天皇、皇后両陛下は8~9日、太平洋戦争の戦没者を慰霊するため、パラオ共和国を訪れる。慰霊を主目的とした外国訪問は、戦後60年にあたる2005年のサイパン訪問以来2回目。

 両陛下は9日、日本軍と米軍の激戦があったペリリュー島に渡り、日本政府が建立した「西太平洋戦没者の碑」に供花をする。この碑は広く西太平洋地域で戦没した人を慰霊するもので、日本の方角に向けて建てられている。

 ペリリュー戦の数少ない生存者の一人で、陸軍の軍曹だった永井敬司さん(93)=茨城県茨城町=は「たくさんの仲間が20代の若さで死んでいった。両陛下の訪問を機に、彼らの思いを多くの人に知ってもらいたい」と話した。

 そのほか、両陛下は8日にパラオ主催の歓迎晩餐会(ばんさんかい)への出席や在留邦人との懇談、9日はペリリュー島島民との懇談などが予定されている。(島康彦)