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「抵抗感乏しい」油で愉快犯? 二条城や明日香の神社も油まかれる
長谷寺など奈良県の4カ寺に続き、新たに同県明日香村の神社と、世界遺産の京都市中京区の二条城でも油のような液体がまかれた跡が見つかったことが7日、分かった。警備員を配置したり、パトロールの強化をしたり対応に追われているが、専門家は「目立たない方法でひっそりといたずらを繰り返しているのでは」と分析。模倣犯も含め警戒を呼びかけている。
二条城では国宝・二の丸御殿内で2月12日午後4時ごろ、観光客の案内などを委託している外部業者が油の跡を発見。二条城事務所が調べたところ、油の跡は御殿の6つの建物のうち、大広間や黒書院など4つの建物の観覧通路や建具などで計20カ所あった。
専門家に調査を依頼した結果、機械油のようなものをスプレーで吹きつけたような状態で、これまでに8カ所を除去した。
御殿内は午前9時~午後4時半に一般の観覧ができる。油の跡が見つかった日は約2200人が入場したが、御殿内には監視カメラは設置していないという。
二条城を管理する京都市は文化庁に被害を届けた。同事務所は、4月から御殿内の3人の案内員に加え、警備員1人を配置した。
新たに神社も
桜井市の長谷寺のほか、いずれも明日香村の岡寺と橘寺、飛鳥寺の計4カ寺の重要文化財などで被害が相次いでいる奈良県。同村の飛鳥坐神社でも拝殿の賽銭箱などの4カ所に油のような痕跡が見つかり、県警橿原署が7日、発表した。