記事詳細
「抵抗感乏しい」油で愉快犯? 二条城や明日香の神社も油まかれる
県警科学捜査研究所が分析を進めているが、文化財指定されている仏像や建物を削るわけにはいかないため作業は難航。捜査関係者は「綿棒で痕跡部分を押さえたりして採取を進めているが、時間がかかりそうだ」と明かす。
防犯カメラが設置されていた場所もあるが、映像は不鮮明なものが多く「期待はできない」(捜査関係者)という。県警は県内の寺社に防犯カメラのチェックや防犯態勢の再確認などを要請、注意喚起とパトロールを実施している。
単独犯?
一連の行為について、奈良女子大の岡本英生教授(犯罪心理学)は「文化財など、多くの人が大切だと思っているものを汚すことで、留飲を下げているのだろう」と〝犯人〟の心理を分析。その上で、人物像は「すべての被害が同一犯だとすれば、単独犯だろう。一人でこっそりといたずらを重ねているのかもしれない」とみる。油を使った手口からは、「ペンキなどと比べて油は除去できる可能性があり、心理的な抵抗感が乏しいまま、いたずらを繰り返していた可能性がある」と読み取った。
また、「いたずらが相次いで報道されたことで、悦に入った状態になっているかもしれない。模倣犯が現れる可能性もある」と、今後も被害が続く恐れを指摘している。