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【統一地方選】
反「都構想」同士で議席奪い合い…「他党批判しにくい」と悩ましげ
大阪都構想が最大の争点となっている大阪市議選で、都構想反対の自民党など各党が戦い方に頭を悩ませている。世論調査で賛否が割れ、大阪維新の会に賛成票が流れるとみられる状況で、多くの選挙区で反都構想陣営が議席を奪い合う構図になりつつあるからだ。選挙前まで共同戦線を張り、5月17日の住民投票でも共闘するため、他党批判にも踏みきりにくい。候補者からは「こんな選挙は初めてだ」とため息がもれる。
「維新とそれ以外で真っ向から対決している。自民党、民主党、公明党、共産党は『都構想反対、反対』というだけだ」。4日、買い物客でにぎわう大阪市西淀川区のスーパー前で維新代表の橋下徹氏は4党をひとくくりにして批判した。
国政では激しく対立する与野党だが、大阪市政、大阪府政では反都構想で結束。橋下氏は「自民党と共産党が手を組むなんて信じられない」と皮肉り、そのすぐそばでは市議選の西淀川選挙区から出馬した維新新人、徳田勝氏(45)が何度も頭を下げながら支持を訴えた。
同選挙区は定数3。維新ブームが巻き起こった前回選で2人の候補者を擁立したが共倒れし、24区の中で唯一の維新空白区となった。今回は「絶対に落とせない」(維新幹部)として、橋下氏の高校時代の同級生でもある徳田氏1人に候補を絞った。
迎え撃つ自民現職の荒木幹男氏(67)、公明現職の佐々木哲夫氏(48)、共産現職の北山良三氏(62)の陣営に現職としての余裕はない。