「耳鼻咽喉科」を「耳鼻いんこう科」に表示変更することになり、それについて耳鼻科の先生が院長に抗議していた。俺もその抗議に賛成だ。
そもそも「咽喉」を読めない人は、ひらがなで「いんこう」と書かれても、それが何を意味するのか分からないだろう。つまり「咽喉」を「いんこう」にひらがな表記したところで得する人はいないのだ。
逆に、漢字で「咽喉」と書いてあれば、それを見て「喉もみてもらえるのか」と分かる人がいる。しかし、ひらがなの「いんこう」にはそういう伝達力がない。なんのことか分からないまま「耳鼻咽喉科」を正しく「じびいんこうか」と発音することが、患者にとってどれほどメリットがあるというのか。
これがもし「耳鼻のど科」(じびのどか)に変更するというのなら、少しは賛成できたかもしれない。表音文字と表意文字を柔軟に使いこなしている日本において、大切なのは正しい発音ではない。正しい伝達である。
このままいくと、「せいしん科」「さんふじん科」「しょうに科」「がん(め)科」と書くのがデフォルトの情けない国と病院になりそうで怖い。
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