2015年4月6日 21:37

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 基礎生物学研究所の豊田賢治大学院生・井口泰泉教授らの研究グループは、ミジンコがオスを産むためには母親の生体内で幼若ホルモンが作られる必要があることを発見した。

 甲殻類のミジンコの仲間は、生息に適した環境下ではメスを産み、日照時間の短縮や水温低下や餌不足といった環境条件の悪化により、オスを産むことが知られているが、産み分けるための仕組みは分かっていなかった。

 今回の研究では、世界中で採取されたミジンコを集めて様々な条件下で飼育し、安定してオスを産む系統とその飼育条件を探した。その結果、海外で採取されたWTN6系統は、長日条件(1日24時間のうち14時間明、10時間暗)では生涯を通してほぼメスを、逆に短日条件(10時間明、14時間暗)ではオスの子供を産むことを発見した。さらに、短日(オス誘導)条件下でのみ、幼若ホルモン感受期の前に、幼若ホルモン生合成に必要な酵素であるJHAMTの遺伝子発現レベルが増加することを明らかにした。

 今後は、WTN6系統が、ミジンコの性決定研究に留まらず、環境依存型性決定を理解する上で優れたモデルになると期待されている。

 なお、この内容は「Journal of Insect Physiology」「BMC Genomics」掲載された。

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