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 旅客機内や列車で暴れたり、文化財を傷つけたりしたら、ブラックリストに載せます――。中国で、問題行動を起こした旅行者の情報を記録する制度が始まったと、地元メディアが7日に伝えた。結果が重大だとみなされた場合には、出国や銀行取引を制限される恐れもあるという。

 ブラックリストは、国や地方の各省などの観光部門が作成し、マナーに欠ける旅行者の情報を1~2年間保存する。旅客機や列車、船などの交通の秩序を乱す行為や公共施設の破損などで、法的な責任が認められたり、社会に重大な悪影響を及ぼしたりした場合が対象となる。

 リストに載せられた旅行者は異議を申し立てることができる。申し立てを受けた部門は15日以内に回答しなければならないという。

 中国では近年、旅行者が引き起こすトラブルが注目を集めるようになり、中国国家観光局が制度づくりに乗り出していた。態度が気に入らないと国際線の旅客機内で客室乗務員にカップ麺をぶちまけたり、名所で落書きをしたりといった旅行者の行動が問題になっていた。リストづくりには、中国人のイメージ低下につながるこうした行為をなくす狙いがあるとみられる。(上海=金順姫)