アジア投資銀:参加、拒否する理由ない…福田元首相

毎日新聞 2015年04月06日 21時45分(最終更新 04月07日 06時38分)

福田康夫元首相
福田康夫元首相

 福田康夫元首相は6日、東京・神田駿河台の明治大で開かれた国際シンポジウム(同大国際総合研究所、東京財団共催)で講演した。福田氏は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)について「先進国が拒否する理由はない。(拒否すれば)途上国いじめになるかもしれない。基本的には賛成せざるを得ない案件だ」と述べ、AIIB参加を検討すべきだとの考えを示した。

 福田氏は「本格参加は6月なので時間的な余裕がある。しっかり内容を詰める必要がある」と指摘。中国の習近平国家主席が国際通貨基金(IMF)など既存の国際機関との共存姿勢を示していることを挙げ「アジア諸国は大歓迎だ。西アジアや欧州まで影響を及ぼしうる」と述べた。参加に慎重な米国に触れながら「日本はこの機関(AIIB)を活用し、応援していく必要がある」と述べた。

 また、歴史認識問題を巡っては「近隣諸国との関係を良くするのが大前提だ。70年前のことでにっちもさっちもいかないのでは、国際社会にそういう国だと見られてしまう」と指摘した。【鈴木美穂】

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