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先天性難聴の遺伝子治療 マウスで成功
4月7日 4時22分

先天性難聴の遺伝子治療 マウスで成功
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生まれつき重い難聴のマウスに遺伝子治療をして聴力を回復させる実験に、順天堂大学などのグループが成功し、根本的な治療法の無い先天的な難聴の新たな治療法開発につながると期待されています。
この研究は、順天堂大学医学部の池田勝久教授らのグループが行ったものです。
グループでは、先天性の難聴の主な原因として知られている「Gjb2」と呼ばれる遺伝子に注目し、この遺伝子を人工的に働かなくした難聴のマウスを作り出しました。
そして、このマウスの新生児の片方の耳にだけ特殊なウイルスを使ってGjb2遺伝子が働くように遺伝子治療を行い、両耳で聞こえ方に違いが出るか脳波を調べました。
その結果、治療しなかったほうの耳は90デシベル以上の大きな音を出しても脳波に変化は見られませんでしたが、治療したほうの耳ではおよそ70デシベルで反応があり、耳の奥の「内耳」と呼ばれる部分の細胞も正常に成長していることが確認できたということです。
この遺伝子が原因とみられる先天性の難聴の患者は国内におよそ3万人いるとみられていますが、根本的な治療法はないということです。
研究を行った順天堂大学の池田勝久教授は「マウスでの実験という段階だが、先天性の難聴に遺伝子治療の効果があることを示すことができた。今後、人への応用に向けてさらに研究を進めたい」と話しています。

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