さらにトイレ革命は管理面でも中国人の意識改革が必須だ。上海市内で日本料理店を営む津森隆さん(仮名・46歳)は話す。
「中国には『ウンコより汚い』トイレがいくつもあります(笑)。中国人はとにかくトイレの掃除を嫌がることが理由なんですね。トイレ掃除は気持ち悪いだけでなく、プライドが傷つくんだそうです。ウチの店にも、トイレ掃除を命じたところ『そんなことしたら親が泣く』と拒絶した若い従業員もいました。飲食店では、トイレ清掃専門スタッフを雇っているところもありますが、誰もが嫌がる仕事だけあって時給は高め。週に1回しか掃除しないところも多い。だから、トイレが汚れることを避けるため『ウンコ禁止』のトイレにしている飲食店も存在するほど。便器に金網をかけ、ウンコを流せないようにしてある……」
このように、多数の反革命分子がのさばるなか、トラブル孫悟空でお馴染み、ジャーナリストの周来友氏はこんな提案をする。
「日本の小中学校では、トイレも含め生徒が掃除しますが、中国の学校では掃除の時間自体がないんです。だから中国人は大人になってもトイレ掃除ができないし、使う時もキレイに使おうという気が起こらない。トイレ革命のためにはまず、小中学校でトイレ掃除をさせるよう強制させて、日本の学校を見習うべきです!」
中国トイレ文明の夜明けは、まだまだ先になりそうだ……。
◆「便器レストラン」が流行中!
洋式便座に腰掛け、便器の形をした器に盛りつけられた料理を楽しむ「便器レストラン」が流行している。5年ほど前から広がり、今や中国全土で1000軒以上あるという。深セン市内の便器レストランで食事をしたという日本人男性は「実物大の便器を模した鍋で出す火鍋屋でしたが、食べ終わる頃になると中身がぐちゃぐちゃになり、見た目が便器に溜まった吐瀉物そのもの」と酷評。酒の酔いも手伝って、吐いてしまったとか。ほかにも便器型の皿にウンコ型のチョコアイスを出すスイーツ店もあるとか。まったくどういう神経をしているのか……
取材・文/奥窪優木