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【戦後70年】特攻(1)少年兵5人「出撃2時間前」の静かな笑顔…「チロ、大きくなれ」それぞれが生への執着を絶った

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【戦後70年】
特攻(1)少年兵5人「出撃2時間前」の静かな笑顔…「チロ、大きくなれ」それぞれが生への執着を絶った

特攻隊員の出撃直前の笑顔。子犬を抱く荒木幸雄伍長。(荒木伍長の左から時計回りに)早川勉、高橋要、高橋峯好、千田孝正の各伍長=昭和20年5月26日、鹿児島県(荒木伍長の兄、精一さん提供)

 特攻は、250キロ爆弾や500キロ爆弾を抱えて敵艦に体当たりする航空機特攻のほか、直径1メートル、全長約15メートルの大型魚雷に操縦席を設けた人間魚雷「回天(かいてん)」、モーターボートに爆弾を搭載した水上特攻艇「震洋(しんよう)」、爆弾を積みロケット噴射で滑空して体当たりする「桜花(おうか)」などの兵器も開発、投入された。

 20年4月には、戦艦「大和」を旗艦とする艦隊が沖縄決戦に向かう途上、4隻を除き撃沈された。この出撃は作戦命令に「特攻」と明記されており、これを含めると特攻による戦死者は8千人を上回るとされる。

 昭和20年4月1日、米軍は沖縄本島に上陸した。以降、多くの若者が沖縄を目指し特攻出撃した。過酷な時代を生き、自らの命を賭けて日本を守ろうとした若者はいかに生き、どう死んでいったのか。残された肉親らの戦後は-。それぞれの思いに迫る。(編集委員 宮本雅史)

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