みなさんはじめまして。
「みんなのごはん」で初めて記事を書く、谷口マサトと申します。
この連載では、色々な人を“もてなす”のに良い店をご紹介したいと思います。
今年の3月に北陸新幹線が開通し、北陸と東京がぐっと近くなりました。
そこで今回、北陸の味が楽しめる場所を、東京と北陸、それぞれで紹介します。
もてなす人は、北陸・石川県出身のちひろさんです。
まずは東京から。
紹介するのは、築地にある日本産のワインと日本酒が集まる珍しい店「蔵葡(クラブー)」。店に入ると、下のようにズラっとお酒が並ぶ。店長が日本全国の蔵元を廻って集めた、純日本ワイン200種類、日本酒が30種。集めるにもほどがあるだろう。
しかもそれぞれのワインには、書店のPOPのように、特徴がわかりやすく書いてあって読むだけで楽しめる。まるでここは“日本産ワインの図書館”のような雰囲気だ。
店内の雰囲気もいい感じ。
さっそく料理を注文してみる。
まず出てきたのが「本日のおばんざい」。日替わりで5~7種類の総菜を楽しめる。
こちらは牛肉の時雨煮。
そしてソムリエの店長が、料理ごとに合うワインや日本酒を教えてくれる。
グラスのデザインも様々で飽きない。
ウマ~。
トマトのナムルに…
こちらは「自家製 ふわふわエビ団子」
中にはふわっふわのエビが詰まっており…
めっちゃウマい。
ちなみにふわふわエビ団子は赤ワインと良く合う。
そして赤ワインに合うと言えば…
こちらの特選A5ランクの「氷見牛」。
北陸・能登半島の付け根に位置する氷見は、海と山に囲まれた自然あふれる土地。そのキレイな水と空気の中で、のびのびと育った氷見牛の味は格別だ。
そしてなんと!ここでは氷見で作られたワインと一緒に氷見牛を味わえるのだ。写真は白のシャルドネだが、赤のメルローもあり肉とよく合う。ソムリエの店長によると、「同じ産地のワインと肉は、同じ水で育っているので実にピッタリと合う」という。
北陸の牛肉とワインと女性が揃う。食材の宝庫と言われる北陸の上質な暮らしを、東京で体験できるのだ。しかしここまでくれば「実際に北陸に行ってみよう!」ということで、この氷見のワインを作ったワイナリーにも取材してきた。もちろん北陸新幹線に乗って。
新幹線を使えば、東京から富山駅、高岡駅を経て、氷見に約3時間半で到着する。
高岡駅から氷見駅へはこの電車で移動した。氷見市は『忍者ハットリくん』『怪物くん』の作者・藤子不二雄A先生の出身地。高岡市は『ドラえもん』の作者 藤子・F・不二雄先生の出身地なので、町の様々な所にアニメキャラがいるのだ。
そして氷見のワイナリー「SAYS FARM」は氷見駅からタクシーで20分、小高い丘の上にある。気持ちの良い風が吹き抜けるこの丘が、葡萄を育てるのに良いと選ばれた。
ワイナリーは2011年に出来たばかり。タクシーの運転者さんいわく「新幹線が出来てからさっそく東京から来る人が増えました」。これからさらに人気のスポットになりそうなので、今のうちに行った方が良いかもしれない。
出迎えてくれたのは「SAYS FARM」スタッフの田向さん。人懐っこいヤギと一緒だ。
こちらがワイン畑。「この土地が生み出す、この土地らしい。この土地でしか出来ないワイン造り」というシンプルな理念の元、“北陸が生む美しいワイン造り”を目指し、氷見で取れた雑魚や牡蠣殻を肥料にするなど、試行錯誤しながら葡萄を育てたという。
ワイン畑を見下ろす位置にレストランもあり、その場でワインを楽しめる。
外にはテラス席も多く気持ちが良い。
ここではもちろん、北陸で獲れた食材をワインと一緒に楽しめる。
ちなみにここで作られた「セイズファーム シャルドネ 2013」は、ワインコンクール「“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards 2015」でゴールドを受賞しているが、個人的にはその弟分、「オジコ・シャルドネ」が驚くような果実のフレッシュさで美味しかった。
オジコとは氷見弁で本来は「おっさん」という意味なのだけど、弟に向かってよく使われる言葉だそうで、シャルドネの弟という意味で名づけたそうだ。
フレッシュさを堪能してもらうため、90%をステンレスタンクにて、10%をフレンチオーク樽にて貯蔵。貯蔵期間はシュール・リーの状態で6~7ヶ月熟成を進め、最終的にブレンドを行い瓶詰め。瓶詰め後に12ヶ月間のビン熟成期間をとっている…
そんな専門的な説明は私にはよくわからなかったが、とにかくスゴいフレッシュさにこだわったワインであることは、味わってみればすぐ分かった。
ちなみに「SAYS FARM」には宿泊施設もあり、写真の一棟をまるごと、一日一組限定で貸し切ることができる。
このように広いダイニングスペースもあり、外ではバーベキューも楽しめる。
ベッドルームも3つあり、仲間たちとワイワイと遊びに行くのに最適だろう。
ちなみに氷見のワイナリーの取材は私一人で行ってきのでとても寂しかった。
さきほどの女性の写真は、実際は東京の代々木公園で撮ったものだ。
私にとっては“上質な生殺し”とでも呼べそうな今回の取材だったが、読者の方にはぜひ北陸の上質な味を満喫してほしい。そしてまずは、北陸や日本全国のワインを楽しめる東京の「蔵葡」を一度訪れてみてはいかがだろうか。北陸出身の人はきっと喜ぶだろう。
今回行った店
r.gnavi.co.jp
・SAYS FARM | セイズファーム|富山県氷見市のワイナリー
色々な人を“もてなす”店を紹介する記事はいかがだったでしょうか。
氷見は私が26歳の時に亡くなった母の故郷で、どこか懐かしい旅でした。
もし良かったら面白いレストランを教えてください。日本全国取材に伺います。
著者:谷口マサト
Webライター&プロデューサー
Mail:chakuwiki@gmail.com