夏の平成中村座ニューヨーク公演に同行を希望して医者に止められたエピソードを語るなど元気な姿を見せていた。

◆勘九郎七之助 祖父や父とともに私たちを見守って

 勘九郎と七之助は所属事務所を通じて連名で文書による追悼コメントを発表。「4月6日、私たちの初舞台の時よりいつも近くで見守り力になってくれた中村小山三が虚血性心不全により94歳で永眠しました」とまずは報告。

 さらに「彼は今から90年前、4歳の時に中村屋に入門し、長きにわたり祖父・父・そして私たちを常に支えてくれていた中村屋の宝です。今はただ感謝の気持ちしかございません」と小山三さんへの思いを募らせた。

 最後に「これからも祖父や父とともに私たちを見守ってくれていると信じ舞台に精進致します」と決意をつづった。

◆猿之助 心より敬意

 名古屋市の中日劇場で上演中の「四月花形歌舞伎」に出演している市川猿之助(39)は「今年のお正月の歌舞伎座でのお姿が目に焼き付いております。歌舞伎のために尽くされたことを心より敬意を表します」と追悼のコメントを出した。

◆素晴らしい大先輩 ブログで愛之助

 片岡愛之助(43)は自身のブログで「子供のころからお世話になり、約30年前の第一回の金比羅歌舞伎にもご一緒させていただき、現在に至るまでさまざまなことを教えていただきました。素晴らしい大先輩がまた一人。心からご冥福をお祈り致します」とコメント。

 <中村小山三> 1920(大正9)年8月20日生まれ。東京都出身。4歳で三代目中村米吉(後の十七代目中村勘三郎)に入門。26年に中村小米を名乗って初舞台。中村蝶吉、中村しほみを経て、59年に二代目中村小山三を襲名。主に女形として活躍し、十七代目と十八代目の中村勘三郎に仕え、中村屋の重鎮として現在の中村勘九郎と中村七之助兄弟も支えた。著書に「小山三ひとり語り」(2013年)がある。

 

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