中国:強制労働訴訟、双方から聞き取り

毎日新聞 2015年04月07日 20時48分(最終更新 04月07日 21時41分)

 【北京・工藤哲】日中戦争時に強制連行され過酷な労働を強いられたとして、中国人40人が三菱マテリアルなどを相手取り損害賠償や謝罪を求めた訴訟で、北京市第1中級人民法院(地裁)は7日、原告側と被告側からそれぞれの主張を聞き取った。法院は双方の主張を踏まえ、訴訟日程を決定する。

 この訴訟は、強制連行を巡り中国で日本企業への提訴が受理された初のケース。7日は法廷で原告と被告が初めて顔を合わせた。

 7日に北京で記者会見した原告側弁護士によると、三菱マテリアルの代理人は法院で、北京は強制連行が起きたり、過酷な労働が強いられたりした現場ではなかったとして、「北京の法院に管轄権はない」と主張。原告側は「被害者の家族や遺族には北京在住の人も含まれている」と反論した。

 原告側は「和解交渉の段階でも被告側の賠償責任が明確にならなかった」と批判し、和解交渉の中止を2月に発表している。三菱マテリアル広報・IR部は「係争案件なのでコメントは差し控えたい」としている。

 原告側は昨年2月、三菱マテリアルなどを相手取り提訴。1人当たり100万元(約1900万円)の賠償などを求めている。

最新写真特集