中谷元防衛相は７日の記者会見で、米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の名護市辺野古への移設をめぐる沖縄県の翁長雄志知事との会談について「沖縄県と調整していきたい」と意欲を示した。自民党の谷垣禎一幹事長も政府と沖縄県の関係改善を後押しする考えを示すなど、政府・与党は菅義偉官房長官と翁長氏の会談が平行線に終わったことを受け、事態打開に向けた環境整備を進めている。

　中谷氏は、翁長氏が要望している安倍晋三首相との会談についても「相互理解は必要なのでトップ同士の会談が実施できたらいい」と述べた。谷垣氏も記者会見で菅、翁長両氏の会談を「国と県との立場の違いを埋める第一歩となった」と評価した。

　ただ、政府・与党は沖縄に対し和解ムードを演出する一方、翁長氏が求める辺野古移設作業の停止に応じる構えは見せていない。菅氏らは、翁長氏が「上から目線」と批判した「粛々と」という表現こそ封印したが、「堅実に進めたい」（中谷氏）と工事推進の方針に変更はない。