リクエストがあったので。
@cz500c その共通点と「その後」のポイントをまたブログでまとめてください。参考にしまーす!(笑)
— yu_fzs (@yu_fzs) 2015, 2月 11
私は株を買う前から売ってしばらく後までを記録していました。このページはじげんとフィックスターズです。こういうのがいっぱいあります。
SBI証券の取引ツールでチャート画面の印刷ボタンで印刷したものです。なぜその銘柄がいいと思ったのか。なぜ買わずにタイミングを計ったのか。なぜそのタイミングで買ったのか。なぜ売らずに保持していたのか。保持している間は何を考えていたのか。売ろうと思ってやめたのはなぜか。ついに売ったのはなぜか。売った後に何を考えたか。再び買おうと思ったか。それらを取引中にメモしておき、あとでまとめたものです。数日スイングとデイトレが多かったので1分足か5分足が多いです。出来高とMACDヒストグラムを表示して印刷しました。
この作業は簡単で誰にでもできますが、単調で退屈です。作業自体はつらくないのですが「負けている自分」を直視することになるので精神的にボロボロになります。努力しても努力しても報われないことを日々確認しつづけることになります。
それでも続けることに意味があります。「私は無能であり、努力するすべてにおいて間違っている」と確信することが重要です。やっとスタート地点に立つことができます。素人は素人であると自覚することで素人でなくなるチャンスを得ます。
売買日記をつけることで「素人が何を考えているか」のデータが集まります。どうやって損をするのかを分析することができます。答えはシンプルでした。
急激に株価が動くと感情も動く
動きがゆっくりになると冷静になる
期待と恐怖が切り替わると売買する
例を挙げます。素人マインドを赤字で述べます。
ラオックスの2月12日の1日分の5分足です。
午後の終わりごろにすこし株価が動いています。特に感情は動きません。まぁいつものこと。ただ見ているだけです。そして翌日。
9時5分の時点のチャートです。右端の1本だけが当日のローソク足です。
株価が上昇しました。想定より多く上昇しました。感情が動きます。
株価が高すぎる
そこからさまざまな感情が生まれます。私は嫉妬深くて根に持つ上に負けず嫌いで攻撃的で勝つことを優先するタイプなので、とりあえず3つ感じます。
持ってたら儲かってた…くやしい
高すぎるから下がるかも…こわい
上がってるのに空売りなんて…こわい
くやしいけど怖い。儲けたいけど動けない。そこで様子見です。様子見する理由は2つです。
この株は上がる株だぞ
だから株価が下がったら買おう
筋の通った正しい理由に思えます。
ここまでの素人考えはシンプルな構造です。びっくりして、こわがって、何もしない。しかも筋の通った理屈まで用意して何もしない自分を正当化しています。値上がりする銘柄を目の前にしながら、恐怖で何もできずにいるのです。
すこし時間が経過します。55分経過した時点の5分足チャートです。
だんだん冷静になってきます。株価はそれほど動きません。じわじわと上昇していますが前日終値と寄り付きの価格差に比べれば「落ち着いた推移」に感じられます。じわじわと上昇していく株価を見て確信を得ます。
やっぱりこの株は上がる株だ!
一番いいタイミングで買うぞ!
一番いいタイミングとは今日の最安値です。そこまで下がらないにしても「もうちょっと下がったら買うぞ、と思い始めます。
この辺りで感情は反転しています。恐怖はほとんど消えており、期待が高くなっています。もう株を買う寸前です。期待で胸いっぱい。買うぞ買うぞ買うぞとマウスを持つ手に力が入ります。ポイントは「値上がりしたら買うぞ」とは思っていないことです。
そして5分後。当日最高値更新。
さらに5分後。さらに倍。
軽いパニックです。なぜパニックなのかは明白です。
この銘柄は株価が上がる(想定通り)
でもいったんは下がる(予想は外れ)
さっきまで期待で胸いっぱいでしたが想定通りの現実になっていません。そこで新たな感情が生まれます。恐怖です。「置き去りにされる恐怖」です。
構造は9時5分の時と同じです。
持ってたら儲かってた…くやしい
高すぎるから下がるかも…こわい
上がってるのに空売りなんて…こわい
ところが後ろの2つはすでに消えています。いったん胸いっぱいの期待を持ったので迷いや不安はなくなっています。寄り付きの急上昇で「上がる株かも?」と疑い、その後のじわじわ上げで「上昇銘柄だ」と確信しています。恐怖と期待の混ざった状態から期待だけが残ります。
さらなる急上昇と予想を外したショックで感情が一気に恐怖に上書きされます。「儲かるチャンスを逃す!」と恐怖を感じて「株を買う」のです。
実際はこの後も株価が上昇していくわけですが、単にラッキーだと言えるでしょう。なぜならその証拠があるからです。時間を9時22分まで戻してみます。
1分足です。右端の20本が当日のローソクです。
9時22分のツイートです。
ラオックスつええわ。293あたりまでいけるか
— タケ (@serotape_take) 2015, 2月 13
素人マインドでは恐怖で体がすくんで何もできない時です。上級者はすでに仕掛けており「この辺りが上限ではないか」と分析を始めています。もう「誰かに売りつけること」を考えているのです。
10時02分。
ラオックス!!宇宙取れるで!!
— タケ (@serotape_take) 2015, 2月 13
その時の1分足。
素人マインドでは「軽くパニック」を起こしていたところです。その瞬間に上級者は「いける!」と感じています。「誰かに売りつけて利益を得られることが確実になった!」と感じています。しかもまだ売りません。十分に買いが入り株価が上昇するまで待っています。素人はこれから買おうかというところです。まさに売りつける側とつかまされる側の構図です。
10時04分。
293でラオックス売れたー
— タケ (@serotape_take) 2015, 2月 13
10時20分の1分足。
これ以上完璧な売り抜けは存在しません。恐怖と期待に翻弄された素人は絵にかいたような「高値掴み」となっています。上級者は素人が買ってくるところに売りをぶつけて利益を得ます。偶然ではありません。勝とうとして勝っています。素人は勝とうとして負けています。これは大きな差です。
急激な株価の動き、期待と恐怖、感情の切り替わりで売買。これらの素人要素が損を重ねる能力の源泉です。上級者は株価の動きでうろたえません。期待や恐怖によるトレードをしません。感情は「取引を楽しむため」に使っていて利益を生むために使いません。
私はまだ必死に取引しています。肩に力が入っています。未熟です。
日々勉強。