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対韓関係「価値共有」削除の「外交青書」を閣議報告 平和国家の歩み強調
岸田文雄外相は7日の閣議で、日韓関係について使用してきた「基本的な価値を共有する」との表現を削除した平成27年版「外交青書」を報告した。竹島(島根県隠岐の島町)は日本の領土と明記されたが、韓国外務省は同日、抗議する報道官声明を発表した。政府は対外発信強化の一環で、18年版以来9年ぶりに英語全訳版を作成する。
韓国については、産経新聞ソウル支局の加藤達也前支局長が長期にわたり出国禁止となっている問題などで対応に変化がみられないことなどから、3月上旬に外務省のホームページで同じ文言を削除している。
岸田氏は同日の記者会見で「(安倍晋三首相の)施政方針演説などに合わせる形で改訂した。定期的な改訂の中での対応だ。韓国は最も大切な隣国で、未来志向の2国間関係を構築していきたい」と述べた。
日中関係については、昨年11月に日中首脳会談が開催されたことを評価した。また、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を日本固有の領土と強調し、尖閣周辺で中国公船の領海侵入が続いていることを批判。「日本の領土・領海・領空は断固として守り抜く」と明記した。