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【統一地方選】
反「都構想」同士で議席奪い合い…「他党批判しにくい」と悩ましげ
「ずっと維新以外の4党で手をつないできたから、いまさら他党批判をできない。非常に分かりにくい選挙になってしまった」
市議会議長も務めたベテランである自民の荒木氏は焦りを募らせながら、自転車に乗って区内を走り回る。他党との差別化を意識してアベノミクスによる経済成長などを訴えて活路を見いだそうとし、「なんとか少しずつ手応えを得ている状況だ」。
前回、初陣ながらトップ当選を果たした公明の佐々木氏も悩ましい立場に立たされている。昨年、党本部主導で都構想反対・住民投票実施容認に転じた上、今回の選挙戦では「都構想を課題にすべきでない」(山口那津男代表)との方針が決まっている。
街頭演説の中心は防災対策の充実などに取り組んだ実績で、都構想の反対に割く時間はわずか。「うちに追い風が吹くことはない。最後まで全力で走るしかない」。大阪市で最高気温25・1度を記録した4日、スーツ姿で汗だくになりながら気を引き締めていた。
当選4回で知名度もある共産の北山氏も自公共で都構想の反対票を奪い合う構図に「かつてない危機感を持っている」。だが自公との違いを打ち出すのではなく、都構想反対の主張を前面に出す戦略をとる。「(自公共の)3人で維新の票を大きく上回る反対票を得なければいけない」。視線は5月の住民投票に向けられている。